フィリピンと日本の賃貸はここが違う!
フィリピンに長期滞在したり移住しようと思えば、自分で不動産を持つことももちろん可能ですが、賃貸物件を借りることもあるでしょう。
ただ、フィリピンで賃貸物件を借りるとなると、日本とは異なる部分も多々あり、戸惑ってしまうことも多いです。
家賃相場や支払い方法、物件の選び方など、フィリピンの賃貸事情を見てみましょう。
■ネット上の情報は少ない
日本では不動産を探す際にはまずネットでいろいろ調べるのが普通だと思います。
フィリピンでも同様に、いくつか不動産サイトはあるので、そこでリサーチすることは可能です。
しかし、情報量は日本ほど多くありません。
エリアと家賃くらいは分かりますが間取り図が出ていないことが多く、キッチンも窓も玄関も、どこにあるのか分からないのです。
実際に見てみないとどんな部屋だかなかなか想像できません。
しかも、古くなった情報もなかなか削除されないので、入居できる物件がどれなのか分かりにくい・・。
そのため、フィリピンの不動産探しはネットだけで目星を付けるのは非常に難しいと言えます。
面倒だし手間暇もかかりますが、いちいち内見しに足を運ばなければならないのです。
■不動産屋さんも少ない
ネット上の情報が少ないのなら、住みたい街の不動産屋に行けば良いのでは?と思いますよね。
それも可能なんですが、フィリピンでは日本ほど不動産屋さんが存在していません。
あるにはあるけど、探すのが大変なのです。
ネットも不動産屋さんもイマイチとなると、あとは、オーナーと直接交渉して入居するという方法になります。
フィリピンの街中を歩いていると、入居者募集のサインが出ているところがよくありますので、そこに書いてある電話番号に直接電話して内見の予約をします。
英語ができないとちょっとハードル高めですよね。
フィリピンではあらゆる面で、日本よりも不動産を探すのが大変なんです。
■家具付き物件が多い
日本とフィリピンの賃貸物件の大きな違いとして、フィリピンは家具付きが多い、というのが挙げられます。
フィリピンの物件の多くには、ベッド、エアコン、ソファ、シェルフ、冷蔵庫、洗濯機、テーブル、キッチン家電などなどの家具家電が付いていることが多く、入居したらすぐに生活できるようになっているのです。
最初にお金をかけて揃える必要がない点においては、日本よりも楽に住み始められます。
ただ、家具のセンスはオーナー次第というデメリットもあり、おしゃれな部屋に住みたいとか、インテリアデザインにこだわりがある、という人は、気に入る部屋を探すのも一苦労するかもしれません。
なお、家具付き物件にもFull furnishedという家具全部付きのものと、Semi furnishedという一部の家具だけ付いているものがあります。
日本人が初めてフィリピンに住むなら、まずは家具付き物件で生活を始めるのがおすすめです。
何しろフィリピンではエアコン1つ購入したって、取り付け完了までに何日もかかります。
仕事が遅い国なので、何を頼んでもものすごい時間を要するんです。
Unfurnishedという家具なし物件もありますが、勝手を知らない国で家具を全部揃えるのはなかなか骨の折れる仕事です。
■アドバンス(敷金)が返ってこない
日本では賃貸物件を契約する時に払う敷金は、基本的に退出時に返ってくるものですよね。
しかし、フィリピンではこの常識が通用せず、なかなか返ってきません。
金額はだいたい家賃の2ヶ月分なので、2万ペソの部屋なら4万ペソ(約8万円)がそのまま取られてしまいます。
返ってこない理由は明確で、オーナーがただ返したくないから(笑)
部屋が汚れているだとか、退出時期が契約と違うだとか、いろいろなイチャモンをつけて、返さないスタンスが基本のようです。
もちろん全員ではなくちゃんと返してくれる優良なオーナーもいますが、あまり期待しない方が良いでしょう。
もしもどうしてもそれが我慢できないのならば、探すのは大変ですが、日本人オーナーの部屋を契約すると良いです。
日本人オーナーなら、約束通りちゃんと返してくれますよ。
■家賃は小切手で支払う
日本では家賃の支払いは口座振替か銀行振込が多いかと思いますが、フィリピンでは小切手を使って払うのが一般的。
