絶対に見ておきたいフィリピンの自然遺産
フィリピンといえば、もしかすると貧困問題や治安の悪さなど、ネガティブなイメージを持っている人も多いかもしれません。
しかし、現在のフィリピンはそんなイメージを一掃するほど近代化が進んでいます。
また同時に、さまざまな自然遺産を抱えており、海も山も大変魅力的です。
今回は、フィリピンに行くなら絶対に見ておきたい自然遺産をご紹介します。
<コルディリェーラの棚田群>
「棚田」とは、段々畑のようになった稲作地のことです。
コルディリェーラの棚田群は、世界最大規模の棚田で、ユネスコ登録の世界遺産となっています。
ルソン島に広がる世界最大規模の棚田で、その総面積は2万ヘクタールに及びます。
その圧巻の風景は、「天国への階段」とも呼ばれています。
棚田のあぜをつなぎ合わせると地球を半周するほどの長さとも言われているこの棚田は、この地に生きる「イフガオ族」が作ったものです。
機械を一切使わず人力だけで、標高1,000m以上の場所で稲作を行なってきました。
1995年に世界遺産に登録され、2001年には景観の維持管理が危うくなり、危機遺産リストに登録されました。
しかしその後、伝統的な農法の伝承を目的とする支援団体が立ち上がり、2012年にはリストから解除されました。
首都マニラからはバスで約9時間かかりますが、一見の価値ありの絶景スポットです。
<ハミギタン山岳地域野生動物保護区>
ミンダナオ島の山地に広がる、野生動物の保護区です。
面積は2万6千ヘクタールに渡ります。
1380種の野生動物が生息しており、そのうち341種がフィリピンの固有種です。
両生類の75%、虫類の84%が、ここにしかいません。
標高によってさまざまな陸生と水生の生き物が存在しており、絶滅寸前のフィリピンワシやフィリピンオウムなど、ハミギタン山でしか見られない希少種もいます。
レッドラワン、パフィオペディルム・アッドゥクツムというラン科の植物は絶滅危惧種でありまた、世界的非常に珍しい食虫植物のウツボカズラなども存在します。
また、カエルやコウモリがこのハミギタン山の独自の生態系を保つ役割をしていて、独特の世界が広がっています。
2003年に国立公園に、2004年に野生生物保護区に指定され、2014年に世界遺産(自然遺産)に登録されました。
<トゥバタハ岩礁海中公園>
フィリピンの「最後の秘境」と呼ばれるパラワン島。
トゥバタハ岩礁海中公園は、このパラワン島沖のスールー海にあります。
岩礁と美しいサンゴ礁を保護するために、1993年にフィリピン初のユネスコ世界遺産(自然遺産)となりました。
2009年には登録範囲が拡大され、トゥバタハ岩礁自然公園となりました。
海の貴重な生態系が残されており、ウミガメの巣もあります。
ダイバーにとっては憧れの海であり、世界でも有数のダイビングスポットです。
パラワン島の街プエルト・プリンセサから150km南東に位置し、500種類以上の魚類、350種類以上のサンゴ礁が生息しています。
アオウミガメ、タイマイ、マンタ、サメ、カツオドリ、アジサシなどの動物のほか、ヒゲシバ、スベリヒユ、エノコログサ、モモタマナなどの植物、さらに45種類以上の海藻類も見られます。
多くの貴重な海洋生物が住む宝庫ですが、近年はダイナマイトによる密漁で環境破壊が進んでおり、危惧されています。
<プエルト・プリンセサ地底河川国立公園>
鍾乳洞の中を8.2キロに渡って流れる地下河川です。
パラワン島の州都プエルト・プリンセサから北へ50km(車で約3時間)のところにあります。
電気も水道もない地域です。
地下川は海につながっており、下流部分では潮の干満の影響で独特の生態系が構築されています。
洞窟の中の川で、人が航行できるものとしては、世界最長です。
1999年にユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録されました。
Underground River Tourという探検ツアーがあり、幻想的で神秘的な体験ができます。
洞窟の中は当然ながら真っ暗なので、懐中電灯の灯りだけです。
天上にはコウモリがいて、運が良ければウミヘビにも遭遇できます。
保護のため、1日に入れる人数は限られています。
事前に予約が必要なので確認してください。
以上、フィリピンで絶対に見て欲しい世界遺産(自然遺産)でした。
どれも、言葉にならない壮観な景色ばかりです。
時間が許すのならば、都市からはちょっと遠いですがぜひ訪れてみてください。
豊かな大自然、多種多様な動物・植物たちに、感動すること間違いなしです。