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フィリピンのはしか流行が深刻化、日本人は大丈夫?


フィリピンでは今、「はしか」の患者が激増し、深刻な問題となっています。

今年に入ってはしかで亡くなった人の数は261人。

昨年の死者数202人から29%増えています。

そのほとんどが5歳未満の子供で、現在も感染者が260万人あまりに上ると見られています。

 

<赤十字がボランティアで予防接種>

国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)では、フィリピンの保健省と提携して、子供たちにワクチンを接種する方針です。

特に感染者が多い地域を中心に、ボランティアスタッフ200万人を動員して戸別訪問しています。

 

<ワクチンへの批判>

はしかの予防接種に関して、消極的な人たちもいます。

フィリピンでは2014年に、デング熱ワクチン「デングワクシア」を巡って問題が起きたためです。

「デングワクシア」はフランス製薬会社サノフィパスツール社が開発したものでしたが、デング熱に感染したことのない人が接種した場合に、ワクチンによるウイルス感染で重症化する可能性があることが明らかになったのです。

そのため、フィリピンではワクチンに対する信頼がなくなり、懐疑的な姿勢を示す人が増えました。

はしかやインフルエンザの予防接種を受ける人の割合は、2017年の70%から、2018年には39%にまで落ち込んだのです。

しかし今回国際赤十字では、はしかのワクチンは安全であることを強調し、子供を守るために予防接種を受けさせるよう呼びかけています。

「反ワクチン」の動きはアメリカにも広がっており、ワシントン州、ニューヨーク州、テキサス州などの5箇所ではしかが流行し、100人以上が感染しました。

 

<フィリピンだけではない、はしかの拡大>

はしかの感染は世界的に拡大していて、2017年から2018年にかけて48.8%も増加しました。

2019年現在、フィリピンでの感染者は4,300人、ウクライナでは15,000人、マダガスカルでも50万人以上が感染し300人が死亡しました。

日本でも一度は排除されたと思われていましたが、2016年、2017年にかけて関西や東北、沖縄などではしかが流行しました。

関西国際空港で最初に見つかったことから、海外からウイルスが持ち込まれたものと思われています。

日本では今抗体を十分に持っていない人が多いため注意が必要です。

 

<はしかの強い感染力とは?>

はしかの感染力は強く、圧倒的なスピードで大勢の人にうつります。

なぜなら、はしかのウイルスは空気感染するからです。

同じ電車内に感染者がいてその人が咳をした場合、免疫のない人は10人に9人が感染すると言われています。

普通の風邪やノロウイルスのように手洗いやマスク着用だけでは防止できないのです。

また、水際対策も気休め程度にすぎず、海外からの持ち込みを完全に防ぐことも不可能です。

だからこそ、予防接種が最も効果的かつ唯一の予防手段と言われています。

はしかのワクチンは、2回接種することで効果が高まります。

 

<在フィリピン日本国大使館からの注意喚起>

フィリピンに住む日本人へ向けて、大使館からも、

「感染すると、発熱、咳、鼻水といった風邪の症状や発疹が現れます。
また、その合併症は、下痢、肺炎、中耳炎、脳炎等があり、1,000人に1人の割合で死亡する可能性もあると言われています。

つきましては、麻疹の予防接種を受けていない方、特に子どもについては、予防接種を受けることを検討してください。」

という注意喚起が発表されています。

世界中どこにいても感染のリスクはありますが、特にフィリピンでは今そこらじゅうに患者がいる状態だと思った方が良いでしょう。

早急なワクチンの接種をおすすめします。