電子たばこも禁止!フィリピンで広がる喫煙規制
フィリピンでは喫煙規制が進んでいますが、ドゥテルテ大統領は19日のテレビ演説で、「電子たばこ」についても輸入と公共の場での使用を禁止すると表明しました。
フィリピン保健省によれば、フィリピンに住む10代の若者が肺障害と診断され、その若者が電子たばこを半年間使用し、喫煙もしていたとのこと。
この報告を受けてドゥテルテ大統領は「公共の場で吸引している人を逮捕するよう方執行当局に命じる」と言明しました。
■電子たばこの成分としくみ
電子たばこはもともと1960年代にアメリカで考案され、過去10年ほどの間に急速に世界に広まりました。
しかし、現在使用されているものは2000年代初めに中国の薬剤師ホン・リク氏によって発明されたものです。
電子たばこは、液体を電気的に加熱して、発生する蒸気を吸います。
その液体には、ニコチンのほか、煙を出すためのプロピレングリコール、植物性グリセリン、そしてテトラヒドロカンナビノールという精神活性物質などが含まれているのだそう。
普通のたばこに入っていて有害だとされているタールや一酸化炭素などの有害物質は含まれていないため、2003年〜2005年の間に特許も取得され、人気を集めています。
■電子たばこも有害?
イギリスの保健当局の調査によれば、電子たばこは従来のたばこと比べて害が95%少ないと推計されています。
しかし、世界保健機関(WHO)は今年7月、「間違いなく有害」と言明し、規制するよう呼びかけました。
そして実際にアメリカでは、電子たばこの使用によって死亡したと見られる人は39人、肺疾患患者は2,000人も出ています。
アメリカの疾病対策センターによれば、電子たばこに含まれる「ビタミンEアセテート(酢酸エステル)」という化学物質が原因なのだそう。
ビタミンEアセテートは経口で体内に摂取したり皮膚に塗ったりする分には害はほとんどないそうですが、電子たばこによってエアロゾル化され、呼吸器に吸い込まれた際に悪影響が出る疑いがあるのだと言います。
日本で売られている普通のたばこにも含まれている成分です。
■若者を中心にマーケットが拡大
電子たばこは、その芳香で甘いフレーバーから、若者の使用者が劇的に増えています。
世界的に喫煙規制が進んでいるにも関わらず、電子たばこが原因で若者の喫煙が常習化してしまっているのです。
実際フィリピンでも、10代と思われる若年層の喫煙が目立ちます(※フィリピンでは18歳以下は喫煙できません)。
シェアNo,1であるアメリカでも、電子たばこが原因の肺疾患患者や死者の大半が若者が占めているとのこと。
■電子たばこを禁止している国
すでに電子たばこを禁止している国もいくつかあります。
タイ、ブラジル、シンガポール、米国マサチューセッツ州、カリフォルニア州サンフランシスコ、ニューヨーク州、ミシガン州です。
そして今年9月にインドも輸入・販売・製造・広告を禁止しました。
ここにきて、フィリピンも加わることになります。
■喫煙はルールを守って!
通常のたばこと比べれば圧倒的に害は少ないものの、電子たばこも有害であることには変わりません。
フィリピンではすでにたばこが吸える場所はほとんどありませんが、今後は電子たばこの吸引も見つかると捕まりますのでくれぐれも気をつけてください。
ホテルでもショッピングモールでも空港でも、吸えるのはほんの一部のエリアだけです。
違法に喫煙すると罰金もしくは最大4ヶ月の懲役が科されます。
特に外国人である私たち日本人が捕まれば絶対に言い逃れできません。