フィリピンのオカマ、LGBT事情
オカマって東南アジアに多いイメージですよね。
オープンにしていても批判されないおかげかもしれませんが、フィリピンにもオカマがすごく多いです。
街を歩けば毎日どこかで必ず遭遇するレベルです。
タイにも多いイメージがありますが、実はフィリピンの方が多いのだとか・・。
一説によれば、兄弟のうち誰か1人はLGBTになるくらいの比率だそうです。
デパートの化粧品売り場でも、綺麗にメイクアップしたオカマがたくさん働いています。
今回はそんな、フィリピンのオカマ事情について見ていきましょう♪
■フィリピンのオカマのタイプ
オカマと一言にいっても、いろんなタイプがいますよね。
・見た目も服装も男なのに、恋愛対象が男
・女装していて女っぽい見た目だけど、性転換手術は受けていない
・性転換手術を受けて、体も心も女になった元男
などなど・・・
この他にも、見た目は男だけど仕草と言葉使いは女性、女装しているけどヒゲも剃らない汚い系のオカマ、女装している元男だけど男も女も恋愛対象・・など、いわゆるLGBTの種類はものすごくたくさんあるので、簡単に分けることはできません。
バイセクシャルや、自分の性別を定義したくない、という人もいますよね。
LGBTと呼ばれる現代のジェンダーは、本当に多種多様です。
なお、LGBTとは以下の言葉の頭文字をとったもの。
■L=Lesbian(レズビアン)
■G=Gay(ゲイ)
■B=Bisexual(バイセクシャル)
■T=Transgender(トランスジェンダー)
Facebookでは、自分のプロフィール登録の際に、なんとジェンダーが58種類から選べるのだとか(ちなみにFacebookはフィリピンで最も人気のSNS)。
ただ、フィリピンで最もよく見かけるオカマは、「女装していて女っぽい見た目だけど、性転換手術は受けていない」というタイプ。
いわゆる「レディボーイ」というやつですね。
恋愛対象は男です。
タイも同様にこのタイプが多いです。
■LGBTに寛容な社会
フィリピンにいると本当にオカマが多いと感じますが、それはおそらくフィリピン社会において彼らがそれほど特別視されていないからでしょう。
実は日本でもLGBTは20人に1人の割合でいると言われていますが、やはり”世間の目”が気になるためか、あまりおおっぴらにしている人はいません。
しかしフィリピンでは、特に恥ずかしいことでも隠すべき事実でもないようで、カミングアウトのハードルがかなり低くなっています。
同性同士でも堂々と手を繋いで歩いていますし、街中のあらゆるお店でオカマらしき人々が働いています。
一般企業の従業員にもいますし、オカマであることによって社会的に不利になったり就職に影響したりすることはないのです。
オカマを理由に差別されることは、フィリピンではありません。
ただ、子供がLGBTであることを親が認めないという事例はフィリピンでもあるようです。
■キリスト教だけど大丈夫なの?
