フィリピンのユニークなお酒いろいろ
食べるのも飲むのも大好き!なフィリピン人。
フィリピンのビールといえば「サンミゲル」で、飲みやすい口当たりから日本人にも人気ですが、フィリピンにはビール以外にもいろいろなお酒があります。
今回は、日本ではなかなか飲む機会のない、フィリピンのお酒をご紹介しましょう。
<トゥバ>
トゥバは、いわばココナッツのワイン。
ビサヤ地方で伝統的に作られている、ヤシの木の花弁から採れる樹液を自然発酵させたお酒です。
特にアルコールを足さなくても、微生物の働きで糖がアルコールに変化してお酒になるというしくみ。
樹液を竹筒の中に入れてそのまま1日放置するだけでお酒になると言うのだからビックリです。
アルコール度数は4〜5%ほどで、フィリピン人はこれをコーラで割ったりするほか、ストレートでも飲めます。
お酒として嗜むのはもちろん、料理にも使えます。
ほのかな甘いココナッツの香りが特徴です。
しかし、トゥバは都市部のスーパーマーケットなどでは売っていません。
どうやら現代人はあまり飲まないようで、地方の田舎まで行くか、1月のお祭りシーズンで流通する時に買うしかないのだとか。
フィリピンの地元民は、ココナッツの木によじ登って自分たちで樹液を採って作る人が多いようです。
<ランバノグ>
トゥバをさらに蒸留させて作ったお酒がランバノグ。
1日に3〜4回花蜜を集めて自然発酵させたあと、およそ6時間かけて2回蒸留して作られます。
アルコール度数は一気に上がり、40度近くなります。
トゥバが自然発酵によって作られるのに対し、ランパノグはアルコールを混ぜていることが多いです。
強いお酒ですが、口にした瞬間程よい甘さを感じることができ、さらに糖質はゼロというヘルシーなお酒です。
ロック、ソーダ割りで飲むほか、カクテルのベースにするなど、いろいろなアレンジが可能です。
アップル味やストロベリー味など、フレーバー付きのものもあるらしいです。
<チョコレートウォッカ>
その名の通り、チョコレート味のウォッカです。
女性にも飲みやすく、甘党にはたまらない美味しさ。
でもはやりウォッカなので飲み過ぎには注意です。
「MUDSHAKE」という商品が有名。
<エンペラドール>
ブドウではなくサトウキビで作られているというブランデー。
実はエンペラドールは、ブランデー生産量世界一を誇る会社なのだそう。
フィリピンではお祝いやパーティで必ず用意されているお酒の1つです。
アルコール度数は31度と一般的なブランデーよりは低め。
飲み方としては、ショットで飲んで、水やコーラ、甘いアイスティーなどをチェイサーにするのが人気のようです。
シナモンのような、甘い香りが特徴です。
アルコール度数が27.5%と低めの「エンペラドールライト」や、サトウキビの香りが強い「エンペラドールゴールド」など、種類がいくつかあります。
720mlで500円ほど、しかもコンビニで買えるというお手軽感もあり、お土産にもぴったりです。
<ラム酒>
フィリピンはサトウキビの生産がさかんなので、ラム酒の製造量も多いです。
最も有名で人気なのは「TANDUAY」というメーカーのものです。
コンビニやスーパーで手軽に買えて、しかも安いです。
また、酒通の間では「ドンパパ」という名前のプレミアムラム酒が人気のようです。
3度も蒸留されて7年以上も熟成されたというラム酒で、口当たりも甘さも日本のウイスキーに引けを取らない美味しさなのだそうです。
<マンゴーワイン>
フィリピンのフルーツといえばやっぱりマンゴー!
口にした瞬間、南国リゾートの気分が広がります。
甘くてジューシーなマンゴーのフレーバーが楽しめるワインは、意外に料理にも合います。
女性でも飲みやすく、お土産としても人気です。
<バシ>
ルソン島北部のイロカノ族によって作られたサトウキビの醸造酒。
地域によっては樹皮を加えるというユニークな製法をとっており、その歴史は古く、17世紀初頭にはすでに存在していたそう。
イロカノ族にとっては結婚式や祭りで飲まれる伝統的なお酒です。
ちょっと癖がありますが、甘くて美味しいので日本人でも飲みやすい。
ショッピングモールなどで普通に売られています。
<タプイ>
タプイはライスワインです。
ルソン島北部のコルディレラ産地に住むイフガオ族によって作られたお酒。
ライスワインは東南アジアの他の地域でも作られていますが、タプイは原料米を最初に逝ってから熱湯に入れて作るのが特徴です。
近年はイフガオ族の生活も近代化し、タプイは需要が減ってきているそう。
バギオの市場などではコーラの瓶に入ったものなど、自家製のタプイをよく見かけます。
お米が原料ということで日本酒にも近いものを感じるかもしれませんが、タプイは製法に厳しいルールがなく、味や香りの幅がかなり広くなっています。
<フィリピンのお酒の注意点>
日本とはちょっと違う、フィリピンのお酒事情。
購入や飲む際の注意点を確認しておきましょう。
■信頼できるメーカーのものを!
地元民がオリジナルで作ることもできるトゥバやラバノグ、タプイなどは、どこの誰が作ったのか分からないおかしなものも売られています。
ラベルが貼ってあっても、メーカー名や所在地が記載されていないなど、あやしいものは買わないようにしましょう。
どうやら製造基準が特にないらしいローカルなお酒は、変なアルコールや清潔でない水を混ぜて作る人もいるみたいです。
できるだけ、市場やローカルな商店ではなく、コンビニやスーパーなどで買うようにしましょう。
■飲めるのは18歳から
フィリピンでは飲酒やお酒の購入は18歳からと決められています。
日本よりも早くお酒が飲めるので、学生さんはつい楽しくなって飲み過ぎないように注意しましょう。
■知らない人と気軽に飲まないこと
フィリピンでは今、「睡眠薬強盗」という犯罪が横行しています。
バーなどで日本人に「一緒に飲もう」などと声をかけ、ドリンクに睡眠薬を入れ、眠ってしまっている間に金銭を盗む手口です。
被害者が多く出ているので、知らない人が声をかけてきても誘いに乗らないようにしましょう。
相手は日本語を使ってくることもありますが、無視してください。
■日本へ持ち込めるのは3本まで
フィリピンから日本へ持っていけるお酒は3本(1本あたり760ml)までです。
合計の容量が2,280mlまでなら3本じゃなくても大丈夫みたいなので、小さなボトルをいくつか買って日本の友達とシェアしてみるのも楽しそうですね。
ただし、免税範囲は常に変わる可能性があるので、帰国時の最新情報を必ずチェックしてください。
<フィリピンのお酒を楽しもう!>
いかがですか?
ローカルなもの、甘いもの、飲むのにちょっと勇気が要るものなど、フィリピンにはユニークなお酒がいろいろあります。
とにかく日本より安く飲めるのが嬉しいところです。
衛生面には注意して、飲める方はぜひいろいろ試してみてくださいね!