新型コロナウイルスによるフィリピン経済成長への影響
新型コロナウイルス対策でロックダウンを4月30日まで延長することを決めたフィリピンですが、経済への影響はやはり非常に大きいようです。
アジア開発銀行の予測によれば、フィリピンの経済損失は最大54億ドルになるとのこと。
特に大きな影響を受けているのはレストラン業、ホテル業などのサービス業で、最大9.63%。
また、運輸業も最大3.42%落ち込むと試算されています。
ただ、製造業、建設業、農業、鉱業、商業・防疫、そして公益事業に関しては2%以下とされており、比較的ダメージは小さいようです。
フィリピン国内ではロックダウンにより失業者が溢れており、家計支出の低迷も免れないとしています。
しかしながら、フィリピン経済全体としては持ち直しが可能だと考えられており、フィリピン国家経済開発庁によれば、もともと予測されていた2020年の経済成長率5.5〜6.5%はそのまま据え置いたとのこと。
いずれにしても、今後の推移によっては大幅に修正される可能性が高いでしょう。
フィリピンにある多くの日系製造業も、現在は在宅勤務もしくは休業を強いられており、厳しい状況です。
全域が封鎖されているルソン島の日系製造業のうち、通常通り稼働している企業は4.2%にすぎません。
4月6日時点で、フィリピンの新型コロナウイルス感染者数は3,660人となりました。
「強化されたコミュニティ隔離措置」が始まってから3週間が経ちますが、患者は減るどころか増える一方です。
ドゥテルテ大統領は、感染者数が増加しなくなれば段階的に隔離措置を解除していく方針とのことですが、まだその兆しは見えていません。
なお、世界の経済損失は最大4兆1,000億ドルと予測されています。
世界全体のGDPは最大4.8%下がる見込みです。