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フィリピンがサウジアラビアへのOFW派遣を停止?


フィリピン経済を支えているOFW(Oversea Filipino Workers)。
 
彼ら海外出稼ぎ労働者からの外貨送金は、フィリピンGDPの約1割を占めていると言われています。
 
もはやOFWなしではフィリピン経済は成り立たないほどです。
 
 
そんな中、今回フィリピン労働雇用省は、2020年以降サウジアラビアへのOFWの送り出し人数を減らすことを発表したそう。
 
理由は、横行するフィリピン人労働者への給料不払いです。
 
 

■9,000件のクレーム

フィリピン労働雇用省のシルベストル・ペリョ長官によれば、サウジアラビアで働くOFWから約9,000件におよぶ給料不払いのクレームが寄せられているのだそう。
 
その金額は総額なんと46億ペソ(約96億円)に及びます。
 
実は、もともとサウジアラビアでは給料不払いが何件も発生しており、2016年には13,000人のフィリピン人労働者を強制帰国させたこともありました。
 
給料不払いが起こった背景には、原油価格の下落による中東経済の低迷があったとされていますが、いまだに9,000人のOFWの給料が未払いになっているとのことです。
 
 

■虐待されるフィリピン人家政婦

中東諸国へ出稼ぎに行くOFWの多くは、家政婦として働きます。
 
お金持ちの家に雇われ、家事全般と子守を任されるのです。
 
ただ、その労働環境は劣悪だと以前から問題視されています。
 
給料を支払ってもらえないだけでなく、まともに食事を与えてもらえない、寝る時間も休日もなく働かされている、レイプ・暴行を受けている、などの虐待事例の報告が後を絶たないのです。
 
2018年4月には、サウジアラビアで家政婦として働いていたフィリピン人女性が、雇用主に無理やり漂白剤を飲まされて病院へ救急搬送された事件がありました。
 
彼女は2016年からサウジアラビアで家政婦をしていましたが、雇用主からたびたび虐待を受けており、給料も支払われていなかったと言います。
 
また、同じく2018年の2月には、クウェートでメイドとして働いていたフィリピン人女性が冷凍庫で遺体となって見つかった事件もありました。
 
ドゥテルテ大統領はこれらの事例を受けて、就労を目的としたフィリピン人へのクウェートへの渡航を禁止しています。
 
 

■ゆくゆくは労働許可の発行停止へ

後を絶たない虐待、給料不払いの状況を受けて、フィリピン労働雇用省では、サウジアラビアへのOFWの送り出し人数を削減するだけでなく、ゆくゆくは労働許可の発行を停止するとしています。
 
2020年以降、サウジアラビアで働くフィリピン人労働者は少しずつ減っていくものと思われます。
 
 

■フィリピン経済への影響

しかし、サウジアラビアへのOFWの送り出しを削減・停止することによる、フィリピン経済への影響も懸念されています。
 
GDPの10%を占めるOFWからの送金のうち、2019年1月〜10月のサウジアラビアからの送金は17億8,004万ドルとなっており、93億4,666万ドルのアメリカからの送金に続く、第2位となっているのです。
 
給料不払いが横行しているとはいえ、送金元国第2位の国への派遣を停止すれば、少なからず経済にマイナスの影響を与えるでしょう。
 
 

■中東諸国とフィリピン人労働者

現在サウジアラビアを含めて、中東で働くOFWは200万人以上です。
 
そのうちどのくらいのフィリピン人労働者が劣悪な環境で働いているのか、給料が支払われていないのかは、把握しきれていません。
 
母国で待つ家族のためにと、いじめに耐えているフィリピン人労働者も大勢いるはずです。
 
もちろん、ちゃんとした家庭でフェアに扱われているメイドもいるでしょう。
 
いずれにしてもフィリピン政府は、経済発展を優先して自国の国民が虐待されるのを許すようなことはしないという姿勢です。
 
フィリピン人労働者たちも、悪質な雇い主が多いことから、中東には行きたくないという人が多いようです。
 
奴隷制度は過去のものというイメージがあるかもしれませんが、中東で働くフィリピン人労働者の状況を見れば、現在も健在していることが分かります。
 
特に身分制度が顕著なイスラム社会においては、アジア人の女性は最下層であり、同じ人間として扱う人が少ないのです。
 
もしかすると今後は、中東諸国全体におけるOFWがなくなるかもしれませんね。
 
悲しいですが、やはり人権や命には代えられません。