フィリピンでビジネスをする際のリスクとは?
目覚ましい経済成長ぶりで世界から注目されるフィリピン。
2018年のGDP成長率は前年比6.7%で、ここ数年ずっと6〜7%で推移してきており、高度経済成長期の時の日本にもよく似た状況です。
人口も1億人を超え、その平均年齢は23歳と若く、労働力を十分に蓄えています。
日本人投資家や起業家も、多くがこの国の将来に期待していることでしょう。
フィリピンでビジネスをやるなら今だ!と考えている人も少なくないと思います。
事実、フィリピンにはすでに数多くの日系企業が進出しているほか、個人でも起業して成功している人が大勢います。
労働力もあり個人消費も高まっている今のフィリピンでは、確かにビジネスで成功する可能性が高いと言えます。
しかしながら、当然ですがリスクもあります。
日本とはルールも法律も違い、それを知らないだけで失敗に繋がることもあります。
今回は、フィリピンでビジネスを始めるにあたって知っておきたいリスクやデメリットをご紹介したいと思います。
これらをしっかり熟知した上で、綿密な計画を立てて臨むことをおすすめします。
<日本人は株式を40%しか持てない>
まず知っておきたいのは、法人設立に関する法律のこと。
フィリピンで起業して会社を作るとしても、日本人は株式を100%持つことができません。
60%はフィリピン人に持たせなければならず、自分が持てるのは40%です。
さらに、小売業やレストラン業の場合、フィリピン資本100%である必要がある場合もあります。
つまり、フィリピンで会社をやるには共同経営のような形をとる必要があり、それはすなわち信頼できるビジネスパートナーが必要ということになります。
もちろん、売り上げの配当方法などは最初に契約書を交わすことになるとは思いますが、のちのち利益が上がってきた時に、相手が不服だと言い出す可能性もあるのです。
最悪の場合、会社を丸ごと乗っ取られるリスクも・・・。
ましてや相手は外国人で、文化も慣習も違うのですから尚更です。
せっかく一緒にビジネスを始めても、喧嘩になってしまうようでは楽しくないですし、続けられないでしょう。
フィリピンで会社を設立するにはまず、現地で信用できるフィリピン人がいないと難しいことを知っておきましょう。
<インフラが弱い>
フィリピンに滞在したことのある人なら知っているかもしれませんが、フィリピンはインフラが非常に弱いです。
道路や鉄道の整備がなかなか進まず、特に首都マニラやセブではひどい交通渋滞を引き起こしており、物流に大きな影響を与えています。
その経済的損失は1日50億円にも上ると言われています。
マニラには「スカイウェイ」という高速道路が出来たおかげで空港周辺の渋滞は少しだけ緩和されたと言われていますが、それでもまだ決して快適とは言えない状況が続いています。
もしこのままインフラが改善されなければ、将来的に交通渋滞は今の4倍ひどくなるとも言われており、インフラ整備はフィリピン政府にとって最重要項目の1つとなっているのです。
フィリピンでビジネスをする際も、その業種やビジネスモデルによっては、交通渋滞が大きく運営や売上げに関係してくると思われます。
フィリピンに進出してくる際には、このようなインフラ状況を承知した上で始めなければなりません。
<有能な人材探しが難しい>
フィリピンと日本では、働き方や仕事に対する考え方に大きな違いがあります。
日本人は世界的に見ても、真面目で謙虚で努力家で・・といったイメージがあるかと思いますが、フィリピンはいわばその逆です。
まず遅刻は当たり前ですし(悪いとも思っていない)、仕事中も何もしていない時間がよくあり、超マイペース。
日本人の常識的な基準から見れば、完全に怠けているようにしか見えない人がたくさんいるのです。
コンビニに行けばレジでスマホをいじりながらおしゃべりなんて日常ですし、順番を待っているお客がいても急ぐ様子は一切なし。
これは、フィリピン人がもともとそういう気質の人種だということもありますし、真面目に働いてもたいした給料が貰えない、という社会構造も原因になっていると言われています。
こういった、日本人とは全然違った国民性を持つ人々を教育するのは、決して楽ではないはずです。
また、良好な関係を築くためにも、たまにはフィリピン人に合わせなければならない場面もあるでしょうし、自分のやりたい方針を貫こうとしても無理な時もあります。
そういった部分を適度に妥協しながら、上手に従業員をコントロール・統制する能力がないと、フィリピンで会社を経営して従業員を雇う、というのは非常にストレスフルなものになってしまいます。
<治安が不安定>
フィリピンは東南アジアの中でも特に貧富の差が大きく、治安の悪さが玉に瑕と言われています。
特に首都マニラは夜に日本人が一人で出歩くとスリや強盗などに遭うケースが多く、スラム街もまだまだそこらじゅうにあり、日本のように安心して暮らすことはできません。
また、現在ドゥテルテ大統領が麻薬を撲滅するとしてキャンペーンを行なっていますが、それによって関係のない人も殺害されている例もあります。
警察には汚職が横行しており、政情も安定しているとは言えないでしょう。
昨年はミンダナオ島でイスラム系武装組織とフィリピン国軍の紛争もあり、人々はテロの恐怖に怯えました。
2020年にはドゥテルテ大統領の任期が終わり、新しい大統領が誕生する予定で、その時にはまた政情がどう動くか分かりません。
もちろん、マニラのマカティやBGC(ボニファシオ・グローバルシティ)など、非常に安全で日本と同様に安心して暮らせるエリアもありますが、この国がまだ治安的にも発展途上だということは、ビジネス行う上でも知っておいた方が良いでしょう。
<まずは現地視察を!>
このように、フィリピンでの起業にはさまざまなリスクやデメリットも伴います。
しかし、それはフィリピンだけでなくどこであっても同じこと。
大変な部分は確かに多いですが、フィリピンの経済動向を見れば、ビジネスチャンスが大きいことも明らかです。
発展途上な国だからこそ、まだ誕生していない未知のビジネスフィールドがたくさんあるとも言えます。
フィリピン人が今何を求め、どんな生活がしたいのか?欲しいもの、解決したいことは何なのか?
まずはその調査を重ね、少しでもリスクは少なく、自分が楽しいと思えるビジネスを始めるのが一番です。
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実際にこの国を訪れ、活気あふれる人々と成長していく街の様子を肌で感じてみてください。
現地を見ることで、新しいビジネスのアイディアが降ってくるかもしれません。
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