日本を訪れるフィリピン人観光客事情
毎年日本には多くの外国人観光客がやって来ています。
確かに街を歩けば外国人を見かけない日は無いくらいです。
2019年の累計訪日外国人数は1月〜9月までの間で約2,400万人となっており、年々増えている傾向にあります。
国別では、
1位:中国 81万人
2位:台湾 37万6千人
3位:香港 15万6千人
となっており、アジア圏が中心。
東南アジアの人々の訪問も増えており、タイ、シンガポール、マレーシアに続き、フィリピンからは37,800人が日本を訪れています。
■桜を観に来るフィリピン人
特にフィリピン人の訪問数が増えるのは4月となっており、桜を観に来る人が多いと思われます。
常夏の国から来る観光客は全体として冬に日本を訪れる傾向が強いそうですが、フィリピン人は例外のようです。
逆に最も訪問者数が減るのは8月。
暑い国からわざわざ暑いシーズンの日本へは来ないのかもしれませんね。
■日本でショッピングを楽しむフィリピン人
フィリピン人の訪問による年間のインバウンド消費額も年々上昇傾向にあり、2018年には614億円に達しました。
2014年194億円からは3倍以上に増えていることになります。
また、一人当たりだと121,921円となっており、何にお金を使っているかというと・・
1位:買い物 32.48%
2位:宿泊費 25.79%
3位:飲食代 24.67%
4位:交通費 11.86%
5位:娯楽・サービス費など 4.98%
フィリピン人が日本旅行で最もお金を使っているのは、ズバリ買い物です!
一人当たり1回の訪問で39,596円消費しています。
■何を買っているのか?
日本滞在で買い物に最もお金を使っているフィリピン人。
一体何を買っているのでしょうか?
品目別に見ると以下のようになっています。
1位:お菓子 58.3%
2位:衣類 43.2%
3位:飲料、たばこ、その他食品 42.0%
4位:カバン、靴 40.3%
5位:化粧品、香水 28.0%
6位:時計、カメラ 8.5%
7位:その他 8.1%
8位:お酒 8.0%
さすが、食べるの大好き&甘いもの大好きフィリピン人!といったところでしょうか。
お菓子に最もお金をかけており、一人当たり平均7,911円使っているそうです。
ちなみにフィリピン人が好きな日本のお菓子ナンバー1はチョコレート。
明治やグリコのアーモンドチョコなんかが大人気です。
■日本人よりもお土産文化が強い!「パサルボン」
フィリピンには「パサルボン(Pasalubong)」という言葉(タガログ語)があります。
日本語で「お土産」という意味です。
実はフィリピン人のお土産文化は日本人以上に強く、旅行ではものすごく重要視されているんです。
家族や友人はもちろん、同僚や近所の人にまで、お土産をとにかくたっくさん買います。
下手をすると、お土産代だけで旅費と同じくらいになることもあるんだとか・・。
なので、旅行に行くと周りに言えば、お土産を買わないわけにはいかず、お土産代が出せないのを理由に旅を諦める人もいるくらいだそう。
■訪日者数も女性が圧倒的なフィリピン人
フィリピンでは女性の社会進出が進んでおり、結婚・出産後もバリバリ働いている女性がたくさんいますが、日本に旅行に来ているのも女性の方が多くなっています。
訪日客全体では女性比率49%なのに対し、フィリピンは55.4%と圧倒的です。
お菓子や飲食だけでなく、化粧品や服にお金をかけている人が多いのも納得ですね。
日本におけるフィリピン人を相手にするビジネスでは、女性をターゲットにすることでより効果が上がるかもしれません。
なお、年齢層では男性20〜29歳、女性30〜39歳が最も多くなっています。
■平均滞在日数が長いフィリピン人
訪日フィリピン人のもう1つの特徴として、平均滞在日数が長い、というのもあります。
全国籍を対象にしたデータの場合、2018年の訪日者の平均滞在日数は9泊。
これに対しフィリピン人の平均滞在日数は、なんと24.6泊!!
1位はベトナムの38泊となっており、フィリピンは2位にランクインしています。
20泊以上の平均日数となっているのはこの2カ国だけだということです。
■経済発展が進むフィリピン
社会格差が問題となっているフィリピンですが、日本への訪問者数や消費の大きさ、宿泊日数などを見れば、確実に経済は豊かになってきているように感じます。
フィリピン人の持つ英語力の高さが、国の発展へ繋がっていることは確かです。
逆に高い日本語能力を持つ人は、他のアジア圏に比べて少ないという特徴もあります。
私たち日本人がもっと高い英語力で迎えることができるようになれば、インバウンドによる経済効果は高まるのではないでしょうか。