フィリピン移住のデメリット、リスクとは?
フィリピンは今、その経済が著しく発展しているため、移住先として外国人から人気です。
物価が安く、綺麗な海もあり、温暖な気候で暮らしやすいため、セカンドライフを送る場所に選ぶ人も増えています。
フィリピン移住のメリットはいろいろあります。
上述したような物価の安さはもちろん、親日家が多く人々がフレンドリーなこと、日本から近くアクセスしやすいこと、永住権ビザが取りやすいことなど、日本人にとって良い点が多いのです。
しかし一方で、デメリットももちろんあります。
移住するにあたっては、良い面だけでなく悪い面やリスクについても知っておくべきです。
フィリピンに渡って幸せになった人々もたくさんいますが、逆に不幸になってしまった人も少なくありません。
今回は、フィリピン移住の際にリスクになりやすいことや、気をつけたいポイントなどをご紹介します。
本当にフィリピンで余生を送るべきか?
再検討する材料にしていただければと思います。
■フィリピン人女性との恋愛・結婚に注意
まず最も多い失敗は、フィリピン人女性と恋愛・結婚したけど捨てられてしまったというケース。
ご存知のように、フィリピン人女性にハマる日本人男性は非常に多いです。
フィリピンで、あるいは日本でフィリピン人女性と恋に落ち、フィリピンで一緒に暮らし始めたは良いけれど、実はお金目的で財産を全て持ってかれてしまった、という事例は今も後を絶ちません。
そしてその女性に捨てられた時にはすでに手持ちのお金は全くなく、日本に帰ることもできない。
そんな”困窮邦人”が世界で最も多いのがフィリピンです。
まともな家もなく、路上でその日暮らしをしている日本人は、実はフィリピンにたくさんいるのです。
一般的に日本人は、フィリピン人からすればかなりのお金持ちです。
自分や家族の生活のために、手頃な日本人をつかまえて偽装結婚しようとするフィリピン人女性はたくさんいます。
結婚したはいいけれど、他に彼氏がいたとか子供がいたというは、まったく珍しい話ではないのです。
狙われやすいのは比較的所得の高い中高年男性。
そのため、フィリピンでは親子かと思ってしまうような年の離れたカップルも頻繁に見かけます。
もちろん純粋に恋愛して結婚に至っている幸せなカップルも存在していますが、くれぐれも美人フィリピーナの誘惑には気をつけてください。
フィリピン人女性だって一般的には若くてイケメンの男性の方が好きに決まっています。
日本であまりモテたことのない男性は特に騙されやすいのです。
ですので、もしもフィリピン人女性と一緒になるために移住を考えているなら、本当にその女性が信頼できる人物なのか?本当は別の男性と結婚していないか?自分はちゃんと愛されているのか?を、確認する必要があるかもしれません。
■フィリピン人のペースに合うか?
フィリピンに移住するということは、日々フィリピン人と関わることになります。
たとえ会社に勤めておらずフリーで仕事をしているとしても、家を探したり、買い物したり、レストランに出かけたり、銀行や役所へ行くなど、フィリピンで様々なサービスを利用することになるでしょう。
その際、最初はフィリピン人のペースに驚いてしまうかもしれません。
端的にいうと、フィリピン人はとてもいい加減で、たとえ仕事でも時間通りに来ませんし、やると言ったことも平気で忘れますし、その場しのぎの嘘をつきます。
たとえばインターネットの工事をお願いしたとして「明日伺います」と言われたとしても、来るかどうか分からない、もしもちゃんと来たらラッキー、くらいに思わないといけないのです。
そのくらい、フィリピン人の仕事は正確さもスピードも日本人と圧倒的にかけ離れています。
日本は特に正確さやスピードを重視する国なので、まさに常識を覆されたような気持ちになるでしょう。
これが許容できる大らかさがなければ、フィリピンでは暮らせません。
だんだん慣れてくる人が多いですが、中にはどうしても許せなくてフィリピン人を嫌いになっていまい、日本帰ってきてしまう人もいます。
■思うほど物価は安くない
フィリピンに移住したいのは、物価が安いから!という人も少なくないでしょう。
確かに日本よりは安いです。
ですが、全てのものが安いかと言うと、全然そうじゃないんです。
中には日本より高いものもあります。
食料品は安いけれど、そこそこ良いレストランに入れば日本と同じくらいの値段です。
トイレットペーパーやシャンプーなど日用品の値段も、日本と変わりません。
電気代も、日本と同じくらいかかります。
フィリピンは暑いのでエアコンが必須ですが、毎日使い続ければ月2万円ほどになっていまうことも・・。
そのため、フィリピンで本当に安く生活しようと思ったら、外食は避けて自炊し、できるだけエアコンの使用は避けて、節約して暮らさないといけません。
また、家賃に関しても安全な場所に住もうと思ったら、ワンルームで最低5〜6万円はかかると思って良いでしょう。
いわゆる高級コンドミニアムのような場所以外は、セキュリティもないですし、安心して暮らせません。
よく「フィリピンなら月10万円でも暮らせる!」などと聞いたことがあるかもしれませんが、それは生活水準を思いっきり下げた場合の話。
フィリピン人と同じ水準の生活をしようとすれば、確かに10万円あれば十分です。
でも、日本と同じクオリティの生活をしようと思ったら全然足りないのです。
■医療費問題
フィリピンは医療費も日本と同じくらいかかります。
衛生状態が良くない田舎のローカルな医者なら話は別ですが、都市部の設備の整った綺麗な病院を受診すれば日本と何ら変わりません。
全額負担すれば、たとえば1週間の入院で数百万円請求されることだってあるのです。
ですので、医療保険への加入は必須になるでしょう。
