フィリピン移住には覚悟も必要!日本人が知っておくべきこと
フィリピンは経済が順調に発展し、将来性もあり、人々はフレンドリーで、気候もあたたかい。
そんなフィリピンにいつかは移住したい!経済不振の日本にはもういられない!なんて考えている人はたくさんいると思います。
確かにフィリピンには今、日本にはない上向きのエネルギーが溢れています。
外国からの投資もさかんですし、現地で新しいビジネスを立ち上げて成功する人も多いです。
留学をきっかけに、移住を決意する人も。
しかし、いざ移住するとなると、やっぱり日本とは全然違う生活が待っています。
良いことも悪いこともあり、フィリピンが全然合わないという人も大勢いるのです。
そこで今回は、フィリピンに本気で移住しよう!と考えている人が知っておきたい、フィリピンへ渡って来る際に覚悟しておきたいことをご紹介します。
これを読んで、それでもフィリピンに住みたい!という方はぜひチャレンジしてみてほしいですが、「う〜ん」となってしまったら、再検討するのが賢明です。
■都会暮らしの生活費は日本と同等!
まず、フィリピンへ移住すれば物価が安いから生活がラクになる、と考えている人は要注意!
フィリピンは確かに物価は安いですが、物やエリアによって全然違うんです。
特に首都マニラのマカティやBGCなど日本人が多く住んでいる場所は、そんなに安いわけじゃない。
レストランに入れば日本と同じくらいのお会計になるし、シャンプーやトイレットペーパーなんかの日用品も日本と同等の値段か、それ以上で売られています。
家賃はやや東京より安いですが、それでも日本レベルの綺麗なマンションに住めばワンルームで5〜6万円します。
安いのはスーパーの食材くらいで、それ以外は実は別に安くないと感じることが多いでしょう。
しかも、物価も家賃もどんどん上がってきています。
もしもフィリピンで本当に安く暮らそうと思ったら、田舎の地方に住んだ方が良いです。
水シャワーしか出ない、しょっちゅう停電する、インフラが全然整っていないような田舎へ行けば、日本生活の半分以下のコストで暮らすことも可能です。
でも、本当にそこまでして安い生活がしたいのか?
よ〜く考えてみましょう!
■基本的に不衛生
発展途上国を旅行したことのある人ならイメージできると思いますが、フィリピンは全体的に衛生レベルが低いです。
特に清潔大国の日本からすれば、驚くほど汚い。
トイレや水回りは臭いし、普通に道を歩いていてもゴミや動物の糞がそこらじゅうに落ちています。
排気ガスもひどくて空気は汚れているし、蚊やハエなどの虫も半端なくいます。
レストランで食事していても、虫が飛んでいるのは当たり前。
マーケットで売られている肉や魚にもハエがたかっています。
綺麗なのはBGCなどの富裕層が住むほんの限られたエリアだけです。
ウォシュレット完備の美しいトイレしか使ったことのない日本人にとっては、不衛生な環境というのは思った以上に過酷なものです。
短い期間の旅行ならともかく、長期で住むとなれば、不衛生な環境にも堪えられるようにならないといけません。
潔癖の人はまず無理でしょう。
■何かと過激なフィリピン人
フィリピン人と日本人にはあまりにも違いが多すぎますが、道端で鶏をまるごと捌いていたり、市場でゲテモノみたいなものが売られていたりするのには、最初はびっくりするでしょう。
日本では、家畜とはいえ目の前で動物が殺されるのを見ることなんてないですからね。
また、深夜でも大声で屋外カラオケを楽しんでしまったり、接客中なのに踊りだしたり、感情むき出しでひどい態度の店員がいたり、平気でお金貸してと言ってきたり、いろいろと過激なのです。
慎ましく、謙虚で、礼儀ある日本人からすれば、フィリピン人の国民性に慣れていくのは大変だと思います。
でも、移住するとなれば、そんなフィリピン人たちと接しながら暮らさなければならないのです。
それらを許容して、おおらかな心で過ごせるかどうかも、フィリピン移住には大事なポイントになります。
■何かと遅いフィリピン人
過激で欲望のままに生きるフィリピン人ですが(笑)、これ以外にもう1つびっくりするのは、仕事がめちゃくちゃ遅いということ。
病院でも銀行でも、2、3時間待つのは当たり前ですし、役所に行って何か手続きをしても、ハンコ1つ貰うだけなのに何日もかかったりします。
ひどい場合は、忘れています。
彼らのそういったのんびり具合を理解しないまま、日本と同じ感覚でいると、あらゆる機関であらゆる人々にイライラしてしまうでしょう。
スーパーのレジ打ち店員も、どんなに長蛇の列が出来ていても決して急ごうとしません。
よく言えばマイペース、悪く言うと激しく空気が読めないのがフィリピン人です。
ただ、これは文化の違いですので、日本と同じクオリティやスピードを求めるのは無駄。
ここはこういう国なんだ、と割り切って気長に待つ精神の余裕が必要なのです。
■貧富の差を見せつけられる
フィリピンは社会格差が非常に大きい国です。
かたやブランド品を身につけてペットのわんちゃんを散歩させているセレブがいるかと思えば、歯の抜けたホームレスやストリートチルドレンもそこらじゅうにいます。
実際に物乞いしてくる貧しい人々に遭遇すると、自分の生活レベルとの差を感じてショックを受けてしまう日本人は意外に多いです。
やはり知識で知っているだけと、本当に目の前にいるのとでは、全然違います。
しかも、ストリートチルドレンは撒くのも大変。
何かしてあげた方が良いのか?それとも何もしないのが彼らのためなのか?
