フィリピンでコンドミニアムを探す時の注意点
フィリピンで日本人が生活するには、コンドミニアムが最も適しています。
コンドミニアムとは、日本で言うところのタワーマンションのようなもので、フィリピンではスイミングプールやジムなどの設備が整っており、ホテルさながらの生活が出来るのが特徴です。
にも関わらず家賃は日本よりずっと安く、一等地の部屋でもワンルーム5〜6万円で住めます。
新宿のタワマンに住むことを考えれば、かなり安いことが分かるでしょう。
フィリピンにも日本のようないわゆる”安アパート”もありますが、ここは日本人が安いからと気軽に暮らせるようなものじゃありません。
確かに家賃は1〜2万円程度かもしれませんが、水シャワーは当たり前、時折断水なんかもありますし、セキュリティも不安だらけで、不衛生なので虫もいっぱい出ます。
いくら「どんな環境でも暮らせる!」というタイプの人でも、朝起きて顔の上にゴキブリが乗っかっているような生活はやっぱり無理でしょう。
でも実際安アパートではそういうことは日常的にあるそうです。
強盗がいつ入ってくるか分からない恐怖に怯えて暮らすのも過酷です。
ちなみにフィリピンの虫の数は半端ないので、高級コンドミニアムの高層階でも関係なく発生しますから、そこらへんは覚悟が必要です・・・。
ですので、フィリピンに長期滞在しようと思ったら、まずはコンドミニアム探しをしないといけません。
今回は、その際に注意したいことや日本と大きく違う部分などをご紹介したいと思います。
■賃貸物件の探し方は?
日本では物件を探す際インターネットで探すのが普通だと思いますが、それはフィリピンも同じで、不動産サイトというのはいくつかあります。
ただ、日本のように管理がしっかり行き届いておらず、情報が古かったり、掲載されている物件数も少ないです。
加えて、フィリピンでは今住宅需要が高まっているため、気になる物件があったらすぐに取得しないとすぐなくなってしまいます。
また、もう1つ知っておきたいのは、海外のサイトはすべて英語であるということ。
日本人向けに日本語で案内している不動産サイトもありますが、手数料が高くなっています。
英語がまったく分からないのなら多少高くても仕方ないですが、費用を抑えたいのなら、できるだけ現地サイトの英語を読んで探した方が良いです。
■自分の足で探すのは?
フィリピンの不動産サイトは情報が少ないので、自分の足で街を歩いて「For Rent」の気になる物件を見つけたら自分でオーナーに電話して問い合わせる、という方法もあります。
これで家を見つけた人は確かにいますが、はっきり言って時間と体力をものすごく使うので大変です。
現地に信頼できるフィリピン人がいてその人が安全なエリアを紹介してくれるなら話は分かりますが、そもそも土地勘のない場所でいきなり歩き回って部屋を探すなんてかなり厳しいです。
また、タクシーや徒歩で周れる物件は限られています。
■物件探しは根気が必要
ネットでも自分の足でも、フィリピンの物件探しは根気が必要です。
日本だと部屋探しなんてだいたい1ヶ月もあれば終わると思いますが、フィリピンでは条件に合う家を見つけるまで半年以上かかることも珍しくないと思ってください。
不動産サイトにも限られた情報しか載っていない(間取りがわからないなど)ので、いちいち内見しないといけませんし、部屋は良いけどオーナーが変な人で合わないと感じるかもしれません。
フィリピンでは管理会社というものを通さず直接オーナーとやり取りすることが多いので、オーナーと合うかどうかは意外と重要です。
ケチな人や悪い人も稀にいて、そういうオーナーだと何かとお金のトラブルも起こりがち。
逆に親切な人だった場合は、家を貸してくれるのみならず、フィリピン生活についていろいろ教えてくれたりして助けてくれることもあります。
■家具付き物件の方が良いのか?
