フィリピン人との結婚の実情と学べること
昔からフィリピンとの繋がりが強い日本には、フィリピン人と結婚する人たちもたくさんいます。
フィリピン人との結婚というと以前は、”フィリピンパブで出会った女性がお金目当てで日本人男性と結婚する”というイメージが強かったかもしれません。
確かにそういった例も多々あります。
しかし、SNSが発達した現代では、出会いのきっかけも多様になりましたし、フィリピン人男性と日本人女性のカップルも増えてきています。
国際結婚にはいろいろなメリットやデメリットがあると思いますが、特にフィリピン人との結婚には日本人同士とどのような違いがあるのでしょうか。
実際にフィリピン人と結婚した時にぶつかる問題や、逆に日本人との結婚では味わえない幸せとはどんなものなのか?体験者の声をもとに、まとめてみたいと思います。
<最初にぶつかるのは言葉の壁>
国際結婚をするとなれば、必ずぶつかるのは言葉の壁。
もちろん、英語やタガログ語に不自由のないカップルならこの問題はスルーできるかもしれませんが、ほとんどのカップルはどこかしらでコミュニケーションの難しさを感じることがあるでしょう。
まずベースとなる言語は英語になることが多いと思いますが、二人とも同じレベルの英語力を持っているとは限りません。
日本人は英語が苦手な人が多いですが、逆にフィリピンは英語が公用語であるためほとんどの人が話せます。
この場合、日本人が英語を勉強することでレベルアップし、妻の英語力に追いつくことは可能でしょう。
しかし、時には逆のパターンもあります。
日本人の方が英語堪能で、フィリピン人側があまり話せない、というパターンです。
「フィリピンって英語が公用語なのに話せない人なんているの?」と思うかもしれませんが、実はフィリピンの中でも英語を流暢に話せるのは、しっかり学校を卒業できている中流階級以上の人たちだけです。
田舎に住んでいるフィリピン人や貧困層でまともに学校に行けず教育を受けていない人たちは、ある程度理解はできても、文法や発音がめちゃくちゃで時折何を言っているのか分からないこともあります。
特にフィリピンパブで出会うフィリピーナは、ほとんどが貧しい家庭に育っているので、英語力が乏しい子も多いのです。
そんな貧困層出身で、語学習得のために懸命に勉強しようというフィリピン人は、そう多くありません。
そのため、細かいニュアンスなどがきちんと伝わらず、誤解されてしまったり、喧嘩になってしまったりすることもあるようです。
英語が苦手なフィリピン人と円滑にコミュニケーションをとるために、中にはタガログ語やセブアノ語を学ぶ日本人もいます。
<フィリピン人との結婚では避けられない?!金銭問題>
フィリピン人と日本人では、お金の使い方やお金に対する考え方に、とてつもなく大きな差があります。
まず彼らは、稼げない人は稼げる人に助けてもらうのが当たり前、と思っています。
これは男でも女でも関係ありません。
昔の日本のように「男が大黒柱になって妻はそれを支える」といった風習もありません。
(むしろ逆で、妻が家族を養っているケースが多い。)
ほとんどのフィリピン人にとって、日本人は圧倒的にお金持ちです。
何しろ彼らの給料は平均して1日に800円程度。
1ヶ月2万円くらいが相場なのです。
物価が安いから良いと思われがちですが、彼らの給料に見合うほど安いわけではありません。
フィリピンの物価は日本の3〜4分の1程度ですが、給料は10分の1なのです。
これでは生活が苦しくて当然ですし、日本人と結婚したなら助けてもらいたいと考えるのも自然でしょう。
そのため、フィリピン人と結婚する=養ってあげる というのは大前提になると思って良いです。
ただ、それだけなら問題ないかもしれないのですが、フィリピン独特の事情として、その人の家族(両親や兄妹など)まで助けて欲しいと言われるからビックリなのです。
フィリピン人は、家族をものすごく大事にする文化があり、一家に稼げる人が一人いれば、その人が家族全員を助けるというのが風習になっています。