まず最初に、上述したアドバンス(敷金)、そして半年〜1年分(オーナーにより異なる)の家賃を先に現金で払います。
そして、残りの家賃は小切手で毎月払っていくのです。
小切手はPDC(Post Dated Check)と呼ばれているもので、相手が楽に代金を回収できるシステムになっています。
日本人は使ったことがない人が多いと思うので、最初は手順を覚えないといけません。
利用するには銀行口座が必要なので、同時に口座を作っておく必要もあります。
また、余裕があるなら契約時に1年分を現金で払うことも可能です。
■新築物件が良いとは限らない
日本では新築だとか築浅の物件が人気ですが、フィリピンでは新築が必ずしも良い部屋とは限りません。
工事のやり方やスケジューリングがずさんな場合も多々あり、住み始めたはいいけど水が出ないだとか、コンセントに電気が通っていないだとか、備え付けの棚の扉が閉まらないなんてことも起こるんです。
もちろん新築だろうと古い物件だろうと、しっかりと部屋の内装と設備が動くかどうかは確認が必要ですが、フィリピンでは新しい物件=設備が素晴らしい、というわけでは決してないのでご注意ください。
古すぎるとやはり汚なかったりボロかったりなどありますので、おすすめは築浅で過去に数名住んだことのある物件です。
■北向きの部屋が人気
日本では南向きの部屋が明るくて人気ですが、フィリピンでは逆に北向きの部屋の方が人気です。
理由は、南向きだと暑いから。
1年中気温の高いこの国では、少しでも涼しく日差しの入らない部屋の方が好まれるのです。
日本と同じ感覚で南向きの部屋に住んでしまうと、ものすごく暑いです。
エアコン代もかさんでしまいます。
ちなみにフィリピンでは電気代が日本と同じくらいの相場なので、毎日エアコンを稼働し続けると毎月かなりの請求額になります・・。
■家賃は年々上がる
日本では年数を経るほど不動産価値は下がっていくものですが、フィリピンでは逆に、家賃が上がっていきます。
契約によっては更新時に引き上げる、と書いてある場合もあるので注意してください。
特にマニラのマカティやBGCなど年々地価が上がっているエリアでは、家賃はどんどん上がっているようです。
■契約期間は1年
フィリピンでは賃貸物件の契約期間は基本的に1年間です。
日本は2年の物件が多いですよね。
1年は案外あっという間なので、フィリピンでは頻繁に引っ越ししている人も多いです。
■コンドミニアムではセレブな生活ができる
フィリピンにも日本の安アパートのような物件もありますが、日本人がマニラなどの都会で住む際には、ほとんどの場合コンドミニアムになります。
立地や間取りによっては日本と変わらないくらいの家賃のところもありますが、感覚としては東京のタワーマンションの4分の1〜3分の1くらいだと思ってもらって良いです。
日本とは違い、プールやジム、24時間セキュリティなどがあるのが特徴で、まるでホテルに住んでいるかのようなセレブ生活を送ることができます。
また、フィリピンではメイドを安く雇えるので、家事をすべて任せることも可能です。
日本で平均的な収入のある人なら、フィリピンではかなりラグジュアリーな暮らしができるでしょう。
これが目的でフィリピンに移住する人も少なくありません。
古くてボロくてもOK!という人は安アパートを借りれば家賃はぐっと抑えられますが、安全性は著しく下がります。
窓が壊れていたり、鍵が簡単に開いてしまったりと、セキュリティレベルはかなり低いです。
もちろんお湯シャワーも出ません。
日本人にはあまりおすすめは出来ませんね。
■フィリピンの物件探しは根気が必要!
いかがですか?
フィリピンと日本の賃貸物件の違いをご紹介しました。
逆に、田舎に行くほど家賃が安いという日本と同じ部分もあります。
いずれにしても、まずはいくつか条件を決めて探し始めましょう。
そして、フィリピンでは物件探しに時間も労力もすごくかかりますので、半年くらいは決まらないかも・・と思って良いと思います。
日本の3倍くらい大変だと言う人もいますし、タイミングや運もあります。
おすすめはやはり、セキュリティを優先することかと思います。
どんなに家賃が安くても、やっぱり安心して暮らせないのはストレスになりますからね。
根気よく、あなたの理想のお部屋を探してみてくださいね。