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なぜフィリピンから麻薬はなくならないのか?


フィリピンではドゥテルテ大統領による「麻薬戦争」が日々議論の的となっています。
 
麻薬犯罪に関わった者は、有無を言わさず逮捕して良い、相手が抵抗すれば裁判にかけずに殺しても構わない・・・この「超法規的殺人」と批判される方策によって、すでに5,000人以上ものフィリピン人が殺されてきました。
 
かつてドゥテルテ大統領は、もともと市長を務めていたダバオ市を、ドラッグと犯罪で荒廃した街から、フィリピンで最も治安の良い都市へと変えた功績があります。
 
彼が今大統領として行なっている麻薬撲滅政策は、ダバオで行なったものと同じ。
 
「殺されたくなければ麻薬をやめろ」という、一種の恐怖政治にも近いスタイルです。
 
ダバオの人々も、最初は投獄されるのを恐れて規律に従うようになったのだそう。
 
ドゥテルテ大統領は、フィリピン全土においても、こういった強行的な手段が功を奏するのだと信じているようです。
 
人権団体などからの批判の声も絶えない中、キャンペーンは一定の効果をもたらしており、フィリピンの街で暮らす人々からは、「治安が良くなった」「犯罪が減った」といった声も聞かれるようになりました。
 
 
しかしながら、麻薬に関わった人々を抹消しても、麻薬自体がフィリピンからなくなっているわけではありません。
 
今後も麻薬を使用する人をゼロにするのは限りなく不可能に近いと言われています。
 
なぜなら、麻薬自体を抹消することが極めて困難だからです。
 
 

■政治家の汚職と麻薬

フィリピンで麻薬とともに社会問題となっているのは、政治家や警察などによる汚職です。
 
実はこの2つは密接に関わっており、要するに国の有力者たちが麻薬をコントロールしており、警察も政治家からの収賄によって麻薬の所有や使用を黙認しているということ。
 
麻薬とそれに関連する汚職は、もう長年フィリピンが抱える最大の問題として世界から非難されており、フィリピン国民も十分に知っています。
 
国民の貧富の差がなくならないのも、汚職があるからです。
 
経済がどんなに発展し、外国からの投資があっても、貧困層にはその恩恵が行き渡りません。
 
要するに、お金さえあれば何でも出来てしまうのがこの国のシステム。
 
犯罪を犯して捕まったとしても、お金にものを言わせてすぐに釈放されることも簡単にできます。
 
金持ちはより金持ちに、貧困層はより貧困になるよう、ピラミッド型の経済格差が完全に出来上がってしまってい
 
ドゥテルテ大統領は自国のこの悪しき習慣を打ち破ろうと、麻薬も汚職もすべて一掃したい考えのようですが、事態は彼が思っているよりもずっと根深く、なかなか終わりそうにありません。
 
 

■麻薬が育ちやすいフィリピンの気候

さらに、フィリピンの気候が麻薬栽培に適しているという事実もあります。
 
温暖で雨の量もちょうどよく、広大な土地もあり、麻薬となる植物が育つにはこれ以上ないほど好条件が揃ってしまっています。
 
そのため、麻薬自体をこの国から消し去ることはまず無理だとも言われています。
 
フィリピンでは政治家が麻薬の栽培地を所有していることも珍しくないそうですが、そんな事実すらもお金によって封じ込まれています。
 
所得の低いこの国では、警察も正義より自分の懐を肥やすほうが大事なのです。
 
2018年にはセブ島のトレド市という場所の山奥で、マリファナ畑が発見されました。
 
見つかればもちろん所有者は逮捕されますが、上述したように警察が腐っているので口封じすることも難しくはありません。
 
フィリピン全土には、政治家や国の有力者が持つマリファナ畑は多数あり、麻薬王も存在しているのだとか。
 
 

■貧困層の生活を支えている

フィリピンは今、人口は増えているものの、失業率が依然として高く、仕事がありません。
 
特に学校にもまともに行けていない貧困層は、普通に生活できるだけのお金を稼ぐ手段をなかなか見つけられません。
 
フィリピンは、企業に入って働くには大学まで出ていないと難しいという学歴社会でもあるからです。
 
では貧困層はどうやって生活していくか?ということになりますが・・・
 
路上で小さな飲食店を営んだり、借金をしてトライシクルのドライバーになってみたり、ゴミを拾って売ってみたり・・などの仕事しかありません。
 
もちろん、これだけでは家族みんなが十分に食べられるだけのお金を入手するのは困難です。
 
そこで彼らは「麻薬の運び屋」という仕事を選ぶこともあります。
 
ゴミ拾いなんかよりずっと報酬は良いですし、楽に稼ぐことができます。
 
もちろん彼らも、麻薬を運ぶのが非合法であることは分かっています。
 
しかし、背に腹はかえられないというわけです。
 
さらに、麻薬を運ぶだけでなく、実際に使用している貧困層も相当数います。
 
お金がなく十分に食べられない彼らは、空腹を満たす代わりに麻薬で脳を高揚させ、誤魔化すという方法をとっているのです。
 
フィリピンのスラム街では、ストリートチルドレンがドラッグを使用している姿を見ることも珍しくありません。
 
 

■抜本的な解決策は?

世界には、マリファナを合法化している国もたくさんあります。
 
アメリカの一部、スペイン、イギリス、オランダ、ポルトガル、チェコ、ドイツ、デンマーク、アルゼンチン、ウルグアイ、チリ、ジャマイカ、ブラジル、オーストラリアでは、マリファナを所有・使用しても捕まることはありません。
 
もともとマリファナ自体の有毒性や中毒性はタバコよりも低いと言われており、気軽に楽しんでいる人もいるくらいです。
 
昔は日本でも合法でした。
 
合法化して国が管理すれば、その希少性も下がり、値段も下がるため、麻薬で大金を稼ぐ悪党はいなくなるかもしれません。
 
しかし、管理するには新しいルールや規制を作る必要もあり、今のフィリピンにはそれは難しいと言われています。
 
汚職、気候、貧困、ピラミッド社会・・・いろんな要素が複雑に絡み合い、フィリピンでは麻薬が蔓延しているのが現状です。
 
抜本的な解決策が見つからない今は、ドゥテルテ大統領の麻薬戦争がどれだけ効果を生み出すかに期待するのが、最善なのかもしれません。