フィリピンで頑張る日本人公式LINE お友達登録大募集中!! フィリピンで頑張る日本人TikTok様々な情報をTiktokでもお届け中! フィリピン不動産投資で失敗しない為にBTWIN REALTY INC 安心・安全・完全日本語OK!マニラのドライバー付きレンタカーならお任せください!! PH DOOR フィリピンに興味のある人へ効果的にアプローチできる広告あります!

フィリピン政府批判メディアの編集長マリア・レッサ氏逮捕


麻薬戦争をはじめとする過激な政策で賛否両論のあるフィリピンのドゥテルテ大統領。

ニュースサイト「ラップラー」の編集長マリア・レッサ氏は、ドゥテルテ政権を強く批判する一人でした。

今月13日、マリア・レッサ氏は名誉毀損の疑いでフィリピン捜査当局によって逮捕されたとのことです。

これまでもドゥテルテ政権を批判する報道で、大統領から目をつけられていました。

 

<ラップラーとは?>

「ラップラー」はドゥテルテ政権を批判する数少ない報道機関の1つで、特にドゥテルテ大統領の麻薬戦争に関しては強く批判し、殺人をもいとわない政策の意義を問いかけてきました。

これまでに麻薬撲滅政策という大義名分によって、5,000人以上の麻薬関連犯罪の容疑者が殺されています。

 

<ドゥテルテ大統領の姿勢>

ドゥテルテ大統領は、ラップラーを「フェイクニュース」だと公然と非難し、ラップラー社がアメリカの投資ファンドから資金を得た際も「CIAから資金を受け取った」などと発言したことがニュースになっています。

ラップラーはからは昨年事業免許を没収し、自分のイベントからもラップラーの記者だけは締め出してきました。

 

<今回の逮捕の原因>

今回マリア・レッサ氏の逮捕の原因となったのは2012年にラップラーが掲載した記事。

実業家の男性が最高裁判長官に車を貸したことの倫理性を問う内容であったほか、麻薬密輸への関わりもあると書かれていたことに対し、「ラップラーが悪意を持って私を陥れようとしている」とレッサ氏を告発していました。

有罪となれば、レッサ氏は禁錮12年の実刑判決を受ける可能性があります。

ただ、この記事が掲載された当時はまだ、今回の逮捕容疑の法律「サイバー名誉毀損罪」が制定される4ヶ月前であり、ラップラー側は罪にならないと主張していました。

首都マニラのラップラー本社で逮捕されたマリア・レッサ氏は、保釈請求する方針とのことです。

保釈金は10万ペソ(約21万円)となっています。

パネロ大統領報道官は、今回のレッサ氏の逮捕は「報道の自由とは無関係であり、政府も関与していない」と主張しています。

 

<国際人権団体からのフィリピン政府への批判>

これまでもレッサ氏は、脱税など様々な容疑にかけられ、保釈金を支払ってきました。

このような事態になるのは、今回で6度目ということです。

フィリピン捜査当局のレッサ氏への扱いは、報道の自由を侵害し政権批判を封じ込めようとするものだとし、各国の団体から批判されています。

中でも国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、フィリピン政権のジャーナリストに対する法的措置について、「執拗に威圧し嫌がらせをしている」と非難しています。

 

<マリア・レッサ氏の経歴とは?>

レッサ氏は、アメリカCNNに20年勤務し、マニラとジャカルタ両支局長を務めていた他、フィリピン最大のメディア複合企業ABS-CBNのニュース・時事部門へ転職し、ジャーナリストとして成功しています。

ソーシャルメディアを利用して一大コミュニティを築き、2012年に調査レポート、クラウドソーシングニュース、動画を融合させた総合メディア機関「ラップラー」を立ち上げました。

フィリピン政府の汚職問題のほか、ドゥテルテ大統領を支持するネット世論が偽のSNSアカウントから拡散されていることや、飢餓や気候変動など多岐にわたる問題を議論する場を提供しています。

フィリピン政府からの圧力や妨害にも屈することなく報道を続けるジャーナリストとして、アメリカのタイム誌で「Person of the Year(今年の人)」の一人に選ばれました。

 

<闘い続けるマリア・レッサ氏>

マリア・レッサ氏は今回の逮捕に関し、「もはや見えないほど法の支配が壊されてしまったことにショックを受けている。私とラップラーだけの問題ではない。政府はメディアに『黙れ』と言っているが、決して黙ってはいけない。司法が茶番と化している。」とコメントしています。

BBCの特派員ハワード・ジョンソン氏によれば、フィリピンの記者は常に大統領支持者から脅されていると感じているそうです。

フィリピンでは大統領支持者が多いのも事実ですが、政府の発言の信憑性や政策の是非を問う団体も少なからず存在します。

マリア・レッサ氏は保釈後もフィリピン政府と闘い続けることでしょう。