フィリピン次期大統領はサラ・ドゥテルテ氏に?


フィリピンでは今月13日、中間選挙が行われました。

最側近のクリストファー・ゴー前大統領補佐官、デラロサ前国家警察長官、故マルコス大統領の娘アイミー・マルコス氏などを含む、ドゥテルテ大統領を支持する候補者が、上院12議席中9議席を獲得して圧勝したとのことです。

これによって、ドゥテルテ大統領の前半3年間が、国民によって高く評価されていることが明らかになりました。

残りの3年間で、まだ実現していない公約に取り組み始めると意気込みを語っています。

具体的には、連邦制導入による地方自治権の強化、ミンダナオ島西部のイスラム自治政府の樹立、薬物犯罪に対する死刑制度の導入、輸出企業への優遇措置を減らす税制改革などを目指しています。

さらに、憲法を改正して大統領に再選しようとしているのでは?とも言われています。

 

しかし、そんな中で次期大統領として有力候補と言われているのが、ドゥテルテ大統領の娘のサラ・ドゥテルテ氏です。

サラ氏は現在、ダバオ市の市長を務めています。

実はサラ氏は、フィリピン国内で今かなり大きな存在感を示してきており、各地域の有力者からも支持されているのです。

 

本人としては、「他に出馬しようと考えている候補者たちがいるのに、先輩政治家を差し置いて大統領を目指すわけにはいかない。ダバオ市長に専念する。」としていますが、実際のところ3年後にどうなるのかは分かりません。

大統領報道官のサルバドール・パネロ氏も「彼女が父親を継いで大統領になっても驚かない」とコメントしています。

 

■ドゥテルテ大統領そっくり?サラ氏のキャラクターとは

サラ・ドゥテルテ氏は、1978年生まれの40歳。

顔こそほとんど似ていないものの、内面においてはドゥテルテ大統領そっくりだと言われています。

聡明さ、度胸、リーダーシップなどが備わっているのはもちろん、父親より手強いという評価も。

その豪腕ぶりから、ドゥテルテ大統領さえも「ドゥテルテ一家は、俺ではなくサラが牛耳っている」と語り、頭が上がらないようです。

また、2017年には「自分の後継者はサラ以外にはいない」と名言しました。

サラ氏の母親でドゥテルテ大統領の元妻であるジムマーマンさんも、「サラは秘蔵っ子で最も優秀。父親と最も仲が良く、最大の支持者」だと語っています。

サラ氏が政界に入ったのは2007年のこと。

当時父親のドゥテルテ氏はダバオ市長を務めており、副市長で初当選しました。

2010年には女性初&最年少でダバオ市長に就任しています。

 

■”政治家一族による私物化”?長年政権を握るドゥテルテ一族

フィリピンでは、法律で3期9年以上市長職に就くことができません。

しかし、4期目に身内を置き、その間自分は下院議員などを務め、3年後にまた市長に戻る、という手段は、フィリピンではすでに定着しています。

メディアはこれを、「地方独裁腐敗政治の温床」や「政治家一族による私物化」と批判していますが、ドゥテルテ大統領も例に漏れず、同じ方法でダバオ市長を合計6期務めています。

サラ氏はもともと弁護士でしたが、何の実績もないまま父親の七光りでダバオ市長に当選しました。

さらに、副市長には長男でサラ氏の兄のパオロ氏が当選しています。

 

■サラ氏が有名になった”顔面4発パンチ事件”

ドゥテルテ大統領の娘としてもともと注目されていたサラ氏ですが、2011年には彼女がさらに全国的に有名になる事件が起きます。

それが、”顔面4発パンチ事件”。

当時、父親のドゥテルテ氏はダバオ市の副市長を務めていました。

ダバオでは不法占拠地域に住む住民に対し、立ち退きが要求されていました。

ここでサラ氏は住民に味方し、立ち退きを2時間待ってほしいと要請。

しかし、裁判所の執行官側がこれを聞き入れなかったため、サラ氏は胸ぐらをつかんで顔面にパンチを4発お見舞いしたということです。

暴力的なやり方に対し批判もありましたが、住民を擁護したということでちょっとしたヒーローにもなり、軽い停職で無罪放免になりました。

父親のドゥテルテ氏ももちろん「謝罪する必要はない」とコメントし、親子揃ってその強者ぶりが話題となりました。

また、これを機にサラ氏には「スラッガー(強打者)」という異名もつきました。

 

■着々と次期大統領になる準備中?

すでにサラ氏を自分の後継者にしたいと考えているドゥテルテ大統領は、彼女を海外の首脳会談などにも連れて行っています。

昨年4月には、中国で行われた「博鰲アジアフォーラム」にサラ氏を同行させ、習近平国家主席とも面会しました。

また、2月に日本の河野太郎外相がダバオを訪れた際も会談しています。

さらに、ダバオには日本と中国の総領事館を開設し、大統領になる準備は着々と進んでいるように見えます。

実際、サラ氏は最近になって「2021年1月には答えが出ている」とコメントし、2022年の次期大統領選に出馬する可能性をほのめかしています。

 

■汚職・脱税疑惑

ドゥテルテ大統領とサラ市長は、現在のところ国民から強く支持されているようです。

しかし最近では、汚職の疑惑も浮上しています。

フィリピンの調査報道ジャーナリズムセンターによれば、ドゥテルテ大統領、サラ氏、そして長男のパオロ氏の資産がそれぞれ不自然に急増しているとのこと。

また、ドゥテルテ大統領とサラ氏は公職に就いているにも関わらず、弁護士事務所を同時に経営していることが明らかになりました。

ここからの収入が記載されておらず、隠し財産があるのでは?と疑われています。

さらに、サラ氏は自分の夫とも共同で弁護士事務所を経営しており、そこでも証券取引委員会への登録をせず、関税局と繋がっていたことから、脱税などの違法行為が行われているのでは?という疑惑がかかっています。

これらの件に関し、ドゥテルテ大統領もサラ市長も「政治活動以外で批判を受ける必要はない。告発は根拠のない虚偽である」として、否認しています。

 

■3年後はどうなっているか?

フィリピンでは、ドゥテルテ一族が政権を握る前から、マルコス一族をはじめ、あらゆる政治家が汚職で捕まっています。

しかし、それでも彼らは必ず政界に戻ってきているのです。

もはやこのような政治家一族が長きに渡って支配するという流れは、フィリピンの歴史の定番ともなってきています。

かつてマルコス一族が自分の帝国を築いたように、ドゥテルテ大統領も自分の一族で政界支配を狙っているのかもしれません。

少なともメディアは、そう目論んでいると考えているようです。

汚職を払拭するという面においては、ドゥテルテ大統領はまだ公約を果たせていないように見えます。

しかし、現在国民から強く支持されているところや、今回の中間選挙の結果を見れば、これまでの彼の実績は国民のニーズに合致していたと考えられます。

これからの3年間、ドゥテルテ大統領がどのような動きを見せていくのか ?

また、サラ氏は3年後に信頼を得て支持されているのか?

変化の激しいフィリピンの政情から目が離せなさそうです。


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