なぜフィリピンから貧困はなくならないのか?

フィリピンは現在、急速な経済発展を遂げている最中です。

人口は1億人を突破し、その平均年齢は23歳という若さ。

人口ボーナスによってこれからも数十年に渡って発展し続けることが予想されています。

世界中から多くの投資家がフィリピンへ参入し、新たなビジネスチャンスを狙っているのも理解できます。

英語が通じる国であることも、非常に有利です。

十数年前からは日本、韓国、台湾などから多くの留学生が英語習得のためにフィリピンを訪れています。

また、エメラルドグリーンの海や白い砂浜が広がるリゾートエリアには毎年大勢の観光客が訪れ、フィリピンの大自然を満喫しつつ、都市部では高級ショッピングモールで買い物しています。

マカティやBGCをはじめとするマニラ首都圏の経済中心地には多くのオフィスビルや高級コンドミニアム、高級ホテルが立ち並びます。

高層ビル群の合間を歩くビジネスマンたちの姿は、日本のそれと何ら変わりません。

 

しかし一方でこの国は、非常に深刻な問題を抱えています。

貧困です。

フィリピンは貧富の差が激しい国で、その差は年々広くなっていっているようです。

金持ちはより金持ちに、貧乏人はより貧乏になっていっています。

洗練された都市部からほんの少し離れるだけで、そこにはスラムのゴミ山で暮らすストリーチルドレンの姿があります。

同じ国とは思えない違いです。

 

■貧困層が暮らすエリア

フィリピンの貧困層は、いわゆるスラム街に住んでいます。

スラム街の土地には私的所有権がないため、そこにほったて小屋を建てて暮らしているんです。

これらの人々は「スクオッター」と呼ばれていて、マニラ首都圏の住民の30%を占めていると言われています。

スクオッターは放棄された土地に住んでいるので、その土地の所有権もなければ、もちろん賃貸料も払っていません。

厳密に言えば「不法占拠」に当たります。

しかし、行政の干渉はほとんどなく、彼らはここで日用品などの貸し借りをしながらコミュニティを形成して生きています。

食事を分け合うこともありますし、電気もちゃんと引っ張ってきています。

貧しいながらもいろいろ工夫しながら生活しているのです。

 

■ストリートチルドレン

スラム街など貧しいエリアのある国ではよく聞く”ストリートチルドレン”。

フィリピンではマニラだけでその数が3万人にも及んでおり、世界で一番多いのだそう。

その名の通り道端で見かけますが、彼らは一体どうしてストリートチルドレンになってしまうのでしょうか?

ストリートチルドレンには、大家族の子供であるパターンと、完全に捨て子であるパターン、家族はいたけど暴力を受けて逃げてきたパターンなどがあります。

どのストリートチルドレンもその日暮らしですが、特に家族のいない子供たちは落ちているゴミを拾って売ったり、物乞いをしたり、あるいは売春をしたりしながら、わずかな金銭を得て何とか生活しています。

しかし、それでも十分に食べられるほどのお金は稼げず、空腹を誤魔化すためにドラッグやシンナーなどに走る子供も多いです。

また、大金を得るために犯罪グループの仲間になり、違法薬物を売ったりする子供もいます。

フィリピンでなかなか麻薬が根絶できないのは、こういった貧困問題が根幹にあるためです。

お腹を空かせる子供たちがいなくならない限り、薬物依存や麻薬犯罪に手を染めるフィリピン人もいなくならないでしょう。

 