また、健康に問題がある人、持病がある人は、通院すればそれなりのお金がかかります。
たまに風邪をひいて病院に行くくらいなら大丈夫かと思いますが、たとえば人工透析なんてフィリピンで受けようと思ったら、すごく高額な医療費を毎回請求されるでしょう。
フィリピンに移住するためには、元気で健康であるということも大事なのです。
■食の問題
海外へ行けば当然日本とは食生活が違います。
日本の食材も手に入りますし日本食レストランもたくさんあるフィリピンですが、値段が高いため毎日続けるのは結構難しいのです。
フィリピン料理は癖のあるものも多く、苦手な人は苦手です。
そして地味に問題になってくるのが、新鮮な野菜が食べられないという点です。
上記の健康問題にも関連してきますが、やはりバランスよく野菜も食べないと、身体にじわじわと影響が出てきます。
ビタミン不足で免疫が下がって風邪をひきやすくなったり、肌が荒れたり、肉や米が中心になって太ったりします。
これではせっかく移住しても幸せとは言えません。
マニラやセブは移住先として最もポピュラーですが、これらの地域では新鮮な野菜が手に入りにくくなっています。
しかも、肉と比べて高く、日本から輸入された野菜などは、買っても切ってみると中が腐っていたりすることも珍しくありません。
味も日本で買うのと比べたら全然美味しくないのです。
最近はサラダ専門店なども出来てきて生野菜を食べる機会は増えてきていはいますが、やはり高額なので毎日通うわけにはいきません。
では、フィリピンで野菜を食べるにはどうしたら良いかというと、ローカルなマーケットで地元の野菜を買うことです。
地元の野菜、つまり日本では見たこともないフィリピンの野菜です。
これらは海外から輸送されてきているわけではないので値段も安いです。
しかし、馴染みがないのでどのように調理すれば良いのか、どんな味なのか分かりません。
保守的と言われる日本人にとって、見たこともない野菜を買って調理してみるというのは、ちょっとしたチャレンジになるでしょう。
こういう場面でも、面白がって試してみる、という感覚があればフィリピンでも暮らしやすいです。
逆に「見たことないものは食べたくないし買いたくない」という方は、あまりフィリピン移住には向いていないでしょう。
■治安が悪い
エリアにもよりますが、全体としてフィリピンは日本よりも治安が悪いです。
セブやマニラにはストリートチルドレンや物乞いがたくさんいますし、スラム街も点在しています。
高級ホテルやコンドミニアムなどが並ぶ富裕層のエリアはほんの一部であり、その先進的な地区から少し離れれば、掘っ建て小屋で暮らすローカルな人々の世界があります。
そして、こういった貧しいエリアではスリや強盗、ホールドアップなどの犯罪が日常茶飯事です。
フレンドリーに話しかけてきたかと思いきや、詐欺を働く人もいます。
フィリピンで暮らすということは、こういった危険がいつもすぐそばにあるということです。
特に日本人は狙われやすいので、夜に一人で出歩くのは基本的に避けなければいけません。
マカティなど比較的安全と言われているエリアですら、スリに遭うこともあるのです。
また、フィリピンは銃が合法の社会です。
いきなり撃たれるなんてことはあまり考えられませんが、そこらじゅうにセキュリティガードがいてみんな普通に拳銃を持っています。
これは日本ではありえない光景なので、最初はびっくりしてしまうでしょう。
■インフラが整っていない
日本で暮らしていると、当然のように水道から水が出て、電気が供給されていて、高速インターネットを楽しむことが出来ますよね。
しかしフィリピンは、街中こそ近代的になってきているものの、こういったインフラの整備はまだまだ発展途上です。
高級ホテルやコンドミニアムであっても、シャワーの水圧が弱いとか、お湯の温度が安定しないとか、悪天候ですぐに停電するというのは日常です。
特にインターネットは未だにDSLという回線を使っており、そのスピードは世界的に見ても最低レベル。
動画などはスムーズに見れないことも頻繁にあります。
しかも、家にインターネットを引っ張れば、日本と同じくらいの月額がかかります。
高いのにロークオリティというわけです。
カフェやレストランなど無料Wi-Fiを提供している場所は日本よりも多いですが、安定したハイスピードで楽しめる場所は多くありません。
また、水回りの整備もまだまだです。
トイレの水が流れないこともありますし、道路の排水システムも整っていない場所が多く、大雨が降ると冠水します。
フィリピンではこういった部分も「しょうがない」と諦める精神が必要です。
日本と同じ便利で快適な生活を求めるのは難しいと思ってください。
■まずはお試しで短期間住んでみよう
フィリピン移住に関するデメリットやリスクについてご紹介しました。
南国でのセカンドライフという夢と希望に満ちたイメージのあるフィリピン移住ですが、良い部分だけではないのです。
総じて言えることは、大きな心で寛容に、ある程度のことは全部妥協して生活するのが良い、ということです。
完璧主義の人、日本と同じ衛生レベルを求める人、いい加減な人を許せない人、健康に問題がある人は、フィリピンに向いていません。
また、お金に関しては本当にしっかりと運用しないと、すぐに使ってしまうか取られてしまいます。
それで身動きが取れなくなってしまうことだけは避けたいですね。
自分にはフィリピン生活は合わないと思ったら、潔く日本へ帰ることも視野に入れておくことです。
そして、本格的な移住を決める前に、まずは半年〜1年間くらい、お試しで住んでみましょう。
生活をするということは、留学や旅行とは全然違います。
幸いフィリピンは観光ビザだけで最大3年まで住むことが可能なので、プチ移住をして自分に合うかどうかを確かめてください。