フィリピンに無公害の新しい都市計画
フィリピンの首都マニラは、世界的にも交通渋滞が最悪な都市として有名です。
車と人口が増え、インフラがなかなか整わないため、排気ガスによる環境汚染も問題視されています。
これを受けてフィリピンでは、新しい都市を開発するプロジェクトが始まっています。
その名も「New Clark(ニュークラーク)」。
広大な緑地や省エネの建物が建設され、ドローンや自動運転車が走るエコな無公害都市を目指す方針です。
マニラからは120キロ離れたところに造られる予定で、建設費用は140億ドル(約1.5兆円)になるとのこと。
完成までには25〜30年間を要すると見込まれています。
資金は官民が提供しており、プロジェクトはフィリピンの政府機関「基地転換開発公社」によって主導されます。
街の3分の2を緑地や農地にし、二酸化炭素排出を抑え、交通渋滞や公害のないクリーンな未来都市を作っていきます。
また、マニラでは軽視されている災害対策についてもしっかり行う予定で、洪水が起こった際には広大な緑地でインフラを守り、建物の耐震対策も考えているようです。
都市の完成には長い時間がかかりますが、取り急ぎ、スポーツ施設については2019年の東南アジア競技大会までに準備を整える方針です。
基地転換開発公社はできるだけ早くニュークラークを建設したいと考えており、そのためにはさまざまなテクノロジーを導入していきたい考えです。
現在マニラ首都圏は人口が密集しており、1300万人が暮らしています。
ニュークラークが完成すれば、マニラを出てそちらへ移住する人たちも増えていき、中心部の人口密度が過剰になる問題も緩和されることでしょう。
しかし、フィリピン全体の人口は現在も日々増え続けて居ます。
そして、車の台数も年々増え続けて居ます。
兎にも角にも、インフラをきちんと整備しなければこの都市を完成させるのは難しいでしょう。
具体的にどのように理想的な街を形成していくのかが見ものです。