クリスマスは家族と過ごすフィリピン人
日本では、クリスマスは恋人と過ごす日、という認識が強いですよね。
街中はカップルで溢れ、独り身の人は寂しくて惨め・・なんて考え方も浸透してしまっています。
しかし、フィリピンではクリスマスは決して”恋人と過ごすロマンティックな日”という位置付けではありません。
■クリスマス=家族と過ごす日
フィリピンでは、クリスマスは家族と過ごす日なのです。
恋人がいてもいなくても、みんな両親や兄弟、親戚などと一緒に家でのんびりと団欒を楽しみます。
ご馳走を作ってパーティをし、プレゼント交換も行います。
日本では大人になってから家族にプレゼントをあげたり貰ったりする人は少ないかもしれませんが、フィリピンでは何歳になっても行います。
■クリスマス料理をみんなで食べる
フィリピン人にとって1年で一番重要なイベントであるクリスマスは、パーティのメニューもとびっきり豪華です。
フィリピンの祝い事にはかかせないレチョン(仔豚の丸焼き)は、多少金銭的に無理をしてでも必ず用意します(ちなみにお値段は1匹17,000円前後)。
見た目はブタそのままなので日本人にとっては迫力満点で、ちょっとグロい感じもするのですが、食べてみるとめちゃくちゃ美味しいです。
パリパリの皮と中のジューシーなお肉は、旨味たっぷり。
フィリピンではクリスマスに、日本のようにケンタッキーやローストチキンを食べるという風習はありません。
西洋のような七面鳥もあまりないです。
とにかくこの国では「ポーク」が王様なんですね。
逆にチキンは日常的に食べているのであまり特別感はないようです。
レチョンのほか、フルーツサラダやピザ、甘口のミートソーススパゲティ、ハム、そして「プトブンボン」や「ビビンカ」といったお米を使ったフィリピンならではのクリスマス菓子もテーブルに並びます。
激甘の固いプリン「レチェフラン」も外せません。
■サンタクロースはいない?!
日本では、24日のクリスマスイヴの夜にサンタさんがプレゼントを持ってきてくれる、というのが、子供たちにとっての定番のお楽しみですよね。
実はこの風習はフィリピンにはなく、サンタさんがプレゼントをくれるという概念もないようです。
その代わり、家族、友人、会社の同僚、取引先など、多くの人々とプレゼント交換をするのです。
クリスマスシーズンになると、あちらこちらからプレゼントが届きます。
大人になってからクリスマスプレゼントが貰えるって案外嬉しいものですよ。
自分も用意しなければならないのでちょっと大変かもしれませんが、そんなに高価なものを買う必要はなく、日本製の文房具やお菓子などでOKです。
■家族でカラオケ大会?
フィリピン人は歌や踊りが大好きで、一年中ノリノリな雰囲気で過ごしていますが、クリスマスは特に盛り上がります。
カラオケが大好きで、家庭用カラオケ機がある家も少なくありません。
気持ちよく歌うためには、多少高くても購入します。
そして、家族みんなで歌い、踊ります。
これはなかなか日本では見ない光景でしょう。
しかも、音量などもまったく気にしないので、一見すると近隣に迷惑になりそうなんですが、何せどこの家庭も同じように過ごしているので、誰も気にしません(笑)
ショッピングモールの中にある家電量販店の店頭にも試用のカラオケ機が置かれていることがあり、そこで人目を一切気にせずマイクを持って歌う人の姿もたまに見かけます。
そしてみんなプロ並みに上手く、自信も満々。
彼らの高い歌唱力に、初めて見る日本人はみんなびっくりします。
■クリスマスは休日
日本では12月25日も特に祝日ではありませんよね。
今年のように普通に平日に当たった場合、みんな平常通り仕事をしていると思います。
しかし、フィリピンを含めキリスト教を重んじる国の多くは、25日はお休みです。
家族と過ごしたり教会に行ったりして過ごす特別な日なので、お店も休業しているか、営業時間を短縮しているところがほとんどです。
なので、クリスマスプレゼントやクリスマスパーティ用の買い物は何日か前までに済ませておきます。
■買い物しまくるクリスマスシーズン
クリスマスシーズンのフィリピン人は、もともと後先考えない人たちではありますが、それがさらにエスカレートし、買い物しまくります。
クリスマスを全力で祝うために一年頑張ってきたと思っているくらいなので、欲しいものを買い、食べたいものを食べ、それはそれは羽振り良く過ごすのです。
12月には「クリスマス手当て」なるものも支給されるので尚更です。
そのため、ショッピングモールは人でごった返し、道路の交通渋滞はもはやカオス。
どこへ行っても人だらけです。
スリなどの犯罪も急増するので、12月にフィリピンを旅行するのはあまりおすすめしません。
■フィリピンのクリスマスを体験してみる?
いかがでしょうか?
感覚としては、フィリピンのクリスマスは日本のお正月に近いです。
実家に帰り、親戚一同集まってご馳走を食べ、のんびり過ごすという点はそっくりですよね。
ただ、家族だけで過ごしたい、というわけではなく、友達や恋人を呼んで祝っても問題はないので、もしもフィリピンにいてクリスマスに予定がないなら、知り合いのフィリピン人に連絡してみましょう。
フレンドリーで優しいフィリピン人は、その家庭のパーティに快く呼んでくれるはずです。
日本でロマンティックに過ごすのも良いですが、人生で一度くらいは海外で家庭のパーティに参加するというのも良い経験になりそうです。