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フィリピンのコールセンターは今後どうなる?


フィリピンは近年、BPO(Business Process Outsourcing)産業が盛んです。

BPOとは、海外の企業から依頼を受け、コールセンターでのカスタマーサポートやセールス業務を行う、いわゆる業務委託のこと。

フィリピン人はほぼ全員が英語を話し、アメリカ植民自体もあって欧米文化が根付いていることから、コールセンターなどのスタッフとしては、最適な人材となっています。

そして何より、人件費が他の英語圏よりも格段に安いこともポイントとなっています。

クレジットカード会社大手のアメリカン・エキスプレス(アメックス)や、総合コンサルティング会社のアクセンチュアなどが、フィリピンのBPOを利用しています。

 

2000年代の初めから、BPOは実に100万人を超える雇用を生み出しました。

英語が堪能で、コミュニケーション能力とホスピタリティが高く、有能な人材が集められていったのです。

 

しかし現在、少しずつコールセンターは減少しつつあります。

電話などの事業は「自動化」が始まっているからです。

 

その代わりに、医療、銀行、金融、保険などの、高いスキルや知識を必要とする分野への需要に対応できる人材が求められています。

新たなニーズに対応するために、技術や経験のある人材教育が課題です。

アウトソーシングで働くフィリピン人たちは、もはや英語とコミュニケーション能力だけでは生きていけなくなるかもしれません。

もしもスキルの高い人材の教育が進まなかった場合、アウトソース事業の半分以上が数年で消えていくとも言われています。

 

アウトソーシング会社も、よりハイレベルな人材確保のために、大卒で経験豊富かつ技術や知識もある労働者の採用に力を入れているようです。

 

フィリピンの経済を支える大きな柱となっているアウトソース事業ですが、技術の発展とともに、人々も成長していく必要がありそうです。