北京でドゥテルテ大統領と習近平国家主席が会談
南シナ海問題などをめぐって中国とフィリピンは不安定な関係を続けてきていますが、今月29日にドゥテルテ大統領と習近平国家主席が北京の釣魚台国賓館で会談し、両国の関係を強化することで合意したそうです。
中国の習近平国家主席は、「中国とフィリピンの関係が発展すれば、地域の平和と安定にも繋がる」と話しました。
また、問題となっている南シナ海での「行動規範」についても、2021年までに紛争防止のための妥結を呼びかけたとのこと。
会談では南シナ海における天然ガスの共同開発の進展を目指すことでも合意しています。
対するフィリピンのドゥテルテ大統領も、「中国が引き続きフィリピンの経済発展とインフラ整備を手助けしてくれるよう望む」と話し、友好的な姿勢で対談に臨んだようです。
フィリピン国内では、”漁船当て逃げ事件”や”無断でフィリピン領海横断”などなど、これまでの度重なる中国からの南シナ海での挑発とも取れる行動によって、中国への批判が高まっています。
さらに、ドゥテルテ大統領が目立った反撃をしないため、国民からは政権への不満も生まれているよう。
今回の会談でも、南シナ海の領有権に関する話があったのかどうかは不明です。
しかし、中国がフィリピンのインフラ発展を助けていることは事実です。
中国からの支援なしに、今のフィリピンはありません。
今回新たに、約640キロにおよぶフィリピンの鉄道事業に中国が1,753億ペソ(約3,600億円)を融資することでも合意しています。
また、フィリピン政府によれば、今後中国とフィリピンは教育や科学技術などの分野においても連携を深めていく考えとのこと。
放置されている問題はありつつも、ドゥテルテ大統領としては自国の発展を何よりも優先している模様です。
残ったあと2年半の任期でフィリピンの経済はどこまで成長するのか?
中国の手を上手に借りながら、国民からの支持も維持しつつ、平和的に問題解決へ向かえるのかどうかが、注目されますね。