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フィリピンはコロナウイルス検査率が世界最低水準


新型コロナウイルスの感染が世界中に拡大している中で、フィリピンは人口当たりの検査率が世界最低水準であることが分かったそうです。
 
もっとも検査率が低いのはインドネシアですが、フィリピンはそれに次いでワースト2位。
 
なお、1位はアラブ首長国連邦(UAE)で、フィリピンはUAEの1,000分の1という数字なのだそう。
 
 

■フィリピンの検査率は10万人に1人

イギリスのオックスフォード大学の研究者とNPOグローバル・チェンジ・データ研究所などによる「Our World in Data」の情報を元に、世界25カ国・地域で比較したところ、
 
・インドネシア 7.4人
・フィリピン 11.4人
 
となっており、なんとフィリピン人は10万人に1人しか検査を受けていませんでした。
 
しかし、気になる日本も高くはなく、117.8人でUAEの12,738人にはまったく及んでいません。
 
UAEでは全人口の1.2%が検査を受けている計算になります。
 
次に多いのがノルウェーの8,025人、3番目が韓国で6,148人だそうです。
 
確かに韓国では最初こそ爆発的な感染が見られたものの、その後は急速に沈下した印象がありますね。
 
事実、韓国での致死率は1.4人という低い数字にとどまっています。
 
 

■今後は改善される見通し

フィリピンで検査率が低い理由としては、検査できる機関が限られていることが挙げられます。
 
現在検査できているのは首都圏のモンテンルパ市などに限られていますし、検査キットの数も足りていませんでした。
 
ただ、ここ数日で検査できる機関は6箇所ほどに増え、検査キットも十分に用意されたそうなので、検査率は上がると思われます。
 
 

■検査数を増やして致死率を抑制

検査件数を増やすことで早期に感染を発見し、致死率を低く抑えている国もあります。
 
イスラエルでは25日時点で感染者2,030人が確認されていますが、亡くなった人は5人にとどまっており、致死率は0.2%という低い数字になっています。
 
早い段階からすべての入国者に隔離措置を義務付け、水際対策を強化していたことにより、高齢者など重症化しやすい人への感染を防ぐことができたのだそう。
 
また、検査態勢を強化し、早期に患者を発見できたことが感染拡大防止に繋がったとしています。
 
韓国が車の窓越しに検査を行う「ドライブスルー方式」の検査場を設置していたのを真似たのだと、イスラエルのネタニヤフ首相は語っています。
 
現在は1日3,000人が検査を受けているということです。
 
 

■日本はどうなの?

日本も決して検査率は高くないため、コロナウイルス患者が圧倒的に少ないことに関して、世界からはさまざまな見方が飛び交っています。
 
要するに、感染防止策が健闘している結果なのか?それとも単に検査不足で実態が明らかになっていないだけなのか?
 
ということです。
 
ドイツの誌では「日本のコロナの謎」という記事が掲載されました。
 
ヨーロッパと違い、多くのお店が開いているにも関わらず、感染者が少ないことを指摘。
 
検査率が低いことと、コロナウイルスの疑いが強い人しか検査していないことにも言及していたそう。
 
アメリカの通信社ブルームバーグは、検査数が多いイタリアよりも致死率が低いことに触れ、欧米よりもハグや握手が少ないこと、もともと手洗いの習慣が根付いていることなどを、感染者が少ない理由として推測しています。
 
さらに、日本国内でも「他の病気と新型肺炎を併発していた場合はそちらを死因にカウントしているのでは?」や「検査前に肺炎が悪化して死亡した場合はコロナウイルスによる死亡者として数えていないのでは?」などさまざまな憶測が飛び交っています。
 
事実、オリンピック延期発表の直後に1日で40人もの感染者が出たと発表し、国民の疑心を煽りました。
 
日本で20日までに検査された件数は15,000件というデータがあり、これは韓国の31万件やイタリアの20万件を比べて極端に少ない数字です。
 
WHO(世界保健機関)では、単純に検査数だけで感染者が多い少ないという是非を判断することに関して、慎重になってきているようです。