なぜビットコインはフィリピンに浸透したのか?
仮想通貨が誕生してまだ歴史が浅いにも関わらず、フィリピンにおけるビットコインの普及率は急速に上昇しています。
経済成長を続けるフィリピンでビットコインがこれほどまでに浸透してきている理由とは何なのでしょうか?
<効率的に送金できるから>
海外稼ぎ労働者からの外貨送金がフィリピン経済を支えていることは有名ですが、ビットコインにより、さらに効率的かつ合理的に送金できるようになりました。
これまでは、フィリピン人が海外から母国へ送金する際は、ウエスタン・ユニオンなどの送金会社が利用されていました。
こういった会社に送金を委託した場合、最低でも1時間はタイムラグが生じます。
長い場合だと2〜3日かかることも。
しかし、ビットコインはこれをはるかに高速化しました。
ものの数分で相手に着金します。
送金の際に銀行や送金会社のように仲介会社を挟まないためです。
複数の第三者を介さないことで、安全かつ効率的に通貨を移動させることができるというわけです。
これは言うなれば、Eメールの誕生によって手紙が要らなくなったようなものです。
<コストダウンできるから>
ビットコインは送金がスピーディなだけではありません。
仲介会社を省いているということは、手数料などのコストも大幅にダウンできるということ。
これまで銀行や送金会社を使っていた際は、5〜8%もの送金手数料が発生していました。
それがビットコインでは、たった1%。
フィリピン中央銀行のデータによれば、海外からフィリピンへの総金額は230億ドルを超えています。
これは、中国、インドに次ぐ第3位の金額です。
この巨額な総金額の5〜8%が手数料として取られていたのが、1%まで下がるとしたら、これはフィリピンにとって相当大きなメリットです。
これまで以上に経済発展を促すことは間違いないでしょう。
何しろ、フィリピンは個人消費もすごく大きな国です。
一家庭に入ってくるお金が多くなれば、その分消費も増え、経済が回るというわけです。
しかも、それは学費や食費が払える人も増え、フィリピンの貧困を救うことにも繋がります。
<銀行口座がなくても使えるから>
貧富の差が大きいフィリピンでは、銀行口座を持てない人が大勢います。
フィリピンでは日本と違い、口座維持費というものがかかり、それがみんな払えないのです。
そのため、銀行口座もなければクレジットカードもほとんど持っていません。
銀行口座を持っているフィリピン人は30%にも満たないと言われています。
そのため、送金されたお金を受け取る際にも、有償で誰かの口座を借りる、という方法が取られていました。
この、口座を借りるための手数料として、なんと20〜30%も支払っていたのです。
せっかく海外で稼いだお金も、送金手数料で5〜8%引かれ、口座を借りる手数料として20〜30%も引かれていたのでは、あまりにも酷です。
そんな中、ビットコインは銀行口座がなくてもウォレットが持てるという特徴を持っていました。
上述した手数料がすべて省かれるとなれば、相当な送金額アップになります。
このように、フィリピンではビットコインが普及する理由がいくつも揃っています。
フィリピンが経済活動に必要としていた条件をすべて網羅していたのですね。
今後もビットコインがフィリピン社会を大きく変化させていくことは間違いないでしょう。
どのような金融革命が起こるのか?目が離せません。