フィリピン人のお金の考え方と貸し借りについて
フィリピン人と日本人はあらゆる面で物の考え方や価値観が違っており、驚かされることも多いですが、おそらく最も驚くのは彼らの「お金」に対する考え方ではないかと思います。
一般的に日本人は、お金に対して以下のような概念を持っているのではないでしょうか。
・一生懸命働いて稼ぐもの
・安易に借りてはいけない
・安易に貸してもいけない
・金の切れ目が縁の切れ目
・借りたら返す
・将来のために貯金する
これらの考え方は、フィリピン人にはまず無いと思って良いです。
私たち日本人が教えられてきていることは、フィリピンでは全く通用しません。
<「なくなったら借りればいい」という考え>
フィリピン人は、まず貯金をしません。
すごく良く言うと「今」を大切に生きています。
明日のことを案じるなんてナンセンスだと思っているのです。
なので、手元にあるお金は将来のために残しておくなんてことはせず、全部すぐに使い果たします。
そして案の定無くなります(笑)
手元のお金が全部なくなったら、私たちは「どうしよう?!」と思うと思いますが、彼らは違います。
「なくなったから誰かに借りよう」と思うのです。
そして友人や職場の上司などに、躊躇することなく「貸して」と頼んできます。
全然悪いとも思っていない様子で、です。
困っている人を助けるのは当然でしょ?とでも言いたげな、正当化したような感じで頼んでくるので驚きます(笑)
相手が日本人なら尚更、「お金持ちに借りればいい」と思って気軽に言ってきます。
<フィリピン人にお金を貸してもいいの?>
日本人は基本的にお人好しなので、頼まれるとなかなか断れない、という人も多いと思います。
実際、それで貸してしまう人も多いです。
でも、簡単に貸してしまうのはあまりオススメできません。
なぜなら、返ってこないからです・・。
フィリピン人は、はっきり言ってとてもいい加減なので、借りても返そうという努力はしません。
しつこく何度も「返して!」と取り立てて、しぶしぶ返すか返さないか・・というレベルです。
でも不思議なのは、特に悪意はなさそうという点です(笑)
借りるときは、確かに返すつもりがあるようなのです。
しかし、実際にはすぐ使ってしまうので、返すアテなんて無いというのが現実。
結果的にそのまま踏み倒してしまう人が非常に多いんです。
貸した側も、たとえば金額が200ペソくらいの小銭だったら、取り立てるだけでストレスになって疲れてしまうので、最終的には諦めます。
そんなことを一度やると相手は「また貸してくれる」と思って、再度あなたに頼んできます。
でもそんなことを繰り返していたら、あなたはその人を信頼できなくなるでしょうし、いずれ関係は終わっていくでしょう。
そうなるのが嫌なら、最初から貸さないことが大事です。
<断るにはどうしたらいい?>
フィリピン人にお金貸してと言われて断るにはどうしたらいいのか?
それはもうはっきりと「私もお金がないので貸せないよ」と言うしかありません。
基本的にフィリピン人には”空気を読む”といった文化もないので、貸したくなさそうだな?なんて汲んでくれることはありません・・(笑)
無理なものは無理!嫌なものは嫌!正直に言うことです。
「どうしようかな・・」などと悩んでいる素振りを見せると、「必ず返すから!」などとその場しのぎのセリフでなんとか言いくるめようとしてきます。
最初は良心が咎めるかもしれませんが、自分を守るためにも、そして相手を自立させるためにも、きっぱり断るのは必要なことだと思います。
<フィリピン人の給料事情>
一見、お金に関してだらしない人種のように見えてしまうフィリピン人ですが、彼らが得ている所得を知ると、日本人にお金を借りようと思うのも無理はないかもしれない、と感じるかもしれません。
フィリピン人の平均月給は約2万円。
これより低い人もごまんといます。
フィリピンは物価が安いとはいっても、2万円で生活するのはかなりギリギリで、毎日食べていくのもやっとです。
日本人が日本で月20万円で暮らすよりも、よっぽど厳しい水準です。
しかし、この社会構造に対して今私たちができることは、彼らにお金を貸すことではないと思います。
社会格差を根っこから改善しないと、こういった貧困にあえぐ人々はいなくなりません。
<相手を理解しつつ自分も守る!>
フィリピン人と付き合うようになると、必ずぶつかることになるお金の問題。
あまりケチりすぎるのもどうかと思いますので、たまにご飯を奢るくらいは良いかもしれませんが、上手に管理しないとどんどんむしり取られていきますので本当に注意してください。
基本、貸さない!!と心に強く決めておきましょう。
彼らの文化的な背景も理解しつつ、自分のことは自分で守って、バランスを保ちながら人間関係を築いていくのが、フィリピンで楽しく暮らすコツだと思います。