フィリピンのGDP成長率(2017年)
フィリピン統計局が、2017年度の国内総生産(GDP)を発表しました。
その数字は6.7%で、昨年度と比べて0.2ポイント落ち込んでいます。
これまでうなぎ上りと伝えられてきたフィリピン経済ですが、ここにきて停滞している実情が明らかになりました。
フィリピン政府はこれに対し、まだまだ中国やベトナムの成長率を上回るものだと強気です。
しかし同時に、不安要素もあることを認めています。
今回成長率が伸びなかったのにも関わらず、インフラ整備などで政府支出が前年の3倍以上になっていることも、政策に疑問を持たせる一因となっています。
ドゥテルテ大統領が打ち出した大型の政策は、どうやらまだ効果を発揮できていないようです。
投資に見合ったリターンがなくては、国民からの信頼も落ちてしまうでしょう。
フィリピン経済が低迷を見せている理由の1つとして、BPO(Business Process Outsourcing)産業の減速があります。
前年度の成長率が19.9%だったのに対し、12.6%まで落ち込みました。
もともとフィリピンでBPO産業が発展したのは彼らの高い英語力によるものでしたが、近年は近隣国も英語力を上げてきており、フィリピンでなければならない理由がなくなってきています。
フィリピン政府は、もっと付加価値の高い産業を発展させることで経済低迷にストップをかけるとしていますが、具体的にはどのような方策を行なっていくのか明らかになっていません。
しかし、GDPの成長率が落ちている一方で、フィリピンの株価は上がっています。
フィリピン証券取引所の株価指数は1月23日には899.02ポイントと史上最高となり、バブルはまだ続いているようです。