フィリピンで売れている日本製のバイク
フィリピンは他の東南アジアの新興国と比べてバイクよりも車が多い社会ですが、近年はバイクの売り上げも急増しているそうです。
普通は二輪車が浸透してから四輪車に移っていくそうですが、フィリピンは珍しいケースで車が先に浸透しました。
しかしマニラもセブも渋滞がひどいため車は走りにくく、バイクへ乗り換える人が増えています。
■人気の日本製バイク
フィリピンだけではないですが、ダントツ人気なのはやっぱり日本製のバイク。
現地ではホンダやヤマハのバイクをそこらじゅうで見かけます。
日本のメーカーが人気な理由として、
・丈夫で壊れにくい
・性能が良い
・デザインが良い
などがあるそう。
逆に中国や台湾のバイクは、安価ではあるものの、壊れやすく耐久性に欠けるため、敬遠される傾向にあるといいます。
■ヤマハ
実際ヤマハのバイクの販売台数は、2018年に226万台となっており、前年比14%にもなりました。
初心者でも乗りやすい仕様になっているため、若者が多く購入しています。
このターゲットのニーズに応えるため、ヤマハでは現在運転が簡単にできるAT車の種類を増やし、色もオレンジなどビビッドでフィリピン人の好きそうなものを揃えていると言います。
カラーバリエーションを豊富にしたことで、女性のライダーにも好まれているのだそう。
■ホンダ
バイクの王様といえばホンダで、世界では年間約2,000万台もの二輪車を販売しています。
フィリピンでもスクーターなどが売れており、シェアNo.1です。
ヤマハを常に上回っています。
やはり運転の簡単なAT車を中心に製造しており、悪路の多いフィリピンに合わせてオフロード用のバイクも販売し、2018年には59万台売れるなど、大人気となっています。
■渋滞をくぐり抜けるバイク
渋滞のひどいフィリピンでは、タクシーやバスなどで通勤すると、ものすごく時間がかかります。
渋滞が生み出している経済的損失は1日50億円とも言われているくらいです。
そんな中、バイクは車の間をすり抜けて進むことができるため、時間の短縮に大いに貢献します。
マニラ近郊に住むフィリピン人によれば、バスを乗り継いで通勤していた時と比べ、バイクにしてから45分も短くなったそう。
また、交通費も1日100ペソ(約200円)節約できたと喜んでいます。
フィリピン人にとって100ペソというと、日本人の感覚で1,000円近くなります。
1日1,000円もセーブできるのはかなり大きいですよね!
■フィリピン人のバイクの購入方法
フィリピン人の平均日給は1日800円〜1,000円程度と言われています。
日本製のバイクは安くても15万円はしますので、容易に買える値段ではありません。
ではフィリピン人はどうやってバイクを購入しているのでしょうか。
当然ながら、現金一括で買っている人などほとんどいません。
みんなローンを組んでいます。
もちろん金利がつくので総支払額は高くなりますが、彼らはそんなこと気にしません。
毎月いくら払えば良いのかが分かり、それが払えるとなれば、別に合計いくらになるかはあまり問題じゃないのです。
借金をしてでも欲しいものはすぐに手に入れようとするのが、フィリピン人スタイル。
実はバイクだけでなく車も同じ方法で買っている人がほとんどで、途中で支払いできなくなり手放す人も少なくありません。
■フィリピン人に人気の車種
フィリピンで売れているバイクの車種は、以下のようになっています(販売台数は2016年の統計)。
■ホンダ KRMシリーズ 157,245台
■ホンダ TMX125 α 135,072台
■ヤマハ ミオ・I125 88,996台
■ヤマハ ミオ・スポーティー115 79,845台
この他にも、カワサキやスズキの車種が人気となっています。
ちなみに現地のホンダはHonda Philippines, Inc.という会社で、日本のホンダとは別会社です。
ですので厳密に言えば日本製ではなく東南アジアのどこかにあるホンダの工場で造られたもの、ということになります。
その分、価格もフィリピン向けに抑えられているというわけです。
■日本人も運転できる
フィリピンに長期滞在や移住している日本人には、現地でバイクを購入して乗っている人もたくさんいます。
地域によってはバイクなしではどこへ行くにも遅刻してしまうため、通勤に使っている人も多いです。
ただ、交通ルールやマナーは日本と異なる部分もあるので、くれぐれも気をつけて運転しなければいけません。
また、中古車はコンディションがあまり良くないので、買うとしたら正規ディーラーで新品を買いましょう。
おすすめは、やはり渋滞をすり抜けることに長けている小型の車種です。
そしてちょっと意味不明なのが、フィリピンでは新車バイクを買ってから登録までに1ヶ月〜5ヶ月程度かかり、その間乗れません(笑)
支払いを済ませているのになかなか乗れないのでイライラしてしまうかもしれませんが、そこは待つしかないのです。
ですので、数年単位の長期で乗らないのであれば買わない方が良いですね。
なお、フィリピンでバイクを運転するには現地の免許もしくは国際免許が必要になります。
国際免許は日本でも取れますが有効期限は1年間、フィリピン現地の免許を取得すれば4年間乗れるようになります。
どちらも書類の申請だけで取得可能です。