フィリピンへのビジネス進出、メリット・デメリットは?
東南アジアで随一の経済成長率を誇るフィリピン。
この国が世界中から注目され、投資の対象となっているのには様々な理由があります。
メリットが多く、将来性も十分に見込まれるフィリピンには、日本から進出してビジネスを興す人たちも非常に多いです。
今回は、フィリピンに進出、投資するメリットとデメリットについて見てみましょう。
【フィリピン進出のメリット】
<高い経済成長率>
上述したように、フィリピンの経済成長率は他の東南アジア諸国と比べても非常に勢いがあります。
2019年は6.4%と、昨年よりは0.3%ほど減速しているものの、依然として世界的に見れば高い水準です。
ちなみに日本の2019年の実質経済成長率はなんと0.7%。
この数字を見ても、フィリピンがどれだけ順調に伸びているのかよく分かります。
多少の上下はあるものの、激しく低下することは今のところ予想されていません。
<人口増加>
フィリピンの著しい経済成長は、人口の増加なしには語れません。
現在フィリピンの人口は1億人を突破しており、このまま2091年まで増え続けると言われています。
しかも、その年齢も平均24歳(ちなみに日本は45歳)。
まさに「人口ボーナス期」が続くことが容易に想像できる若さが特徴です。
若い人口が多ければ多いほど労働力となり、国の発展に繋がります。
フィリピンではこの人口の多さと若さによって、長期的に経済が成長し続けるだろうと予想されているのです。
<英語が通じる>
フィリピンの公用語はフィリピン語と英語。
学校に行けないような極端な貧困家庭を除いては、ほとんどの国民が英語を理解します。
小学校から英語で授業が行われるためです。
フィリピンでは英語が堪能な人口が多いために、BPO(業務委託)産業によるコールセンター事業などが発展しています。
アメリカなどの外資系企業がフィリピンにオフィスを作り、フィリピン人を雇って英語の必要な仕事をさせているのです。
世界で通用するビジネス英語を使いこなすフィリピン人は、今後グローバルなビジネスを考えている人にとって、非常に重要な人材となるでしょう。
<経済特区がある>
世界中の企業がこぞってフィリピンに進出している理由の1つとして、経済特区の存在が挙げられます。
フィリピンの経済特区は「ITパーク」をはじめ、なんと国内に300ヶ所以上。
ITだけでなく、製造業専門など、業種別にさまざまな経済特区があるのです。
日系をはじめ外資系企業が経済特区でビジネスを始める場合、条件を満たすと優遇措置が受けられます。
たとえば、最大8年間の法人所得税の免除や、外国人投資家とその家族の永住権保証、原材料の輸入免税などです。
フィリピンにもっと投資してもらおうと、政府も外国企業の進出を斡旋しています。
<買い手市場のマーケット>
フィリピンは人口こそ増えているものの、失業率が高いことが大きな問題です。
仕事がなく、余っている人々がたくさんいるのです。
フィリピン経済にとっては憂慮すべきことですが、海外から進出する企業にとっては、大きな「買い手市場」となっており、これ以上ないチャンスとなっています。
また、フィリピンは物価とともに人件費も安いです。
最低賃金は日給800円ほどで、これ以下しか貰っていない人も大勢います。
そんな中で、日本の企業がもう少し優遇してあげることで、有能な人材が探しやすい状態になっているのです。
<日本との良好な関係>
日本とフィリピンの関係は、非常に良いものを保っています。
ドゥテルテ大統領は度々日本を訪れて安倍総理と会談し、お互いに協力しあうことを約束していますし、フィリピン国民にも親日家が多いです。
鉄道の建設などフィリピンのインフラ整備にも、日本の企業が大いに貢献しています。
【フィリピン進出のデメリット】
<インフラが弱い>
フィリピンは将来性が高くチャンスが大きい国である一方で、まだインフラが発達していないというデメリットがあります。
これは多くの外資系企業にとってネックとなっているのです。
たとえば道路や鉄道建設の遅れによる交通渋滞の悪化は、フィリピン経済に日々多大な損失をもたらしています。
また、上下水道の整備も日本と比べれば圧倒的に遅れていて、ちょっと大雨が降ればあっという間に道路は冠水。
それだけで流通に大きな障害をきたし、あらゆるビジネスに打撃を与えています。
さらに、電気代の異常な高さやインターネットの速度が遅いことも大きな問題です。
今やどんなジャンルのビジネスにおいても欠かせないインターネットですが、フィリピンでは回線のインフラが十分整っていないため、日本と比較して圧倒的に遅いです。
何しろまだDSLというアナログ回線を使っており、日本のように光回線は普及していません。
雷が原因で停電することもしょっちゅうです。
電気とインターネットの質の向上は、フィリピン経済を発展させていくにあたって、急務と言えるでしょう。
<100%日本人、日本資本の企業は作れない>
日本人は基本的にフィリピンでは優遇・歓迎されていますが、フィリピンには以下のようなルールが存在します。
・会社の株式の60%以上をフィリピン人が保有しなければならない
・外国人は土地を所有できないので、フィリピン人名義の土地を使う必要がある
・小売業や外食産業の場合、フィリピン資本100%である必要があることもある
こういったいろいろな制限があるため、日本人グループだけで会社を作って営業することはほぼ無理なのです。
様々な場面でフィリピン人が必要なため、現地にまったく知り合いのいない状態でビジネスを始めるのは簡単ではありません。
信頼できるフィリピン人でなければ、一緒に運営していくのは難しいでしょう。
<フィリピン人と働く難しさ>
上述したように、フィリピンでビジネスをやるとなれば、何らかの形でフィリピン人と契約を結んだり、一緒に働いたりすることになります。
その際に多くの日本人がぶつかるのが、文化や風習の違いです。
フィリピン人にとって、仕事は人生においてそこまで大事なことではありません。
プライベートな時間や家族を、何よりも大事にしています。
そのため、日本人から見ると「働かない」「すぐ休む」「仕事中なのに不真面目」といった評価を受けやすいのです。
これは彼らのワークスタイルなので、日本人のやり方に合わせてくれというのは非常に難しく、どこかで妥協が必要になってきます。
日本人経営者の中には、上手に折り合いをつけてフィリピン人と仲良く働ける人もいれば、どうしても合わずストレスが溜まって結局は会社をたたんでしまう人も非常に多いです。
【フィリピンを一度視察してみよう】
フィリピンにビジネス進出するメリットとデメリットについてご紹介しました。
様々な要素が複雑に絡み合っている現代のフィリピンですが、今後も大きく飛躍していく可能性が高いことは間違いありません。
少なくとも、現在の日本よりは確実に、経済が伸びていくことが予想できると思います。
実際にフィリピンでビジネスを始めるとなれば、現地に赴いて人々の動向や都市の様子を伺うことは大変重要です。
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