フィリピンOFW、クウェートへの派遣禁止
フィリピンのGDPの10%を占めている出稼ぎ労働者たち。
OFW(=Oversea Filipino Workers)と呼ばれる彼らは、フィリピン国内よりも高い賃金を求めて諸外国へ旅立ちます。
しかし、その待遇は良いものばかりではないようです。
メインの出稼ぎ先となっている中東諸国では、フィリピン人出稼ぎ労働者へのいじめや虐待が恒常的な問題として浮上しています。
今回フィリピン海外雇用庁は、クウェートへのOFWの新規派遣を禁止する命令を出しました。
原因は、去年12月に起きたクウェートでのフィリピン人家政婦殺害事件です。
2018年にも同様の殺害事件が起きており、就労目的でクウェートへ渡航することが禁止され、一度は禁止命令が解除されましたが、今回また新たに命令が出されたということです。
また、2020年に入ってからはイラン革命防衛隊のソレイマーニー司令官が米軍に殺害されたことにより、中東情勢は悪化しています。
これを受けてフィリピン政府は、クウェートだけでなくイラン、イラク、リビアへのOFW派遣も禁止することを検討しているということです。
クウェートは出稼ぎ先諸国の中でも上位を占める重要な国の1つですが、虐待により被害者や死者が後を絶ちません。
この2年間ほどで、クウェートで「健康上の理由」で死亡したフィリピン人は労働者は196人もいるそうです。
明らかに不自然に多い数で、大半が過酷な労働といじめに耐えられず自ら命を絶っているのではないかと言われています。