■ゴミ山とスカベンジャー

フィリピンではゴミ処理のシステムが未発達で、特にプラスチックごみの行き場がなく、集積場で山になっています。

燃やすことも埋めることもできないため、山はどんどん大きくなるばかりです。

しかし、このゴミ山に住む人々がいます。

彼らは「スカベンジャー」と呼ばれており、ゴミの中から売れるものを拾い集め、ジャンクショップに持ち込みます。

たとえばプラスチックは1キロで10円ほどになり、ペットボトルは1キロ30円、紙が1キロ10円くらいになります。

これらを売ることで生計を立てているのです。

しかし、ゴミ山に住むのは実は大変危険です。

ゴミ山をよく見ると、煙の上がっているところが多々あります。

ゴミ山が”スモーキーマウンテン”と呼ばれる所以です。

ゴミ山にある生ゴミが日光を受けて化学反応を起こし、火がついているのです。

一度火災が発生すれば火はあっという間に燃え広がり、近隣にある彼らのほったて小屋を全焼させます。

スカベンジャーたちはいつも、この大火事がいつ起こってもおかしくない地帯に暮らしているのです。

事実、2000年にはセブの有名なゴミ山「パヤタス」で大火が起こり、何百人ものスカベンジャーたちが犠牲になりました。

フィリピン政府は2020年までにゴミ山をなくすことを掲げていますが、仮にスカベンジャーたちを退去させたとしても、彼らに行くところはありません。

また同じ場所へ戻るか、新たなゴミ山を探すことになるでしょう。

ゴミ山をなくすだけでなく、貧困層の人たちが働く場所を提供しないと問題は解決しないのです。

 

■フィリピンの貧困層はどこから来たのか?

フィリピンで現在のような貧困層が生まれてしまった理由は複雑ですが、歴史をたどっていくと1970年代〜1980年代に起きた経済危機に大きな要因があることがわかります。

最も影響を受けたのは農村の人々で、多くの小作人が過酷な労働にも関わらずほんのわずかな賃金で生活していました。

実は現在も、1日1ドル以下の賃金しか貰えていない貧しい小作人が大勢います。

そんな生活から逃れるために都市部へ移った人たちもいますが、結局そこでも仕事は見つからず、まともに生活できない状況が続きます。

こうして彼らは行くところもなくなり、スラム街でふらふらと生活するようになったのです。

また、この背景に加えてフィリピンでは大家族がやたら多いということが、結果的に貧困層を増やしてしまっています。

大家族が多い理由は、出生率が高いからです。

フィリピンでは一人あたりの出生率が2.9人。

日本が1.4人なので、約2倍ですね。

しかし、いくら子供が生まれても彼らを養うだけの十分な蓄えも稼ぎもありません。

それなのに子供をどんどん生む理由は、フィリピン人の宗教と関係があります。

フィリピン人の80%はカトリックで、避妊も中絶も禁止なのです。

いくらお金がなくても、妊娠したら産まなくてはいけません。

また、子だくさんなのは良いことだという概念も浸透しています。

フィリピンへ行くと、子供の多さにもびっくりしますよ。

 

■不十分な教育が貧困に拍車をかける

このようにして、お金がない家庭で生まれた子供たちは、当然学校にもまともに通うことができません。

学校に行けないということは、教育も受けられず、もちろん学歴も手に入らないため、学歴社会であるフィリピンでは就職も難しくなります。

英語も話せませんし、文字の読み書きもままならないようでは、普通の会社で働くのは到底無理です。

おのずと低賃金の労働でしか生活できない大人になってしまいます。

そしてその子供たちがまた貧困家庭に生まれ・・という無限の負のループに陥ってしまっているのが現状です。

また、フィリピンでは性教育が不十分であることも指摘されています。

避妊をしないとどんな結果になるのか、あまりよくわかっていません。

学校の先生もしっかり教えないそうです。

また、性の無法地帯ともなっているスラム街では、エイズなどの病気の感染もかなり深刻化しています。

まともに教育が受けられない、働けない、食べられない、麻薬に手を出す、病気になる・・・結果的に早くに命を落とすことも多いのです。

 

■貧困問題の改善は国の発展へ繋がる

現在ドゥテルテ大統領は、麻薬犯罪に関連した者は容赦無く殺す、という非常に荒々しい方法で違法薬物を根絶しようと尽力しています。

しかし、麻薬の犯罪者をただ殺すだけでは、根本的な解決にはなりません。

貧困層はお金のためにドラッグを売り続けますし、それを買う人もいます。

そして薬物に頼らなければ満たせない空腹な子供たちが生まれ続けています。

まずは経済的な格差をなくしていき、子供たちが十分な教育が受けられるような体制を整え、真っ当な仕事に就ける環境を作っていくことが課題です。

まともに働く人口が増えれば経済活動も今よりもっと活発になり、国のさらなる発展にも繋がるでしょう。

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