汚職でフィリピン下院議員イメルダ氏に実刑判決
どの国にも政治汚職というものは存在しますが、フィリピンに限っては世界的に見てもかなり目立つ方で、たびたびメディアで報道されています。
今回、故マルコス前大統領の夫人で下院議員のイメルダ・マルコス氏(89)の汚職7件について、フィリピン工員犯罪特別裁判所が認定しました。
1件につき禁錮6〜11年の実刑判決です。
故マルコス前大統領といえば、長きに渡って独裁政権を敷いていたことで知られています。
1986年の「ピープルパワー(民衆の力)政変」で失脚し、ハワイに亡命しましたが、1989年に死去しました。
夫人のイメルダ氏は1991年にフィリピンに帰国し、2010年からは下院議員を務めています。
ロドリゴ・ドゥテルテ大統領率いる現フィリピン政権も、汚職とはなかなか縁が切れない状態が続いています。
ドゥテルテ大統領といえば麻薬撲滅キャンペーンでずいぶん是非を問われていますが、彼に「麻薬犯罪に関わる容疑者は殺しても良い」と指示を出されている警察官が、その職権を乱用しているケースも多々あるようです。
去年は、麻薬とはまったく無関係な韓国人男性がフィリピン警察に殺害されました。
しかも、その韓国人男性の奥さんには身代金まで要求していたとのこと。
こういった事例が出てきたのを受けて、ドゥテルテ大統領も一時麻薬戦争を休止するに至りました。
まずは警察官の汚職を排除することが課題だと判断したようです。
また、ドゥテルテ大統領の親族間でも麻薬密売に関わっている人がいるという疑惑もあり、汚職をこの国から完全に払拭するのは簡単ではなさそうです。
ただ、ドゥテルテ大統領自身が、多少極端ではあるものの、国民に対して正直で率直なやり方で政策を行なっていることは評価できるのではないでしょうか。
今期彼がフィリピンから麻薬だけでなく政府の汚職も排除し、クリーンな国を作っていってくれることを期待したいものです。