一緒に住んでいなくても、働いている娘や息子が定期的に両親に送金するのが当たり前です。
そのお金を、あなたに求めてくる可能性は極めて高いです。
なぜならそれが普通だし、結婚したら当然やってもらうことだと思っているからです。
別にお金目的の結婚じゃなくても、この問題はほぼ必ず出てくるでしょう。
「私を愛しているなら私の家族も大事にしてくれるのが当然でしょう」と考えているので、これを断るのはかなり難しいです。
トラブルを避けるためには、あらかじめ送金する金額を決め、それ以上は出せないと言っておくべきです。
そうじゃないと、「誰々が病気になった」「家具が壊れた」などなどの様々な理由をつけて、増額を要求してきます。
<献身的に尽くすフィリピン人>
言葉やお金の問題など、ネガティブなことが多く思えるフィリピン人との結婚ですが、もちろん良い面もあります。
それは彼らが持つ献身的な姿勢です。
フィリピン人は、男も女も一度誰かを好きになれば非常に情熱的。
その人が困っていれば絶対に助けようとしますし、遠くでも来てくれます。
また、そばにいれば常に笑顔で明るく接してくれますし、スキンシップも大好きです。
甘え上手な女性が多いので、余計に愛おしく思えることもあるでしょう。
日本人ならまずそこまでやらないだろうと思われるレベルで尽くしてくれるので、それに心を揺さぶられる人が非常に多いのです。
日本人と結婚しても決して味わえない、「愛されてる感」を思いっきり感じることができるのは、フィリピン人と結婚する魅力の1つと言えます。
ただし、その分嫉妬深さも半端ないので、浮気は絶対にご法度です。
<離婚はできないから覚悟して結婚しよう>
そんな、良くも悪くも感情的で情熱的なフィリピン人との結婚ですが、最も注意したいのは、離婚できないという点です。
カトリック教が強い権威を持つフィリピンでは、離婚は法律で認められていないのです。
どうしても離れたい場合は、「結婚の無効化」という手続きを取ることは可能ですが、これには弁護士や裁判が必要で、時間もお金も相当かかります。
フィリピン人同士のカップルは費用が払えないため、この手続きすらも諦めて、ただ別居している人たちも大勢います。
日本人とフィリピン人の結婚は、実は80%以上が離婚していますが、そこに至るためには相当な労力をかけているのです。
そのため、フィリピン人と結婚するのは、日本人と結婚するよりも一大決心になるかと思います。
本当に一生その人と添い遂げる気があるのか?信頼関係は築けているのか?しっかり冷静になって考えてみる必要があるでしょう。
<フィリピン人から学べること>
文化も国民性も習慣も、日本とはまったく違うフィリピン。
時間を守らない、プライドが高い、平気で仕事を休む、働かない・・などなど、ネガティブに思えてしまう面も多いですが、日本人にはないものもたくさん持っています。
日本人のように自分の精神や体を追い詰めてまで働くことは決してしないですし、いつもストレスを感じないよう楽観的に過ごしているのです。
お金を貯めることもできず、無計画にその日暮らしを楽しんでいるフィリピン人の生き様を見ていると、「明日は明日の風が吹く」という言葉がぴったりだなぁと感じます。
次の給料日がくる前にお金を全部使い果たしてしまっても少しも動じず、今日を楽しく生きられれば良いと思っているようです。
日本人は真面目すぎで、仕事が人生のようになってしまっている人が大半ですし、将来の不安や起きてもいないことを心配する時間が多すぎるのかもしれません。
多少貧しくても、人生を楽しんでいる、という感覚はきっとフィリピン人の方が強いと思います。
ある意味真逆の生き方をしているフィリピン人から学べることはたくさんあります。
フィリピン人と結婚したら、こういった日々の暮らし方の違いに戸惑うこともあるでしょう。
しかし、そこから何を学べるのか?どう活かすべきか?を考えると、日本人との平凡な結婚では得られない、エキサイティングな生活が待っているかもしれません。