ロックダウン中のマニラ首都圏で抗議デモ発生
新型コロナウイルス対策で封鎖中のマニラ首都圏で、”抗議デモ”がついに起こったようです。
マニラ首都圏を含むルソン島全域、そしてセブ州全域で封鎖を実施しているフィリピンでは、かねてから貧困層の人々への影響が懸念されていました。
■人々の生活が困窮
トライシクルやジプニーの運転手、路上の行商人、水商売で働く女性やエンターテイナーなどなど、給料が保証されていない人たちは、ロックダウンが始まってからは完全に収入のない状態となってしまいました。
もともと低賃金で貯金などあるわけもない彼らは、封鎖が始まってからの2週間で、生活がかなり苦しくなったようです。
ゴミを拾って売るスラム街のホームレスたちの生活も、限界に近づいていました。
■飢えに苦しむ人々のデモ
そして4月1日、ケソン市では外出禁止の法令を破って500人もの住民が抗議デモを強行したとのこと。
警察が出動して帰宅するよう促しましたが、反抗した人々もいたため、21人が逮捕されました。
デモに参加していたメンバーの一人によれば、1日1食しか食べられない日も多くなっている上、政府からはいつまで経っても食料の配給がないのだそう。
いくらスーパーや食料品店が営業していても、お金がなければ何も買うことはできません。
また、流通が滞っている部分もあるためか、商品の値段も高騰しているとのこと。
ロックダウンによって生活の糧を失ってしまった人々は、約1,440万人にも上ると言われています。
■貧困層への対策が必須
フィリピン国内での新型コロナウイルス感染者は4月1日時点で2,311人、死者96人に達し、その勢いは拡大し続けるばかりです。
このままロックダウンを続ければ、今回のようなデモはまた必ず起こってくるでしょう。
移動制限や外出禁止のルールを敷くことで新型コロナウイルスの感染拡大は防げるかもしれませんが、代わりに人々が普通の生活を送ることも困難になり、治安が悪化してしまいます。
マニラ首都圏で生活する日本人が狙われる可能性も高いです。
フィリピン政府は、貧困層の人々へ食料の配給を早々に行うか、もしくは一定の収入がある状態にするなど、何らかの対策を講じる必要があります。