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フィリピン大手企業がプラスチックごみを資材や燃料として再利用


フィリピンではかねてからプラスチックごみの処理問題が深刻化しています。
 
十分な処理施設を持たないため、ただ山積みになっていくばかりです。
 
特にスーパーやコンビニで配布されるレジ袋は、軽いため風に飛ばされて海へ運ばれ、海洋汚染や生態系破壊の原因となっています。
 
 
そんな中、なんとかそれらのプラスチックごみを有効に活用しようと動いている企業もあります。
 
プラスチックごみを舗装用アスファルトの原料として、あるいは石炭の代わりに燃料として使用する試みが始まっているのです。
 
 

■サン・ミゲルがプラスチックごみで道路を舗装

フィリピンではビールのメーカーとして知られるサン・ミゲル。
 
実はエネルギー事業や水道事業など、フィリピンのインフラにも大きく関わっています。
 
彼らは2019年11月、プラスチックごみとアスファルトを混ぜた舗装表層の材料を、化学工業メーカーのダウ・ケミカルと共同で開発しました。
 
プラスチックごみ900kgを使用して、首都マニラ郊外の道路1,500平方メートルを試験的に舗装したそうです。
 
舗装に使われた材料は政府の基準をクリアしており、従来のアスファルトよりも強度が高く、耐久性にも優れていると言います。
 
サン・ミゲルは、メトロマニラ周辺の有料道路や、マニラ北部で進められている大型新都市開発プロジェクト「ニュー・クラーク・シティ」にも参加します。
 
 

■プラスチックごみを石炭代わりの燃料に

建材大手のリパブリック・セメント・アンド・ビルディング・マテリアルズは、セメントを製造する際の燃料として、石炭の代わりにプラスチックごみを使用しています。
 
食品大手のネスレ・フィリピンや家庭用品大手のユニリーバ・フィリピンからプラスチックごみを譲り受け、燃料として使っているのだそう。
 
少なくともプラスチックごみ25,000トンを消費しているだけでなく、石炭の使用料を10%減らすことにも成功しています。
 
プラスチックごみの中でも特に処理が難航しているレジ袋などを処理しているとのこと。
 
ただ、家庭から回収したごみや埋め立て地のごみは適切に分別されておらず、使える状態にするのは難しいとのこと。
 
 

■メリットばかりではない?

一方で、プラスチックごみを資材にしたり燃料にしたりすることで生まれる弊害もあると主張する人もいます。
 
国際NGOの脱焼却グローバル連合のボー・バコンギス氏によれば、資材や燃料にするためにプラスチックを粉砕すると、回収や再利用が難しい「マイクロプラスチック」を生んでしまうのだそう。
 
さらに、プラスチックを燃料として使用すると有毒なガスも発生すると指摘しています。
 
しかし、これに対しリパブリック・セメント・アンド・ビルディング・マテリアルズは、「プラスチックを使った燃料のほうが石炭よりも炭素の排出量が少ないし、焼却ではなく燃料として使った場合は、プラスチックの灰はまったく出ない」と説明しています。
 
専門家でもない限り何が正しいのか判断するのは難しそうですが、いずれにしてもプラスチックごみを使用することよりも減らすことを優先した方が、根本的な解決に繋がりそうです。
 
 

■ゴミ問題の解決はフィリピン発展の鍵に

ドゥテルテ大統領は、2022年までに8兆ペソ(約17兆400億円)をインフラ整備に充てる計画を進めており、今後3年間の間に空港、高速道路、鉄道、橋、ダムが造られる予定です。
 
プラスチックごみを資材や燃料にする技術は、インフラ整備においても大きな役割を果たすことでしょう。
 
また現在フィリピンでは、プラスチック製レジ袋の配布をやめたり、プラスチック製ストローの使用を廃止することで、少しずつ人々の環境への意識も変わってきています。
 
人口増加とともに増えるプラスチックごみの処理システムを早急に構築し、日々プラスチックごみを出さないよう工夫することも、フィリピンがより飛躍的に発展していくための重要な鍵となるでしょう。