フィリピンの衛生面で気をつけたいこと
フィリピンは現在急速に発展が進んでおり、インフラも整い始めていますが、それでもまだ衛生レベルにおいては先進国に追いつきません。
水やトイレ、虫、動物など、現代の日本には見られない問題もあります。
病気や感染症を防ぐためにも、フィリピンの衛生環境について知識を持っておくことは大切です。
今回は、フィリピン渡航時に気をつけたい衛生面の問題とその対策についてご紹介します。
<水>
フィリピンでは水道水は飲めません。
水道管や貯水タンクが汚れていたり、汚物が混入していたりして、大腸菌などに汚染されている可能性があります。
ミネラルウォーターを購入しましょう。
1本20ペソ(約43円)程度で買えます。
飲み水に気をつけるだけでなく、氷も汚染されているので気をつけましょう。
レストランで出てくる飲み物に入っている氷も、水道水から作られている場合があるので飲まないこと。
また、歯磨きやうがいなど飲む目的でなくても、口に入る際にはミネラルウォーターを使った方が良いです。
<食品>
基本的には加熱されていれば問題ありません。
すでに切った状態で売られている野菜や果物、あるいは調理されてはいるものの長時間経過しているものなどは避けましょう。
また、生野菜やお刺身などは、信頼のおける日本食レストランなどを除いて食べない方が良いです。
いわゆるレストランというより大衆食堂のようなところでは、何を食べても多少のリスクがあると思ってください。
また、屋台フードはフィリピンの風物詩の1つでもありますが、ほとんどが衛生的とは言えません。
食品自体に問題がなくても、使われている食器や調理器具が汚染されていたり、外に出してあるものだとハエがたかっていることもよくあります。
こういった様々なルートによって、フィリピンでは1年を通していつでも食中毒になるリスクがあります。
腸チフス、アメーバ赤痢、A型肝炎などが発生しているので注意が必要です。
<食中毒の防衛策>
食中毒を防ぐのに最も効果的なのは手洗いです。
しかし、フィリピンではトイレのあとにしっかり手を洗うことが習慣化されておらず、石鹸なども設置されていないところがほとんど。
そのため、携帯用のアルコールハンドジェルなどを持っていると便利です。
<トイレ事情>
日本は世界で最もトイレが綺麗と言われていますので、日本と比較するとどの国も少し汚く見えてしまいますが、フィリピンに関してもあまり清潔でないトイレを目の当たりにすることは多いでしょう。
また、高級ホテルやショッピングモールを除いてフィリピンのトイレにはほとんどトイレットペーパーがありません。
ですので、自分で持ち歩く必要があります。
使った紙は流すことはできず、横に置いてあるゴミ箱に捨てます。
そして驚きなのは、フィリピンのトイレには便座がないこともよくあります。
便器の縁に足を乗せてしゃがみ、用を足している人が多いようです。
慣れるまではちょっと大変かもしれません・・。
そして、全体として清掃状況や臭いなども気になってしまうでしょう。
衛生環境としては決してよくないので、使用後は必ず手を洗い、アルコールジェルなどで手を消毒することをおすすめします。
<虫>
フィリピンは熱帯の気候に属するため、日本では見られない強い蚊やアリなどの虫が数多く生息しています。
特に蚊は要注意で、現地の蚊に刺されてデング熱にかかる日本人もたくさんいます。
日本でも真夏には注意喚起が行われていますが、フィリピンでは年間を通じて発生しています。
感染すると、激しい頭痛や関節痛、筋肉痛、発心、発熱などの症状が現れ、それが5日間ほど続きます。
抵抗力の弱い人が感染し重症化すると、デング出血熱やデングショック症候群という病気に発展することもあり、最悪の場合死に至ります。
また、フィリピンのパラワン島、ミンドロ島、スールー諸島、ミンダナオ島、カガヤン峡谷の一部では、マラリアの感染例もあります。
<蚊による感染症の予防策>
デング熱やマラリアを防ぐためには、蚊に刺されないようにすることが最も重要です。
虫の多い場所では出来るだけ肌の露出を避け、長袖長ズボンで過ごしましょう。
また、虫除けスプレーも効果があります。
パラワン島に2週間以上滞在する場合は、抗マラリア薬の予防内服も有効とされています。
渡航前に医師に相談しましょう。
<予防接種を受けていこう>
フィリピンでは麻疹(はしか)も流行しているほか、結核患者もいます。
日本で予防接種をしていった方が安全です。
特に子供は気をつけてください。
また、A型肝炎、B型肝炎、腸チフス、日本脳炎、狂犬病などの予防接種も受けておくと安心です。
渡航の2週間前には済ませておきましょう。
<体調不良になったら>
ただでさえ環境が変わって抵抗力が落ちているため、感染症だけでなく風邪を引いたり何かと体調を崩す人が大勢います。
フィリピンは空気が汚れているため、喉をやられる人もかなり多いです。
また、外は暑くても室内はエアコンが寒いくらいに効いているため、寒暖差で体がおかしくなってしまう人もいます。
フィリピンでは日本語対応してくれる病院もありますので、具合が悪くなったらすぐに相談しましょう。
■マニラの病院
・マカティメディカルセンター
マカティの中心地にあり、24時間体制の救急センターを完備しています。
・セントルークスホスピタル
グローバルシティにあるフィリピンで一番高級な病院で、最新医療機器を備えています。
・日本人会クリニック
日本人の医師と日本語の話せる看護師が常駐しており、小児科、産婦人科もあります。
・エイシアン病院
アラバンにある中規模病院で、カフェテリアなど施設が充実しています。
■セブの病院
・セブドクターズホスピタル
優秀な医師、高度な医療施設が揃った大学病院で、日本語の通じるデスクもあります。
・セブチョンワホスピタル
24時間対応の救急センター、多数の病室を備える巨大な私立病院です。
<海外保険には必ず入っておこう>
フィリピンに限ったことではありませんが、海外に行く際は必ず保険に入りましょう。
最近の保険は、保険証さえあれば現金をまったく払わなくても診療してもらえます。
また、クレジットカードに付帯している保険は無料でなかなか手厚い保証があるので、そちらもぜひ利用してみてください。
とはいえ、やはり体調は崩さずに過ごすのが一番です。
せっかく来ているのに病気や怪我をしてしまってはもったいないですよね。
旅行中は適度に休息を取り、衛生面には十分気をつけて、無理のないスケジュールでフィリピンを満喫してくださいね!