メトロマニラでオフィス賃料が値上がり、オンラインカジノの影響も
日々成長を続けるフィリピンには、世界各国の企業が参入し、オフィスを構えています。
特にマニラ首都圏のビジネス街ではオフィス物件の需要が高まっており、その賃料も値上がりしているとのこと。
アメリカの不動産サービス会社の調査によれば、マニラ首都圏の2019年7月〜9月のオフィスの1平方メートルあたりの賃料/月は、前年と比べて12.5%上昇したそうです。
■オフィス賃料が最も高いエリア1位はタギッグ市
マニラ首都圏の中で最もオフィス賃料が高いエリアは、ボニファシオ・グローバル・シティ(BGC)のあるタギッグ市。
隣にはビジネスの中枢となっているマカティ市があります。
BGCはタギッグ市の代名詞とも言える場所で、ここにはオフィスビルはもちろん、高級コンドミニアムやショッピングモール、美しく整備された公園、レストランやカフェ、バーなど何でもあります。
フィリピンの中でも治安がよく非常に街が綺麗なので、外国人に人気です。
物価こそ高いものの、やはり外資系企業には最も注目されている街でもあります。
BGCのオフィス賃料は1平方メートルあたり平均単価1,249ペソ/月。
■2位はフィリピンのウォール街・マカティ
マカティもまた、フィリピン屈指の先進的な発展を遂げている街です。
BGCからは車で10分ほどのところにあり、BGCほどの綺麗さはないものの、やはり高級ホテルやコンドミニアムが並んでおり、外国人が集まるエリアとなっています。
オフィス賃料は1平方メートルあたり1,235ペソ/月。
BGCと大差ありません。
日系企業のオフィスも数多く存在しています。
フィリピンでは富裕層が住むエリアの代表です。
■3位パラニャーケ市、4位パサイ市
3位のマニラ湾に接するパラニャーケ市には、「ソレイユ・リゾート&カジノ・マニラ」や「シティ・オブ・ドリームズ・マニラ」など、大型のカジノを併設したホテルがあります。
オフィス賃料は1平方メートルあたり1,050ペソ/月。
また、4位のパサイ市はマカティの南西に位置するエリアで、ニノイ・アキノ国際空港があります。
マニラ屈指の巨大カジノリゾート「オカダマニラ」があるのもパサイ市です。
パラニャーケ市もパサイ市も、カジノ産業の成長に伴って不動産価格が上昇しているようです。
■BPO産業とオンラインカジノ産業の成長
上記の都市でオフィス賃料が上がっているのは、オンラインカジノ業者のオフィス需要が高まったためです。
これまではBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)業界が最も多くオフィスを使っていましたが、現在はオンラインカジノ事業者の方が上回ったとのこと。
しかし、オンラインカジノに関しては不正就労を行う中国人が大量に摘発され、政府の規制も入りつつあり、今後もこの業界のオフィス需要が伸びるかどうかは定かではありません。
ドゥテルテ大統領は現在、マニラ首都圏内でのオンラインカジノ運営のライセンス新規発行を一時停止しています。
ただ、BPOや金融、製薬会社など、他のジャンルの企業に関しては、今後もオフィス需要が伸びると予想されています。
■不動産価格は今後も値上がりしていく
上記のタギッグ市、マカティ市、パラニャーケ市、パサイ市などのメトロマニラでは、今後も継続して賃料が上がっていくでしょう。
また、オフィスだけでなく住宅も同様で、コンドミニアムなど日本人向けの物件もどんどん値上がりしています。
フィリピン不動産への投資を考えているなら、価格が上がり切る前の今がチャンスです。