セブも5月15日までロックダウン延長、現在の様子は?
フィリピンの「強化されたコミュニティ隔離措置(Enahnaced Community Quarantine)」は、5月15日まで延長されましたが、対象地域にはセブ州も含まれています。
セブはマニラ首都圏ほどではないものの、新型コロナウイルスの感染者は増加しており、移動・外出制限もだんだんと厳しく取り締まられるようになってきています。
■公共交通機関の停止
ロックダウン開始から、ルソン島と同様、セブ州でもバスやタクシー、ジープニー、そしてトライシクルなどの公共交通機関は動いていません。
人々は自分の車やバイクがない限りは、徒歩で移動することになります。
といっても、出かけらるのは1家庭につき1人だけ、スーパーや薬局など生活必需品を買うときのみです。
しかも、多くの人が詰めかけ混雑がひどいため、マクタン島のラプラプ市では週3.5日に制限されています。
買い物に行く際は少なくとも3日間分の食料を入手しないといけません。
■航空会社も合わせて運休
フィリピン航空、セブパシフィック航空などの地元航空会社は、ロックダウン延長に合わせて5月15日まで国際線も国内線もすべて運休です。
5月からは運航を再開するかも・・という話もありましたが、それも全部なくなりました。
マニラ〜成田便のみ、JAL、ANAからは出ています。
ただ、現状セブからマニラへの国内線も飛んでいないため、セブに滞在している人は日本へ帰るのが難しい状況です。
■道端で露店を開く人々
フィリピンでは多くの住民が日給で働いており、仕事がなければ無収入です。
しかも、その金額もセブでは1日800円程度。
ほとんどのお店の営業が停止されている今は、蓄えが何もなく生活に困っている人が大勢います。
一部の住民は野菜や果物などを道端で売って、なんとか生活の足しにしているようです。
またもちろん、ショッピングモールもレストランもやっていません。
扇風機や炊飯器など、生活に必要な家電は売っているものの、カラオケマシンなどの娯楽商品は販売禁止になっているということです。
■不十分な配給
政府は低所得層への食糧の配給などを積極的に行ってはいますが、いまだに行き届いていない人たちもいるそうです。
また、届いても大家族が食べていくには足りず、空腹に苦しむ子供達もいます。
そんな中、他人を思いやる気持ちの強いフィリピン人たちの中には、ボランティア活動を行う人たちも出てきているようです。
■買った食料をひったくる犯罪も…
配給が不十分でお金もない・・という状況では、どうしても治安が悪化します。
実際、セブでも貧困層によるスリや、スーパーで買った食料をひったくるような犯罪が起こり始めているようです。
外出禁止で人が外に出なくなったため一時は犯罪率が減ったフィリピンですが、生活に困窮した人々が増えれば話は別です。
フィリピン人同士でも警戒している状況ですが、特に日本人は狙われやすいため、外出時には注意が必要です。
■街中の取り締まり強化
街中では隔離措置への取り締まりが強化されており、以前よりもパトロールする警察や軍が増えているようです。
マーケットへ入場する際も何度もID提示を求められたり、外見が60歳前後に見える人に関しては生年月日を入念にチェックされ、年齢制限を違反していないか確認されます。
違反すれば逮捕されたり、警察に抵抗すれば射殺される可能性もあるため、ほとんどの住民はルールに従っていますが、中には不要不急の外出をして警察から厳重注意を受ける人も多くいます。
パトカーも巡回し、マスク着用を呼びかけているとのことです。
なお、ドゥテルテ大統領は、マスクを着用せずに外出すれば逮捕する、とも発言しています。
■5月1日〜「一般的なコミュニティ隔離措置」の地域も
フィリピンの「強化されたコミュニティ隔離措置(Enahaanced Community Quarantine = ECQ)」の対象になっている地域には、ルソン島全域、セブ州のほか、イロイロ州やダバオ市があります。
このほか、ECQよりは緩い「一般的なコミュニティ隔離措置(Geberal Community Quarantine = GCQ)」というものも5月1日から発動するそうで、ECQに含まれない地域のうち、感染リスクが比較的低い地域が指定されます。
GCQの下では、以下のようなルールが敷かれる予定です。
・労働者の外出はOK
・高齢者など健康リスクの高い人は外出禁止
・モール(営業できる店舗は限定)は21〜59歳のみ入場許可、人数制限あり
・優先度の高い建設プロジェクトの再開を許可
長引く隔離措置にも関わらず、感染者は増え続けるばかりで、住民のストレスも限界に近づいていることでしょう。
ドゥテルテ大統領は、新型コロナウイルス終息までには2年くらいかかるだろうと発言しています。
先のことが何も見えず、不安な日々が続きます。