フィリピンで人気が高まる日本の美容スキンケア化粧品
経済が順調に成長しているフィリピンでは、個人消費も拡大しており、特に美容ケア用品への関心が高まっているようです。
これまでフィリピンにおける「美容」とは、口紅を塗ったりアイメイクをしたりする「化粧」のことを指しており、化粧水や乳液で保湿するなどといったスキンケアは、あまり重視されてきませんでした。
しかし近年は、人々の美容への意識にも変化があり、メイクのベースとなる肌をより綺麗にしたいという需要が高まっています。
■飛躍的に成長している美容ケア市場
国際市場調査を行う「ユーロモニター」が発表しているデータによれば、フィリピンにおける2018年の美容用品の販売額は1,993億ペソ(約4,000億円)となっており、14年前の2004年のデータと比べると約2倍に伸びています。
また、今後さらに市場は拡大すると予想されており、2023年には2,500億ペソ(約5,000億円)に達すると言われています。
カラーメイクアップ部門でも、2018年の販売額は180億ペソ(約360億円)となっており、2004年と比較して3.5倍に伸びており、2023年までには300億ペソ(約600億円)に達する見込みです。
■悩み別スキンケア市場が拡大する見込み
これからフィリピンで需要が高まると言われているスキンケア美容用品。
単に保湿するだけでなく、ニキビケアや敏感肌用化粧品など、悩み別のケアに対応した商品に注目が集まっているようです。
また、フィリピンにおいて最も重要視されている「美白」の商品には、大きなポテンシャルがあると言われています。
もともと小麦色の肌をしているフィリピン人ですが、現地では色白なほど美しいという概念が浸透していて、ドラッグストアには美白関連化粧品がすでに多数並んでいるのです。
その数や種類は日本の美白コーナーをも凌駕するほど。
肌を白くするためには積極的に投資する、という人々が目立っています。
■商品がSNSで拡散されやすいフィリピン
現在フィリピンの美容業界で業績を伸ばしているのはジョンソン&ジョンソンやユニリーバ、ロレアル、メイベリンなどの大手外資系メーカーですが、今後は中小企業もどんどん参入してくると思われます。
その理由は、フィリピンにおけるSNSの影響力の大きさにあります。
国民の7割以上がインターネットにアクセスし、そのほとんどがFacebookをはじめとするSNSに時間を割いているというフィリピン。
テレビや雑誌で大々的に宣伝しなくても、SNS上に広告を出せば、大勢の人の目に触れるというわけです。
さらに、インターネットで美容用品を買う人々も増えているため、ECサイト上で商品を販売すれば、実店舗を持つ必要もありません。
フィリピンにおけるインターネットの普及率の高さは、この国で新たなビジネスをしたい人に多大なチャンスを与えているのです。
■信頼度の高い日本の商品
現在フィリピンで人気なのは、韓国のコスメです。
いわゆるコリアン・ビューティーは日本でもじわじわ人気を集めていますが、フィリピンではすでに絶大な支持を得ています。
韓国料理、韓国ファッション、K-POP、そして韓国コスメは、フィリピン人の憧れでありながら、比較的安価に手に入るというのもポイント。
しかし、だんだんと経済的に豊かな人々が増えている今は、多少高額でも日本の商品を使いたいという声も多いようです。
日本の化粧品の品質の高さや実際の美容効果には定評があり、信頼されています。
また、日本の化粧品はほかの商品にはない特別な美容成分を含むなど、差別化を図ることもできます。
まだまだスキンケアについては未開拓な部分も多いフィリピン人に、こういった特徴を英語でどう説明し、訴求していけるかがカギとなるでしょう。
■拡大していく新しい化粧品市場
今後ますます豊かに成長していくフィリピンでは、日本の化粧品市場も拡大していくこは間違いありません。
すでに日本のドラッグストアで売っているいくつかの商品は、フィリピンのドラッグストアでも購入することができます。
日本のコスメがフィリピン人に高く評価されるのはもちろん、フィリピン在住の日本人も日本の商品が手軽に買えるようになるのは嬉しいですね。