フィリピンのイースター、ホーリーウィーク
昨日4月12日は、2020年のイースター(復活祭)でした。
といっても、イースターって日本人には正直あまり馴染みがないですよね。
一体どんなお祭りなのか?何をして過ごすのか?よく知らない方が多いのではないかと思います。
国民の80%がキリスト教徒であるフィリピンでは、イースターは大事なお祭りの1つです。
今回は、フィリピンのイースターについてご紹介したいと思います。
■そもそもイースターって?
イースター(Easter)は、「ホーリーウィーク(Holy Week)」とセットです。
十字架にかけられて死んだイエス・キリストが3日目に復活したことを記念するお祭りで、キリスト教圏の国々では様々な礼拝やイベントが行われます。
日付は年によって異なり、基本的に「春分の日のあとの最初の満月の次の日曜日」です。
今年は4月12日でした。
また、その前の木、金、土がホーリーウィークとされており、それぞれ
・聖木曜日:Holy Thursday・・最後の晩餐の日
・聖金曜日:Good Friday・・キリストが亡くなった日
・聖土曜日:Black Saturday・・キリストが墓に葬られた日
となっています。
この3日間のホーリーウィーク+日曜日のイースターを合わせて、全部で4日間、それぞれ様々な儀式やお祝いをします。
■フィリピンのホーリーウィーク
フィリピンでもこの3日間は祝日となり、教会や各家庭でお祝いします。
聖木曜日は7つの教会を巡り、祈祷書を読みます。
最も大事なのは聖金曜日のGood Fridayだそうで、1年のうち唯一キリストがいない日とされています。
キリストが処刑されるまでの流れを再現するため、実際に鞭を打ちつけられながら男性たちが行進する地域もあるのだとか。
その後、息をひきとったとされる15時頃から、棺に入ったキリスト教を担いで葬送の再現をし、日曜日まで布で隠します。
聖土曜日は深夜に教会で「イースター・ビジル」という復活徹夜祭が行われ、キリストの復活を宣言します。
土曜日もまだ神がいない日とされているので、旅行や遠出は控えるのが一般的。
そして日曜日の復活祭当日は、ミサに出席して復活を祝う、という流れです。
花火をあげたり、爆竹を鳴らしたり、マーチングバンドが練り歩いたりと、街中は盛り上がります。
また、ホーリーウィークは商業施設、学校などが休みになり、ちょっとした大型連休です。
■イースター・エッグとイースター・バニー
イースターって、なんか卵のお祭り・・?と思っている人も多いのではないでしょうか。
実はとても深い意味があります。
「イースター・エッグ」は、復活祭に出される彩色や装飾を施されたゆで卵です。
キリストが処刑されたとされる期間は、肉や酒のほか、卵も口にすることが避けられていました。
しかし、その間に生まれた卵は溜まっていくため、日曜日のイースター当日にまとめて消費する習慣が生まれたというわけです。
現代は、卵を使ったお菓子やパンなどを作る家庭が多いようです。
また、卵から新しい生命が生まれることから、死と復活を象徴しているのだとか。
装飾ではキリストの血を表現するため赤い色を塗るのが伝統らしいですが、街中のイースターグッズは可愛く様々な色がついていますね。
卵の形のチョコレートも人気で、日本でもたまに見かけるようになりました。
また、イースター・エッグとともに見かけるのがイースター・バニーというウサギ。
イースター・バニーは西欧の教会で「多産、豊穣」の象徴として定着したのだそう。
さらに、テッポウユリ(イースター・リリー)を教会の祭壇に飾る習慣もあるそうです。
■今年のイースター
しかし、今年のホーリーウィークやイースターは、フィリピンだけではないと思いますが、新型コロナウイルスの影響で、それほど盛り上がってはいなかったようです。
もともとショッピングモールやデパートなどは休みになるホーリーウィークですが、今年はそれに加えて街中にも人影がなく、マーケット周辺も閑散としていました。
まだ、通常はオープンしている小売店もホーリーウィークはすべてクローズし、教会も閉まっているためお祭り的な雰囲気はなく、なんだか寂しいイースターとなってしまいました。
■フィリピン人にとって大事なイースター
いかがでしょうか。
フィリピンのイースターとホーリーウィークについてご紹介しました。
今年は残念ながらあまりお祭り騒ぎができませんでしたが、きっとフィリピン人の敬虔な信仰心は変わらず彼らの心の支えになっていることでしょう。
この時期にフィリピンを訪れてみると、キリスト教がどれだけフィリピン人にとって大事なものかがよく分かると思います。
コロナ騒動が早く収束するようお祈りした人も多いかもしれません。
来年はちゃんとお祝いできると良いですね。