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フィリピンからジプニーは無くなるのか?


フィリピンでの移動手段といえば、日本人にはタクシーが主流となっていますが、地元のフィリピン人が日々利用しているのは「ジプニー」です。
 
ジプニーとは、戦後にアメリカ軍が残していったジープを乗合バスのように改造したもので、インフラがまだ不整備なフィリピンの街では重要な交通手段として人々に愛されています。
 
 

■ジプニーによる大気汚染

しかしながら、ジプニーは近年フィリピンにおける大気汚染の元凶として批判の対象ともなっています。
 
古い車を改造しており、20〜30年も経っている車体も少なくない上、中古ディーゼルエンジンを使用しているため、ものすごい量の排気ガスが排出されているのです。
 
その真っ黒な煙は、見るからに環境にも人体にも悪影響があることが分かります。
 
実際、マニラの街を歩けば1日で身体中すすを浴びたように汚れているので、びっくりするくらいです。
 
このことから、マニラ首都圏では20年以上も前からジプニー廃止が検討されてきています。
 
 

■ジプニーによる交通渋滞

フィリピンの首都マニラは、世界でも最悪レベルの交通渋滞が問題視されています。
 
そして、その渋滞を生んでいる大きな要因の1つには、ジプニーの存在もあるとされています。
 
特に決まった停留所がないジプニーは、乗客の都合に合わせてどこにでも好きなところに停車してくれるのですが、そのために急停止や急発進が度々行われているのです。
 
当然、後続車は何度も停車を強いられることになり、これが長距離に渡る渋滞を作り出してしまっています。
 
ジプニーが廃止されれば、車はもっとスムーズに流れるようになり、マニラ首都圏の交通渋滞は大幅に緩和されることでしょう。
 
 

■ジプニー廃止案に抵抗する労働者たち

しかし、ジプニーの運転手はみんな、それを生業にして細々と生活している貧困層が主です。
 
ジプニーにはそれぞれオーナーがいて、運転手はそのオーナーから1日500ペソ(約1,000円)で車両を借り、乗客からもらうお金で稼いでいます。
 
ジプニーが廃止されれば、運転手はもちろん、オーナーも収入がなくなってしまうのです。
 
そのため、政府のジプニー廃止案に対しては、反対の声が根強くなっています。
 
マニラ首都圏で最も大きな通りである「エドサ通り」では、ジプニー関連の労働者たちによる大規模なデモが行われたこともありました。
 
事実、ジプニーに関わる労働者はマニラ首都圏だけでも数十万人いると言われており、彼らの生活を保障する手立てを政府は持っていません。
 
また、ジプニーに乗る乗客からも、ジプニー廃止に関しては反対されています。
 
タクシーや電車よりも安い8ペソ(約20円)で利用できる交通機関など、他にないからです。
 
現在のフィリピンからジプニーがなくなると、多方面に多大な影響が出ることから、結局これまで通り稼働しているのが今の状況です。
 
 

■ジプニーの近代化?

ジプニーにおける最大の問題である大気汚染を早急に解決すべく、フィリピン政府はジプニーの近代化を図りました。
 
20年も30年も経った古い車両はスクラップし、排出ガスの少ない近代的なモデルへ移行しようという話です。
 
日本の企業も「電動ジプニー」を開発して販売を促進するなど、フィリピン政府の取り組みをサポートしようとしています。
 
しかし、これも簡単にはいかず、実現には至っていません。
 
近代化されたジプニーは、価格的にも高すぎますし、充電するための設備も用意できませんし、整備できる人材もいないのです。
 
 

■古いジプニーはスクラップする案

去年フィリピン政府は、15年以上経った古いジプニーはスクラップする、という方針も打ち出しました。
 
スクラップに協力したオーナーは政府系銀行から融資を受けて新しい車を手に入れることができる、という条件付きで、2020年までに17万台の古いジープニーをスクラップ化したい考えです。
 
しかし、実際にはこの案もあまり現実的ではないとされています。
 
新しいジープニーは160万〜180万ペソ(約320万〜360万円)ほどするので、いくら融資されるとは言っても、フィリピン人の労働者階級の人が簡単に買えるものではないでしょう。
 
また、ほとんどのフィリピン人は、壊れてもいないまだ乗れる車を廃車にして新車を買う、という考えは持っていません。
 
そんな贅沢ができるのは一握りの富裕層だけなのです。
 
古いジープニーは、マニラ首都圏での役目を終えると田舎や郊外の街へ流れていき、そこで延々と使用されます。
 
そのため、フィリピンでは田舎へ行くほど古い車両が走っており、大気汚染の進み方も早まってしまっているのです。
 
ただ、住民は大気汚染が問題であることは知っていても、自分たちの生活の方が大事に決まっています。
 
安くて便利なジプニーなしでは生活が成り立たない人たちが大勢いるのが現状です。
 
 

■数年後には無くなっているかも?

結局、ジープニーを廃止しても継続しても、何かしらのネガティブな影響が出てしまうため、フィリピン政府は頭を抱えている状態です。
 
やはり現在進められている鉄道などのインフラ整備が、根本的な解決策につながるのではないかと思います。
 
電車の利便性が高まれば、車に頼らなくても生活できますし、そうすれば自ずと渋滞もなくなっていきます。
 
数年後には、もう本当にジプニー走っていないかもしれません。
 
オーナーが自分のセンスで思い思いにデコレーションした派手なトラックが見られなくなると思うと、フィリピン文化の一部が失われるような気もして少し寂しいですが、劣悪な交通渋滞が解消されクリーンな環境へ生まれ変わるとなると、きっと住民も納得せざるを得ないでしょう。