フィリピンの車事情、日本人が現地で車を買うには?
フィリピンは一般的にはまだまだ貧しい国というイメージが強いかもしれません。
実際、マニラの街を歩いてみると、高級住宅街やホテルが立ち並び、ショッピングモールで優雅に買い物をする人々がいる傍らで、ゴミを拾いながら生活をする非常に貧乏な家族も見かけることがあります。
お金を持っているのはほんの一部の富裕層だけで、この国ではほとんどの人が1日1,000円以下の日給で暮らしているのです。
しかし、そんな貧乏な人々が多い国であるにも関わらず、車は非常にたくさん走っています。
もちろん、所有しているのはフィリピン人で、これがマニラでは厄介な交通渋滞を作り出して社会問題にもなっているのです。
ではなぜ彼らは貧乏なのに車を持っているのでしょうか?
日本では所得が低いのに車を持つのは贅沢だと考えられていますよね。
どうやらフィリピンでは、定職に就くとみんなローンを組んで車を購入するのだそう。
たとえ給料は低くても、毎月返済してでも、車に乗りたいと思うのですね。
決してお金持ちだから車を買う、というわけじゃないのです。
また、フィリピン人のお金の使い方やお金に対する概念が日本人とは違う、という点も大きいかもしれません。
フィリピン人は基本的に”宵越しの金は持たぬ”という精神を持っています。
持ち金は全部すぐに使ってしまうのです。
そのため、フィリピンのほとんどの会社では給料日が月に2回あります。
全額手元にあると次の給料日までもたないからです。
そんなフィリピン人にとっては、車のためにローンを組むことなど、なんの精神的ストレスもないのかもしれません。
今欲しいから、今買う!といった感覚なのでしょう。
ただ、ローンを組んでも最後まで払えずに終わってしまう人もかなりいるようです。
そのため、フィリピンには中古車や新古車が数多く出回っています。
さらに、フィリピンでは車がないと生活しづらいという点も無視できません。
電車やバス、ジプニー、トライシクルなどの交通機関は一応走っていますが、行ける範囲は限られていますし、治安の問題もあります。
特に日本人がフィリピンで生活するのに、毎日ジープニーに乗るのは抵抗があるかもしれません。
もしもフィリピンに移住しようと思ったら、車は持っているとやはり便利だと思います。
タクシーも安いので使えますが、走っていない地域もありますし、郊外など自分でどこでも行けた方が気も楽です。
優良なドライバーばかりではないので、いちいち交渉するのも疲れます。
ただ、フィリピンで自分で運転をするとなると、かなり危ないです。
運転も荒く渋滞もひどいマニラ市街では、交通ルールなどほぼ存在していないようなもの。
また、左ハンドルの右側通行に慣れるのもちょっと大変です。
ですので多くの日本の駐在員は、車だけは買って運転にはドライバーを雇っています。
いわゆる、お抱え運転手ってやつですね。
わざわざ自分専用のドライバーを雇うなんて何だか贅沢な感じがするかもしれません。
しかし実はフィリピンではかなり一般的で、中流階級以上の家庭ではよく使われています。
何しろ人件費が安いので、そこまでお金持ちでなくても雇えちゃうんです。
そして、プロのドライバーならフィリピンの道路にも慣れているので自分で運転するより安心です。
フィリピンでは、日本の車がかなり流通しています。
人気なのは、やはりトヨタや三菱などで、日本では販売されていない車種もちらほら見かけます。
外資系だと、フォードが人気です。
フィリピンの道は凸凹しているので、車高が高くパワーのあるエンジンを積んだSUVなどがおすすめです。
余談ですが、同じ感覚でフィリピンではメイドを雇うのも一般的です。
ドライバーのいるお家には、メイドがいることも多いです。
運転も家事も人にお任せして、自分は仕事に集中したり、ちょっとのんびり趣味に時間を使ったりできますね。
フィリピンへ移住したがる日本人が多いのは、こういったちょっぴり贅沢な暮らしができるからです。
フィリピンで車を買う際には、日本と同じようにショールームへ行ってみましょう。
日本車はフィリピンであってもそこまで安いわけではないですが、日本では見かけない車種もあるので楽しいです。
驚きなのは、フィリピンでの車の購入方法。
現金か小切手で支払いするか、もしくはローンを組めば、なんとその日のうちに車を持って帰れるんです。
ナンバープレートは後日渡されるシステムになっています。
自動車保険は1年で10万円ほどです。