フィリピンは東南アジア唯一のキリスト教国。
国民の80%がカトリック教徒で、みんな敬虔な信者です。
聖書では同性愛は禁止されており、国民の中には「エイズは同性愛に対する神からの処罰」だと考えている人も多いようです。
しかし、キリスト教に関して厳しい部分と緩い部分を併せ持つフィリピン社会では、宗教を理由にLGBTが罰せられるようなことはありません。
同性が好きなんだからしょうがない!と言ったところでしょう。
また、時代の流れとともに、寛容になってきているようです。
■美意識が高いオカマ
オカマは美容に気を使う人が多く、彼らは女子と同じように化粧やヘアスタイルなどのおしゃれを楽しんでいます。
その美意識の高さは日本の女子以上で、肌も綺麗にケアし、しっかりメイクをし、髪やネイルを整えるのはもちろん、歩き方や指先の動かし方まで女性らしく仕上がっています。
ただ、化粧は全体的に濃すぎな傾向があり、彼(彼女)らから見れば、日本人女性のメイクは薄すぎるようで、すっぴんに見えているみたいです。
使っているメイク品の数も日本人女子より多く、いつも美しく見せることを徹底的に意識しています。
同じようなメイクが日本でウケるとは思い難いですが、彼らの立ち振る舞いや仕草などは本当にしなやかで、女性らしさを上げるには参考になるかもしれません。
■フィリピンオカマのカリスマ「バイス・ガンダ」
日本にもマツコ・デラックスのような人気のオカマはいますが、フィリピンではバイス・ガンダ(Vice Ganda)というオカマのコメディアンがカリスマ的人気です。
東洋一のスラム街と言われるマニラのトンド出身のバイス・ガンダは、自分がオカマであることを売りにし、映画やバラエティに出演しているほか、歌も歌っています。
現在はABS-CBNテレビの看板スターで、フィリピンでは知らない人はいません。
また、その奇抜なファッションやメイクが話題を呼び、最近では自身のブランドの化粧品もプロデュースしているのだとか。
見た目もトークも面白いとあって、男女問わずフィリピンでは圧倒的に支持されているセレブの1人です。
■フィリピンのオカマは優しくて面白い!
そんな「レディボーイ」が社会で活躍しているフィリピン。
出会うオカマは高確率でとても優しく、一緒にいて安心します。
親身になって人の話を聞いてくれますし、男と女両方の気持ちが分かるからか、適切なアドバイスをくれることも。
コミュニケーションをとるのが上手で、会話していても飽きさせません。
また、ユーモアのセンスもあり、いつもいろんなジョークを言って人を笑わせようとします。
男でも女でも、フィリピンのオカマと一緒にいれば楽しい時間が過ごせるでしょう。
■フィリピンのオカマはエンターテイナー
フィリピンのオカマは、エンターテイナーでもあります。
一般的にフィリピン人は歌やダンスが上手いですが、なぜかオカマはさらに上手いのです。
バイス・ガンダも何曲も歌をリリースしていますが、オカマたちの歌唱力は圧巻です。
ゲイバーなどに飲みに行った際には、ぜひカラオケで彼らの歌を聴いてみてください。
プロかと間違えてしまうほどで、聞き入ってしまいます。
また、暇さえあれば所構わず踊るのも大好きで、見ているだけで何だか愉快な気持ちになってしまいます。
■オカマをナンパしないよう注意!
優しくて面白くてエンターテイナーなフィリピンのオカマですが、自分が本気で恋愛対象に選ばれてしまうと結構大変です。
オカマたちが好きなのは、男性。
もしあなたが男性なら、狙われる可能性はいつだってあります。
特に夜の繁華街では、暗くてよく見えないうちにオカマをナンパしてしまうこともあるかもしれません。
女性よりも美意識の高いオカマはたくさんいるので、慣れない日本人は見分けがつかない時もあるんです。
最悪の場合、ベッドまで行ってしまって初めて発覚する・・なんていうストーリーもあります。
しかも、オカマといっても身体能力は男性なので、普通に力が強いです。
逃げられない状況になると思うと、ちょっと怖いですよね。
もちろんあなたも同じ分類ならば問題ないですが・・・
普通に女の子が好き、という通常の男性は、オカマにつかまらないように注意です。
■オカマ、LGBTのいる多様性豊かなフィリピン
フィリピンに限ったことではないかもしれませんが、このように性別の枠を超えた様々な人種にいる社会を目の当たりにすると、性別って一体何なのかと不思議な感覚になります。
男も女も、みんな人間で、みんな愛し合って良いじゃないか、と思いますね。
フィリピンはそういった意味で、日本よりずっと進んでいる国です。
フィリピンに滞在する際は、ぜひオカマの人たちとも絡んでみてください。
ノリが良く楽しい時間を過ごせますし、人間の多様性など新しい視点で物事が見られるようになるかもしれません。