タール火山噴火から1週間、現在の状況は?
1月12日にフィリピンの首都マニラ南方にあるタール火山が噴火してから、今日で1週間が経ちました。
噴煙は少しずつ弱まってきているようですが、現在も避難生活を送っている人々は15万人に及ぶと言われています。
■避難民の生活と治安
避難指示が出されているのは、火口から半径14キロ以内の住民すべてです。
避難所には食料などの支援物資が無事届いているということですが、避難民たちはいつ元の場所に戻れるのか目処が立っていないため、不安な毎日を送っています。
幸いなことに死者は出ていませんが、火山のすぐ近くに住んでいた人々の家は、どこも火山灰に埋まってしまいました。
また、避難している人々の家に泥棒が入ることもあるようで、家財道具が盗まれないよう自宅に残っている住民もいるそうです。
ただ、再び大きな噴火が起こる可能性もあるため、引き続き警戒が必要です。
■衛生面の不安
避難生活では食料などの生活に必要な物資を届けるのはもちろん、衛生面の管理も重要になります。
トイレやゴミ処理など、狭い避難所では管理が難しい面もあり、あまり避難生活が長引くと病気が蔓延したりする可能性もあるのです。
しかし、たとえ噴火がおさまったとしても、家を失った人々は行くところもありません。
早急な対処が求められています。
■農作物への被害
火山灰が大量に農地に降り注いだため、火山のあるバタンガス州やその周辺では、コメやトウモロコシなどが被害に遭い、60億円もの損失が出ているとのこと。
また、周辺のパイナップル農園も被害にあっており、人々は果実に付着した灰を洗い流す作業に終われたということです。
■警戒レベルは以前のまま
現在噴煙の高さは800メートル程度となっており、当初の勢いは弱まりつつあります。
しかし、依然として火山性地震が続いており、警戒レベルは今も5段階中4(上から2番目)のままとなっています。
いつ再び噴火するか分からない状況とのことなので、まだまだ安心はできません。
マニラ近郊にお住まいの方々は、こまめに最新情報をチェックして、安全を確保してください。