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フィリピンの「無国籍」日系2世が日本を訪問、陳情


フィリピンと日本の関係は今でこそ良好ですが、過去には太平洋戦争で犠牲になった人々が大勢います。

そして今も、フィリピンにはおよそ3,800人もの残留日本人がおり、そのうち1,000人無国籍の状態で住んでいます。

 

■なぜ無国籍なのか?

太平洋戦争が始まる前、フィリピンには多くの日本人が移り住みました。

日本の農業技術をフィリピンへ伝えながら、かつては2万人規模の日本人街も出来たほどです。

フィリピン人との混血の日本人もたくさん生まれました。

しかし太平洋戦争勃発と同時に、移住していた日本人も軍に招集されたり、フィリピンから日本へ帰国させられることに。

日本人の父親とフィリピン人の母親のハーフである子供たちは、フィリピンに取り残されました。

そして、戦争中の日本軍の虐待により反日感情を持つフィリピン人も増え始め、ハーフの子供たちは迫害の対象となっていきました。

そのため、彼らは半分日本人であることを隠すようになります。

戸籍も抹消し、名前もフィリピン風に変え、日本人のアイデンティティを完全に捨てて生きていくしかなくなったのです。

フィリピン人の母親たちも、自分の子供の父親が日本人であることは秘密にしました。

大人になるまで自分の父親が日本人であることを知らなかった2世もいます。

しかしそれが結果的に、彼ら2世を無国籍の状態にしました。

戸籍もなくなっているため、いくら自分の父親が日本人だと言われたところで、何の証拠もありません。

 

■日本国籍取得を目指す2世たち

現在フィリピンの住む2世たちは、自分たちが日本人であることを認めてもおうと、日本政府へ呼びかけています。

なんとか彼らに日本国籍を取り戻してもらうべく動いているNPO団体もありますが、なかなか証拠を見つけることができず、年月だけが過ぎていっています。

太平洋戦争終戦から74年経ち、日系2世の年齢も70〜80代と高齢になってきたこともあり、生きているうちに何とか日本に住めないかと助けを求めているのです。

 

■2世たちが日本を訪問

そんな無国籍の日系2世の人々が、28日から日本を訪れているとのこと。

政府に日本国籍の取得を早く認めてもらえるよう、陳情を行うことになっています。

日本政府は現在はフィリピンに住む日系2世に対しては「親が経済的な理由で自発的に移住した」として、公的な支援は行っていません。

今回日本を訪れた2世の男女4人は、国会議員などを含む約4万人の署名を提出。

日本政府に、「無国籍」の状態を解消し、日本国籍を認めるよう求めています。

実は4年前にも同様の訪問陳情があったそうですが、何も状況が変わらなかったとのこと。

 

■フィリピン日系人リーガルサポートセンター

現在日本の東京には、NPO団体「フィリピン日系人リーガルサポートセンター」があります。

彼らは裁判の資料作成などの支援を行い、無国籍の残留日本人が日本国籍を取得できるよう手助けしています。

しかしながら、ほとんどの無国籍の人々は、父親の身元を確認することはほぼ不可能に近いと言います。

74年も前の、意図的に抹消された証拠を今から見つけ出して証明しろというのはやはり難しいのだそうです。

父親探しをしている最中に、高齢で亡くなってしまう人も多いということです。

 

■残留日本人に残された時間はあとわずか

このように外国に住む日系2世が日本国籍を求めたケースとしては、中国の残留孤児問題がありました。

この場合は日本は国策であったと認めて、さまざまな支援を行っているそう。

しかし、フィリピンの残留日本人に関しては、日本政府の意図ではなくいわゆる”出稼ぎ”でフィリピンへ自主的に渡った人々の子供、という解釈となっており、支援をしていないそうです。

ただ、戦争で日本軍が攻撃したことにより、フィリピンで平和に暮らしていた彼らの家庭を壊し、結果的に無国籍な状態を作らせてしまったことも事実。

責任の所在がどこなのかも論点となっています。

これまで30年、40年と訴え続けてきた人々も、多くが証拠不足として日本国籍を認められていません。

そもそも貧しい環境で暮らしているため、国籍取得のために自分で行動できる人もごくわずかです。

無国籍の残留日本人に残された時間は、もうあまり長くありません。

早急な日本政府の対応が求められています。