フィリピンの賃貸物件の多くは、家具付きになっています。
しかし、家具が一部付いているものや、まったく付いていないものもあります。
家具を買うのはそれなりに大変なので、最初はどっちに住めば良いのか迷うかもしれませんね。
結論からいうと、期間が短い場合は家具付きの方がおすすめです。
やはりベッドやらソファやらいろいろ揃えればそれなりにお金がかかります。
家具付き物件は入居してすぐ生活できるようほとんどの家具家電があるのでラクですし、費用もかかりません。
ただ、2年以上など長期で住む予定なら、家具なしの方が良いかもしれません。
最初に家具代はかかってしまいますが、一般的に家具付き物件の方が家賃が高く設定されているため、年単位で見ると家具なしの方が安く済むパターンもあるのです。
また、自分の好きな家具を選べるというメリットもあります。
家具付き物件ではたまにひどいセンスの部屋もありますので・・。
■最初に3ヶ月分の家賃を払う
日本で部屋を借りる時にも家賃+敷金+礼金というのを払うのが一般的なので、それと似た感覚かもしれませんが、フィリピンでは最初に3ヶ月分の家賃を払います。
契約時に払うので、その後最初の2ヶ月間は家賃が発生しないという形です。
また、この2ヶ月分は通常退去時に返却されることになっています。
しかしながら、適当なフィリピン人ですから、いろいろと理由をつけられて実際には返ってこないこともしばしば。
あまりごねてもしょうがないので、最初から「2ヶ月分は返ってこない」というつもりで払った方が良いと思います。
■日本人におすすめの居住エリア
一言にコンドミニアムといっても、今フィリピンにはあらゆるエリアに建設されており、どこに住むかは非常に重要です。
もちろん家賃の予算によっては幅が限られてくるとは思いますが、やはり治安を最優先して考えるのが良いかと思います。
一般的に、富裕層の住む家賃の高いエリアは安全度が高いです。
以下が、マニラ周辺で日本人でも安心して暮らせるエリアとなっています。
■レガスピ ・ビレッジ(マカティ)
メトロマニラでは最も治安の良い場所として知られるレガスピ ・ビレッジは、日本人駐在員をはじめとする外国人が多いエリアです。
近くには高級ショッピングモールのグリーンベルトやレガスピパークという公園もあり、便利で安全で住みやすい環境となっています。
また、マカティメディカルセンターという大きな病院もあるので安心です。
毎週日曜日にはサンデーマーケットが開かれ、新鮮な野菜や果物も手に入ります。
■サルセド・ビレッジ(マカティ)
レガスピ ・ビレッジと並んで非常に治安が良いエリアです。
レガスピよりも古いコンドミニアムが多くなっています。
自然が多く、歩いて5分程度のところにはアヤラトライアングルパークという大きな公園もあり、日本人ファミリーも安心して子育て出来る環境です。
日曜日にはフードマーケットが開催されます。
周辺にはレストランやバー、カフェなどの飲食店も充実しています。
■ロックウェル(マカティ)
面積は小さく全部見て周っても1時間程度しかかかりませんが、非常におしゃれで洗練された地区です。
高級コンドミニアムやレストラン、バー、スーパー、スポーツクラブ、ジム、テニスコート、バスケットコートなどがこの小さな地区に集まっています。
住んでいるのは富裕層ばかりで、コンドミニアムの家賃相場も一人部屋で10〜20万円とかなり高め。
感覚としては日本の六本木に住むようなものです。
ただ、本当に六本木に住めばこれの2倍3倍はするでしょうから、やっぱりフィリピンでは贅沢な暮らしがしやすいと言えます。
パワープラントモールというショッピングモールもあります。
■フォート・ボニファシオ(タギッグ)
マカティに隣接しているフォート・ボニファシオは、フィリピンとは思えないほど近代化されており、美しく洗練された街並みが広がっています。
日本人学校、インターナショナルスクール、ブリティッシュスクールなどの教育機関も充実しており、日本では高額なエリート教育もここでなら安価で出来るのが魅力です。
ハイストリートというおしゃれなショッピングエリアも近くにあり、便利で快適。
そして非常に治安も良く、女性が夜一人で出歩いても大丈夫なほどです。
■オルティガス (メトロマニラ)
オルティガスは今外資系企業やBPOのオフィス、銀行などが数多く参入してきているエリアですが、まだ不動産価格が安いことが特徴です。
マカティやBGCにも近く、フィリピンに住みたい人はもちろん、ビジネスや投資目的で来る人にも人気のエリアとなっています。
SMメガモールという超巨大ショッピングモールもあり、生活に必要なものはすべてここで揃うほか、アイススケートリンクや映画館もあり、エンタメにも困りません。
超高層ホテル「マルコポーロホテル」には、夜景の見えるおしゃれなレストランやバーもあります。
■パサイ(メトロマニラ)
ニノイ・アキノ国際空港のあるパサイ市もまた、現在発展が急速に進んでいる地区の1つです。
また、SMモール・オブ・アジアというフィリピンで2番目に大きいショッピングモールがあり、買い物する場所には困りません。
SMメガモールと同様、映画館やスケートリンク、そしてボーリング場まであります。
パサイはマニラ中心部と比べて交通量も少なく、マニラ湾で散歩も楽しめて、比較的静かな環境です。
■新しい物件でも必ず内見して確認を!
フィリピンでの物件探しは時間をしっかりかけて、
・エリアが安全かどうか?
・オーナーは良い人か?
・生活環境は自分の望むライフスタイルに合っているか?
・契約内容をちゃんと把握しているか?
などなどに注意して決めましょう。
特に内見時には、コンセントが使えるかどうか、水がちゃんと排水されるかどうかなど、生活に支障がないかどうかをしっかり確認しましょう。
フィリピンでは工事が適当な業者も多いため、最新の物件であってもこういったチェックは必要です。
家賃だけを見て安易に決めるのはあまりおすすめできません。
日本のようにスムーズにはいかないことも多いフィリピンでの部屋探しですが、ぜひ根気よく続けて理想の物件を見つけてくださいね。