そんなことを考えているうちに大勢集まってきて囲まれてしまうこともあります。
そして気がつけばスマホや財布を盗られていた・・なんて日本人は後を絶ちません。
■言葉の壁
フィリピンでは主に、タガログ語などのフィリピン語と英語が使われています。
日本語は通じません。
たまにですが、ほとんど語学を勉強せずにフィリピンへ渡る方がいます。
もちろん、現地に着いてから語学学校に通うとか、自主的に勉強するというのはありだと思いますが、英語力ゼロで生活はできません。
また、移住してしまえば自然に話せるようになると考える人もいるようですが、そんなに甘くないのです。
せっかくフィリピンに来ても、言葉が通じなければ買い物くらいしか出来ないでしょう。
もちろん友達を作ることも無理です。
そうなると、だんだん孤独にもなってきます。
役所での手続きも、銀行口座を開設するにも、家を探すにも、英語が出来ないと何も出来ません。
フィリピンで長い間生活するのに、英語力は絶対に必要です。
せめて中学卒業レベルくらいの英語力は、今からでも良いので身につけましょう。
■治安が悪い
日本は夜中に一人で外を歩いていても、特に何も問題ないですよね。
でも、フィリピンではそうはいきません。
マカティなど発展している地域であっても、スリやホールドアップに遭う可能性はいつだってあるのです。
上述したようにフィリピンは貧富の差が激しい国なので、金持ちだと思われている日本人は余計に狙われます。
高級な衣服やバッグ、アクセサリーなどは極力身につけないほうが良いですし、カバンは前に抱えて持つのが基本です。
道を歩く時も、買い物をするときも、ATMを使う時も、いつでも「狙われるかもしれない」という緊張感を持って生活する必要があるのです。
これが2〜3日間の旅行だったら別に良いかもしれませんが、もし移住するとなれば毎日毎日、何年もそういった警戒状態で暮らし続けなければなりません。
外に出ている限りはホッとできない・・これは想像よりもしんどいことです。
ただでさえ慣れない環境なのに、警戒までしなきゃいけないなんて、疲れてヘトヘトになってしまいます。
安全、安心の環境で平和に暮らしたいなら、フィリピンは向いていないでしょう。
■まずは半年〜1年プチ移住してみよう!
いかがですか?
フィリピン移住を夢見ていた人は、一度どんな世界が待っているかリアルに考えてみましょう。
もちろん、日本にはない魅力もたくさんあるので、上記を読んでもフィリピンに住みたい!という方は、ぜひ移住計画を立ててください。
おすすめなのは、まずは半年〜1年くらいプチ移住して生活してみることです。
このくらいの期間なら観光ビザだけで滞在可能ですし、移住後にどんな人生になるか想像しやすくなります。
やっぱり合わない!と感じたら、素直に日本に帰ってくれば良いのです。
「移住する!」と周りに言ってしまった手前、プライドが邪魔して帰れない・・なんて人もいるみたいですが、そんなの全然幸せじゃありません。
いずれにしても、本当にフィリピンが良いのか?一時的な衝動ではないのか?移住する覚悟はあるのか?
一度きりの人生ですので、よ〜〜く考えて、実際にフィリピンの様子を見てから決めるのが良いでしょう。