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フィリピンの麻薬戦争と国家公務員の汚職


麻薬関連犯罪容疑者は容赦なく罰し、抵抗する者は殺しても構わないとするフィリピンのドゥテルテ大統領。
 
この”麻薬戦争”は世界中の人権団体から「超法規的殺人」「人権侵害」と批判を浴びていますが、彼はまったく動じることなく、フィリピン国内では現在も疑わしき人物の殺害が続いています。
 
特に目立っているのが、前国家警察長官や警察幹部、各津法の市長や町長、法務関係者などの殺害事件です。
 
彼らはどうやら、ドゥテルテ大統領が持つ”麻薬容疑者リスト”なるものに名前が載っていたそう。
 
 

■国家警察の汚職

フィリピンでは警察による汚職事件が数多く発生しており、その多くが麻薬と関連しているようです。
 
本人が麻薬を使用しているケースもありますし、売買取引に関わっている場合もあります。
 
現在汚職警察官としてマークされている人物は350人ほどいるらしく、早期退職を勧告されています。
 
彼らは麻薬犯罪容疑者リストに名前があり、実際に罪が判明して逮捕されると警察の名誉を汚すことになるため、早期退職を促されているということです。
 
しかし、早期退職したからといって麻薬捜査から逃れられるわけではない、と国家警察長官は語っています。
 
懲戒処分、降格処分、罰金処分を含めて、ドゥテルテ政権が始まった2017年7月〜2020年9月までの間に、フィリピン国家警察は9,172人処罰されており、国家警察の悪いイメージを払拭させようと必死です。
 
2019年10月には、違法薬物の横流しに関与した警察官をかばったとして、前国家警察長官が辞任に追い込まれました。
 
 

■法務当局の汚職

警察だけでなく、法務当局の人間も麻薬犯罪に関わっていることが分かっています。
 
法務省矯正局のフレデリック・アンソニー・サントス氏は2月19日、娘が通う学校の前で駐車していたところ、正体不明の男2人から頭部に銃弾を受けて死亡しました。
 
サントス氏は、中国人麻薬密売人との深い関係を指摘されていた人物だったそう。
 
また、2019年9月には、刑務局長のニカイル・フェルドン氏が上院の査問委員会に呼ばれました。
 
この人物は、フィリピンで服役しているアントニオ・サンチェス(1990年代に婦女暴行や殺人罪で禁固刑を受けた凶悪犯罪者)の釈放命令書にサインしていたのです。
 
これに対しドゥテルテ大統領は激怒し、サントス氏を解任。
 
また、サントス氏が釈放したとみられる麻薬犯罪関連服役囚2,000人を再逮捕するように命じました。
 
法務省刑事局という、刑事法制や犯罪人の引き渡しなどを担当する部署の人間が犯罪者だった、という事実は、フィリピン国家がどれだけ汚職にまみれているかを如実に示していると言えるでしょう。
 
 

■次々と殺害される地方政府幹部

その他、以下の地方政府幹部が相次いで殺害されています。
 
■2016年11月、ローランド・エスピノザ市長
麻薬犯罪容疑者リストに自分の名前が載っていたことを知り、出頭して収監されていたものの、刑務官に突然発砲し、その場で射殺されました。
 
■2019年10月、ダビット・ナパロ町長
セブ州で検事局へ護送されている最中に、ワゴン車で近づいてきた正体不明の男たちに射殺されました。
彼も麻薬犯罪容疑者リストに名前があったとのこと。
 
■2020年2月、アブドゥルワハブ・サバル町長
マラテのホテルで正体不明の人物に射殺されました。
麻薬犯罪に関与していた疑いで、リストに載っていました。
 
このように、麻薬犯罪容疑者リストに名前のある人物を中心に、2016年〜2020年の4年間で殺害された地方公共団体の人物は22人に上ります。
 
彼らが誰に殺されているのかは明らかになっていません。
 
しかし、少しでも麻薬犯罪に関われば命の危険があることを、国民全体に見せつけているようにも感じられます。
 
 

■麻薬捜査をしていた警察官も麻薬犯罪者に?

さらに、ドゥテルテ大統領の側近として様々な功績をあげていたとされる、エスペニド警視補も、麻薬犯罪に関連していたという事実が浮上。
 
ドゥテルテ大統領は「真実ではないだろう」と発言していますが、他の容疑者と同様に捜査は行われているそうです。
 
この他、麻薬捜査の指揮官をしていたアルバヤルデ前長官も、押収した麻薬の横流し問題への関与疑惑が浮上し、2019年10月に辞任しました。
 
もはやドゥテルテ大統領も、誰を信じれば良いのか分からなくなりそうですが・・・
 
彼は断固として、たとえ身内だろうと麻薬犯罪に手を染めれば容赦はしない、という姿勢で麻薬戦争に臨んでいます。
 
 

■高い支持を得続けるドゥテルテ大統領

麻薬戦争では捜査という名目で、犯罪者だけではなく、その証人になりそうな人物までも、数多く殺されています。
 
そのため、フィリピン警察によれば、これまでに殺害された人数は6,000人にも上るとのこと。
 
人権団体は、2、3万人とも見積もっています。
 
しかしドゥテルテ大統領はあくまでも、「抵抗した者は殺して良い」と言っているだけで、誰彼かまわずに殺害していいとは言っていません。
 
国民はそんなドゥテルテ大統領を信頼しているようで、フィリピン国内における彼の支持率は依然として高く、80%近くを保っています。
 
それだけ、フィリピンでは汚職の払拭と麻薬の撲滅が必要だと考えている人が多いことを示しているのかもしれません。
 
この国では長年、幹部の人間による汚職で人々が苦しんできました。
 
事実、ドゥテルテ大統領が麻薬撲滅キャンペーンを始めてから、「街から犯罪が減り、平和になってきている」と語る市民もいます。
 
また、警察や法務省の人間の汚職という、これまでは見て見ぬ振りをしてきた問題に真っ向から立ち向かう姿勢が、国民の信頼を得ているようです。
 
誰であろうと、ほんの少しでも麻薬に手を出せば命はない・・・こういった恐怖による人々のコントロールの仕方は、かつてダバオを統制した時と似ています。
 
多少荒々しくも、確実に大きな結果を出すためには手段を選ばないドゥテルテ大統領。
 
公務員に深く根付いている汚職を根っこから清浄し、麻薬犯罪が撲滅されれば、フィリピンはますます成長していくことでしょう。