フィリピン人の正月と旧正月の過ごし方
フィリピンでは今クリスマスシーズン真っ盛りで盛り上がっていますが、日本人にとってはクリスマスよりもお正月の方が大事、という人も多いのでは?
フィリピンでも、クリスマスほどではありませんが、お正月を祝います。
しかも、年に2回!
■旧正月を祝うフィリピン
フィリピンでは、日本と同じように1月1日のお正月も祝いますが、旧正月もまたお祝いしています。
旧正月とは、読んで字のごとく、旧暦のお正月。
1月1日よりも重要な日として扱われています。
中国や韓国、シンガポール、ベトナム、モンゴル、台湾、香港、インドネシア、ミャンマーなどのアジア圏では旧暦のお正月を祝う国が多く、華僑の多いフィリピンもその1つとなっています。
実は日本も明治初期までは旧暦のお正月を祝っており、現在も沖縄の奄美地方ではその風習があるそう。
■2020年の旧正月
来年2020年の旧正月は、1月25日です。
この日はフィリピンでは祝日となり、学校も会社もお休みです。
みんな「Happy Chinese Lunar Year!」と言ってお祝いします。
地域によってはパレードが行われることも。
逆に年末年始はそれほど重要視していないので、休みなのは1月1日だけです。
12月31日の大晦日も普通にショッピングモールは営業しており、1月2日からまたオープンします。
会社も三が日のお休みというのはありません。
ただし、カウントダウン時には花火があがり、街中では人々が爆竹を鳴らしまくるという、非常にうるさい年明けとなります(笑)
■旧正月のフィリピンの様子
フィリピンはスペインやアメリカに統治されていた時代があるため、どこか西洋のイメージを持っている人も多いかもしれませんが、実は中国っぽさが色濃い国でもあります。
フィリピンの大富豪や財閥はほとんど中国人であり、中国人がこの国を牛耳っているといっても過言ではないのです。
中国の文化である旧正月の時期にはさらにその中国色が強まり、街中には中国菓子がたくさん売られ、縁起が良いとされる赤色のもの、そして丸いものや丸い果物が並びます。
ホテルもショッピングモールも、ザ・旧正月!!という雰囲気一色に。
また、干支でその年の運勢を占ったりもしますし、おみくじなんかもあります。
フィリピン人には占いや迷信好きな人が多く、ラッキーカラーやラッキーナンバーなんかを知るのも大好きです。
■フィリピンの正月料理
日本ではお正月に餅を食べるのが昔からの風習となっていますが、フィリピンにも似たような食文化があります。
■スマン
フィリピンのちまきです。
ココナッツミルクで炊いたご飯をバナナの葉っぱで巻いたものとなっています。
甘いのかな?と思ったら意外と塩味で、甘いココナッツジャムをつけて食べるという、甘いのかしょっぱいのかよく分からない食べ物です(笑)
ただ、お米はモチモチしていて美味しいです。
■ピコ
茹でた餅米に砂糖やココナッツミルクをまぶして食べるデザートのような料理。
スマンと似ていますね。
フィリピンでは「運がつく」という意味で、手にくっつく餅米を食べるのだそうです。
■レチョン
お正月だけではなくあらゆる祝い事で登場する豚の丸焼き「レチョン」。
定番の美味しさで、欠かせない料理の1つとなっています。
もちろん、大盛りのご飯とともにいただきます。
■大家族が集まるフィリピンのお正月
日本でも年末年始は実家へ帰って家族と過ごすのが一般的ですよね。
フィリピンでもそれは同じなのですが、家族の数が半端じゃありません。
両親と子供はもちろん、祖父、祖母、従兄弟、はとこ、叔父、叔母、さらにその兄弟・・と、すごい数の親族が一堂に会し、みんなで正月料理を食べて過ごします。
家族を何よりも大事にするフィリピン人にとって、このようにみんなが集まるお正月は重要な時間となります。
■とにかく騒音がすごい年末年始
上述したように、フィリピンでは年明けの際に花火を上げて爆竹を鳴らしまくります。
個人宅でも打ち上げ花火を上げるという文化があり(フィリピンでは許可が要らないらしい・・)、近くを通った人がケガをする事例も多くなっています。
現在はドゥテルテ大統領によって花火に関しては規制が入っており、事故件数は減ってきてはいますが、依然として注意が必要です。
また、保健省が危険な爆竹の代わりに「トロトット」という紙で出来たラッパを吹くようにキャンペーンを行なったところ、見事に広まりました。
ただの音なのでケガの危険はなくなりましたが、トロトットもまたすごい大音量で、子供達がこぞって吹きまくります。
悪霊を追い払うという意味を込めて夢中で吹くのですが、集団で吹くのでひどい騒音なのです。
そのレベルは、隣にいる人と会話も出来なくなるほどです・・。
加えて、年末年始に関しては治安が悪くなる傾向があるので、あまり人が騒ぎすぎているところへ近くのは避けた方が良いかもしれません。
■フィリピンで旧正月を体験してみよう!
いかがでしたか?
日本とはちょっと違うフィリピンのお正月。
フィリピンにいながらにして、中国の文化が学べてなかなか面白いですよ!
もしこの時期にフィリピンに行く機会があるなら、旧正月をぜひ体験してみてください。