フェイクニュースに気をつけて!フィリピンで47人逮捕
いつの時代もデマが広がるという現象は起こりますが、今回の新型コロナウイルスでも様々な”フェイクニュース”が飛び交いました。
フィリピンも例外ではなく、今回フェイクニュースを拡散した罪で47人が逮捕されたそうです。
■Facebookに誤情報を書き込み
新型コロナウイルスの感染者がフィリピンでも大幅に増加した3月9日〜4月13日までの間に、虚偽の情報を報告・拡散したとして逮捕された47人。
どうやらコロナウイルスを利用して自身を有名にしたかったようです。
犯人の中には公立学校の教師もおり、「ゼネラル・サントス市で食料が不足している」とFacebookに投稿し、保管されていた食品を押収するよう国民を煽ったと報じられています。
フィリピンではFacebookは非常に人気のSNSで、大勢の国民が1日に何度もチェックしています。
そのため、拡散されるのも速かったのでしょう。
また、新型コロナウイルスに感染したとみられる人たちのリストを公開して逮捕された人もいます。
■フェイクニュース拡散は犯罪
フィリピンではフェイクニュースを流したり拡散したりすると、懲役1ヶ月〜6ヶ月+罰金が課されるということです。
国家警察からは、フェイクニュースや根拠のない噂を広めることは違法であり、人々をパニックに陥らせて政情不安を引き起こすため、やめるよう呼びかけています。
■日本で拡散されたフェイクニュース
日本でも新型コロナウイルスにかこつけたフェイクニュースが出回りました。
その代表的なものが、「中国で原材料を生産しているからトイレットペーパーがなくなる」というもの。
信じた人たちはすぐにお店へ走り、焦って買い占めを行なったようです。
すぐにデマだと発表されましたが、数日間の間はドラッグストアからティッシュやトイレットペーパーが消えてしまいました。
一時は買えなくて困った!という人も多いでしょう。
現在は買えないということはないですが、それでも1人1パックまでと制限されています。
なお、このウソ情報を流した犯人はデマだとバレてすぐにアカウントを消し、姿をくらませてしまったのだとか・・。
また、3月下旬には日本政府も海外のような都市封鎖(ロックダウン)を行うというフェイクニュースも流れました。
生活必需品がなくなるので買いだめするようにとLINEで呼びかけた人がいたのです。
スーパーからは米やパスタなどが消え失せ、今も買えないことがあります。
■フェイクニュースの特徴
何がフェイクニュースで何が真実なのか?
それを素人が見分けるのは難しいと言われています。
フェイクニュースには”テレビ関係者”や”大使館”など、もっともらしい情報源が書かれていることが多く、あたかも真実のように見えるのです。
中には「家族や友人へ回してあげてください」といった、いかにも親切な文面が含まれていることもあります。
しかし、焦ってそのメールを回す前に、一度落ち着いてください。
たいていの場合そういった情報はSNSで目にするはずなので、どこの誰が情報元なのかをまず確認しましょう。
新聞社などちゃんとした報道機関からの情報であれば、記者が裏をとっているはずなので、比較的信憑性が高いです。
といっても、それらですら100%真実とは限りませんので、どんな情報も鵜呑みにせず、俯瞰して取り入れていくことが大事。
いずれにしても、どこの誰か分からない一個人が発信している情報には要注意です。
単なる噂を真実のように語っている人もいるでしょう。
■情報の時期にも注意しよう
フェイクニュースだけではありませんが、「いつ」の情報なのかも確認しなくてはいけません。
特に新型コロナウイルスに関するニュースは、非常に高い頻度で更新されていきますので、1日経つだけでも真実が大きく変わっていることがあります。
最新の情報を探すように心がけましょう。
■フェイクニュースを信じやすいのは中高年
国際大学グローバル・コミュニケーション・センターグループの調査によれば、フェイクニュースを信じやすいのは中高年(50代:80.1%、60代:84.4%)だそうです。
若い世代ほど「情報リテラシー」が高く、最初から疑ってかかる傾向があるんですね。
なお、日本人が最新の情報を得るために使っている情報ソースを年代別に見ると、
■10〜20代:Twitter
■30〜40代:ポータルサイト(Yahoo!やGoogleなど)
■50〜60代:テレビ(民放、NHK)
となっています。
どの媒体であっても、フェイクニュースに遭遇する確率はあります。
1つの情報源に絞らず、多方面から同じ情報を検索してみて、真実かどうかを判断すると良いかもしれません。
重要なニュースであれば、複数の報道機関が同じニュースを報じているはずです。
■なぜフェイクニュースを流すのか?
人はなぜフェイクニュースを流したがるのでしょうか?
それは、上述したように「有名になりたい」という願望もあるでしょうし、自身のウェブサイトへ誘導して広告収入を得たい、なんて人も多いそうです。
FacebookやTwitterをはじめ、SNSではタップ1回で簡単に情報をシェアすることができます。
中には記事の中身を読まずにタイトルだけでシェアする人も多いのだとか。
過激な情報ほど人を惹きつけ、拡散スピードも速くなります。
真実を報道している新聞記事よりも、フェイクニュースの方が共有される回数が多いのだそうです。
■世界に出回るフェイクニュース
フィリピン、日本だけでなく、世界各国でフェイクニュースは出回っています。
イギリスでは俳優のダニエル・ラドクリフが新型コロナウイルスに感染した、というフェイクニュースが拡散されてしまいましたし、イランでは「アルコールが感染予防に有効」というデマが拡散され、2,000人以上が密造酒を飲んでメタノール中毒に陥り200人以上が死亡してしまったのだそう・・。
冷静になれば疑えそうな情報でも、「自分も感染するかもしれない」という不安があると、簡単に信じてしまうんですね。
WHO(世界保健機関)は、新型コロナウイルスに関するフェイクニュースが大量に拡散される現象を「インフォデミック」と呼んでいます。
感染症の世界的大流行「パンデミック」と同様に、一人一人が注意しなければならないと警告しています。
■シェアする前に立ち止まろう!
今後もSNS上などでフェイクニュースに遭遇することはあるかもしれません。
内容によっては「これは重要だ!みんなに教えなきゃ!」と思うこともあるでしょう。
しかし、もし虚偽の情報を拡散すれば、結果的に大きな迷惑をかけてしまうことになります。
さらには、「〇〇はフェイクニュースだ」という情報によって、逆にフェイクニュースが広がることもあるんだそう・・。
肯定・否定に関わらず、真実かどうかを確かめる前にシェアすることはやめるべきでしょうね。