ミンダナオ島でポリオ感染を確認、日本人は大丈夫?
フィリピン南部のミンダナオ島で、3歳の女児にポリオの感染が確認されたそうです。
フィリピンではWHOから2000年にポリオを根絶した国として認められていましたが、それ以来初の感染確認とのこと。
ほかにもラグナ州で5歳男児に感染が認められ、ニュースとなっています。
■ポリオってどんな感染症?
ポリオは別名「脊髄生小児麻痺」とも呼ばれており、ポリオウイルスに感染することによって発生します。
人から人へ、感染した人の便を介してうつります。
今回フィリピンでは、首都マニラの下水道と、ミンダナオ島ダバオの水路からポリオウイルスが検出されました。
5歳以下の子供がかかることが多い病気で、実は感染しても90〜95%は何も症状が出ません。
約5%の患者に発熱、頭痛、咽頭痛、嘔吐などの症状が出て、200人に1人が下肢麻痺を起こし、そのうち5〜10%が呼吸筋麻痺により死亡すると言われています。
ただ、成人が感染した場合は重症化しやすく、15〜30%の患者が亡くなるそうです。
感染した場合の治療法はなく、ワクチン接種による予防が有効です。
■フィリピンではワクチン接種率が低下
フィリピンでは2000年にポリオ根絶が認められて以来、ワクチンを接種する人が減っていたとのこと。
しかし今回の感染確認を受けWHOからは「5歳以下の子供の95%がワクチン接種を受ける必要がある」と述べています。
■日本人は大丈夫?
ポリオは日本でもすでに根絶されています。
しかし、1960年代には5,000人以上に感染していました。
その後ワクチン接種が進んでからは、1980年以来患者は出ていません。
ただ、1975年〜1977年に生まれた人はポリオに対する免疫が低いとされています。
この期間に生まれた人が、まだポリオが発生している国へ渡航する際は、事前にワクチンを再接種していくことが推奨されています。
フィリピンへ渡る際も、狂犬病やはしかなどと合わせてポリオワクチンを接種していくと安心です。
また、フィリピンへ来た際には、水道水を飲まない、動物に触らないなど衛生面の注意事項を守って行動しましょう。