フィリピン政府への抗議で凶器を振り回した男性射殺
4月1日、フィリピンではドゥテルテ大統領が、「新型コロナウイルス対策の隔離措置を無視し、警察や軍に反抗した者は射殺する」と発言しメディアを騒がせました。
そして4月2日、早速射殺される人が出てしまったようです。
地元紙「スター」によれば、フィリピン南部ミンダナオ島に住む63歳の男性が、新型コロナウイルス対策のために設置された検問所で、「なた」を振り回していたのだとか。
フィリピン政府の食糧支援などについて不満を持ち、抗議していたということですが、どうやらこの時は酒に酔っていたんだそうです。
警察に頭部を撃たれ、その場で死亡したとのこと。
4月3日現在、フィリピン国内における新型コロナウイルスの感染者は3,018人、死者数は136人に達しました。
死者数の中には15人に及ぶ医療関係者も含まれているそうです。
フィリピンの医療体制はもともと脆弱で、「マカティ・メディカルセンター」などマニラ首都圏で最新鋭の設備を備える大型病院も次々と満床になり、医療崩壊が起こり始めています。
コロナウイルスに感染した疑いがあっても、診てもらうことすら出来なくなっているのです。
日本も感染者が累計1,000人を突破し、いよいよロックダウンか?と騒がれていますが、フィリピンでは3月17日に封鎖されてからも感染者が増え続けている状態です。
人々には厳しい外出禁止令が出ている中、失業者や蓄えの無い人たちによる抗議デモも起こっています。
4月1日には500人規模のデモで30人以上が逮捕されました。
しかし、これ以上感染者を増加させないためには、力づくでも集会はさせないことが賢明なのではないかと思います。
彼らは確かに飢えているかもしれませんが、代わりにコロナウイルスに感染したり、撒き散らしたりするリスクがあるのです。
ドゥテルテ大統領はすでに”麻薬戦争”でも、ルールを破った者を容赦なく罰してきました。
もはや彼にとって「人権侵害だ」と批判されることは、何のダメージにもならないでしょう。
それどころかむしろ、多くの国民を守るためには、このぐらい迅速な行動力と強硬的な姿勢が必要なのかもしれません。
現在のような混乱した状況の中でも、有言実行のリーダーを支持する国民が大半を占めるようです。