フィリピンのゲイ、LGBT事情とは?
日本ではまだまだ偏見が多いゲイやLGBT。
海外へ行くと同性婚OKだったりLGBT事情はいろいろ違いますが、フィリピンにはゲイが多くてびっくりします。
3人に1人くらいいるような感じで、学校でも会社でも街中でも、とにかく遭遇率が高い。
旅行や留学でフィリピンに滞在すると必ず毎日1人は見かけるし、ゲイバーもたくさんあります。
今回は、そんなフィリピンのゲイ事情についてご紹介します。
<フィリピンのゲイが多い理由>
なぜフィリピンにはそんなにゲイが多いのか?
実はその明確な理由は解明されていません。
フィリピンでは女性の出産回数が多いため、何らかの遺伝子異常が起こるのか?
それともフィリピンの肉が多い食生活が原因なのか?
はたまた気候や幼少期の環境の影響なのか?・・・
諸説ありますが、とにかく日本よりも確実にたくさんいると感じます。
ただ、フィリピンではゲイに対して日本よりもオープンなため、カミングアウトしている人が多いだけで、もしかすると日本にも同じくらいの割合でいるのかもしれません・・。
<フィリピンはゲイをカミングアウトしやすい?>
フィリピンにはゲイであることを公開している人が多いので、もしかすると「カミングアウトしやすい環境なのかな?」と思うかもしれません。
しかし、実はそんなことはなく、フィリピンはキリスト教国なので基本的に同性愛に関しては良いイメージがあまりありません。
ですので、人に打ち明けるのは実はかなり勇気が要ることなんですね。
最も難しいのは家族への告白で、やはり両親に自分を否定されるのは怖いものです。
家庭によってどう受け取るかはそれぞれですが、家族の恥だと思われてしまうこともあります。
また、社会からの扱われ方も変わります。
ゲイであることが妨げとなって昇進できない、といったケースも存在しています。
法律上はゲイの人たちも仕事で不利になったりしないよう平等に扱うことが義務付けられていますが、実際には差別はなくなってはいないのです。
このことから、カミングアウトできずにゲイであることを隠して生きているフィリピン人もたくさんいます。
<ゲイってこんな人たち>
ゲイの人たちは一般的に、いわゆる良い人が多いです。
みんなフレンドリーで優しく、テンションが高く陽気で明るく、ユーモアのセンスもばっちり。
そんなゲイの人たちは、一緒にいるだけで悩みが吹き飛んでしまいそうなくらいの楽しいエネルギーを持っています。
また、子供の頃から異端として扱われ、いじめの対象になったりしたこともあるせいなのか、人の痛みをよく知っている人が多い気がします。
ゲイの人に悩みを相談すると、かなり真摯に話を聞いてくれたり、的確なアドバイスをくれることもあります。
<人気のあるゲイの芸能人>
日本でもマツコ・デラックスやミッツ・マングローブなど人気のゲイ芸能人がいますが、フィリピンでもカリスマ的人気のゲイがいます。
「バイスガンダ」がその一人です。
フィリピンでは知らない人はいない国民的人気のゲイタレントです。
”東洋一のスラム街”出身の彼は、巧みなトーク術で人を笑わせるコメディアンであり、テレビで見かけない日はないくらいの大スターとなりました。
高身長と真っ赤な口紅が印象的なバイスガンダは、その凛とした立ち振る舞いや人間性で、男性にも女性にも支持されています。
<女性のゲイも多い>
”ゲイ”と聞くとなんとなく男性のイメージが強いかもしれません。
しかし、フィリピンを含め世界には女性のゲイも大勢います。
フィリピンでは男性のゲイが目立ちますが、実は女性ゲイも珍しくありません。
女子に”ガールフレンド”がいても、特に驚くことではないのです。
ちなみにフィリピンでは、いわゆる男性っぽい女性ゲイのことを「ブッチ(Butch)」、女性らしい女性ゲイのことを「リップスティック(Lipstick)」と言うらしいです。
ブッチとリップスティックのカップルが多いですが、中にはリップスティック同士の恋愛もあります。
<フィリピンでは同性婚はできない>
これだけゲイが多いフィリピンですが、残念ながら同性婚は今のところ認められていません。
キリスト教も関係しており、敬虔なカトリックの人々は、LGBTに対してまだまだ保守的なようです。
ドゥテルテ大統領も、「LGBTの人々が普通の人々と変わりなく働けることを証明したい」「LGBTコミュニティに更なる権利を与えることを考えている」とコメントしていた一方で、「同性婚はフィリピンの文化的・情的な要素で認めることができない」と述べました。
また、現在のフィリピンでは同性間の性交渉についても、違法ではないものの、不道徳行為として罰せられる可能性があります。
<どんな男性がゲイにモテる?>
もしかしたらこれを読んでいる方の中にも、実は自分もゲイなんです!という方もいるかもしれませんね。
そんな方はフィリピンへ行くと道が開けるかもしれませんよ。
フィリピンでは以下のような男性が男性にモテます。
◆背が高い
◆顔が小さい、イケメン
◆笑顔がかわいい
◆マッチョ
ゲイでなくとも、一般的にモテる外見の男性が、ゲイにもモテるといった感じですね。
ただ、色白な日本人はフィリピンでは基本的にモテます。
<ゲイバーで遊んでみよう>
せっかくフィリピンの行くのなら、ゲイバーでゲイと仲良くなってみるのも面白いと思います。
ゲイバーはたくさんありますが、だいたい入場料が300〜400ペソ(約600〜800円)、入場は無料のお店もあります。
ゲイの人々がダンスや歌などいろいろなパフォーマンスを繰り広げるのを見ながら、おいしい食事やお酒が楽しめます。
ショーが人気のお店はチケットがすぐ売り切れになるので、事前にチェックしてくださいね。
また、見るだけでなく自分たちが踊れるエリアもあるので、そこで一緒に踊って仲良くなりましょう!
ゲイバーはみんなフレンドリーな雰囲気なので、一人で行っても問題ありません。
おすすめのゲイバーはこちら↓
◆Chelu
マニラの歓楽街マラテにある人気店。グリル料理が美味しい。
◆The Library
こちらもマラテにあるお店。ゲイによるエンターテイメントが楽しめます。
◆O Bar
オルティガスにあるバー。ダンスやショーなどのパフォーマンス盛りだくさん。
◆Menzone
セブにある、イケメンマッチョダンサーが多いゲイバー。
<世界で変わりつつあるLGBTへの認識>
いかがですか?
フィリピンでは、ゲイは日本よりもオープンなものの、まだまだ社会的に認められているわけではありません。
ただ、今はフィリピンだけでなく世界中でLGBTに対する考え方が変わってきているので、近い将来もっとカミングアウトしやすい環境になるかもしれませんね。
日本は、世界的に見ればまだかなり遅れをとっていると言って良いでしょう。
フィリピンを訪れた際には、ぜひゲイの方と話す機会を設けてみてください。
トークが楽しいのはもちろんのこと、フィリピンの社会や文化、国民性などについても学べることが多いはずです。