進むメトロマニラの使い捨てプラスチック使用規制
フィリピンでは現在、環境汚染を改善すべく、使い捨てプラスチックの使用規制が進んでいます。
マトロマニラではすでに、マカティ市、パッシグ市、モンテンルパ市、ラスピニャス市、パサイ市、ケソン市などが使い捨てプラスチックの使用を規制していますが、今回新たにパラニャーケ市が市内での使用禁止の通達を出しました。
これによりパラニャーケ市内では、スーパー、デパート、市場などでプラスチック製のレジ袋が配布されなくなるほか、発泡プラスチック系の断熱材も使用禁止になります。
違反すると、初回と2回目5,000ペソ(約10,000円)、3回目は5,000ペソ+事業認可取り消しと事業廃止になるとのこと。
かなり厳しいですね。
また、フィリピンの中央政府もプラスチックの規制に取り組んでおり、去年12月にはプラスチック製レジ袋への課税法案が下院歳入委員会で承認されています。
レジ袋1枚につき10ペソを課税する規定で、徴収した税金の50%は固形廃棄物の処理費用に充てられるということです。
残りの50%は一般財源の歳入に充当されるとのこと。
フィリピンでは以前からプラスチック製のゴミによる海洋汚染が生態系を破壊し始めており、深刻な問題となっています。
綺麗な海が有名な南国フィリピンですが、マニラ湾など一部の海岸はゴミ溜めのようになっているのも事実。
去年はフィリピンの海岸に打ち上げられたクジラの胃から約40キロものプラスチックごみが見つかったこともありました。
一般市民の環境への意識を高め、フィリピンの豊かな自然を守っていくためには、このような規制は非常に有効な取り組みだと言えるでしょう。
事実、マニラ首都圏ではすでにどこへ行ってもプラスチック製レジ袋はもらえず、スーパーでもコンビニでも茶色い紙袋に入れられるようになっています。
取っ手がなく持ちづらいため、みんな自ずとマイバッグを持ち歩くようになるというわけです。
また、マクドナルドなどのファストフード店を含む飲食店でも、プラスチック製ストローの使用をやめているところが多くなっています。
代わりに使われている紙ストローはちょっと飲みにくいので、コップに直接口をつけて飲むスタイルが定着しつつあるようです。
フィリピンよりゴミ分別の意識も高くゴミ処理施設も整っているとはいえ、新たにゴミを出さないための取り組みは、日本のほうが遅れているように感じます。