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フィリピン政府とイスラム主義勢力、和平は実現するのか?


フィリピンはASEAN唯一のキリスト教国。

国民の83%がカトリック、その他のキリスト教が10%と言われています。

フィリピンを訪れれば、教会もたくさん見かけますし、お祈りの時間もあるので、彼らの生活にどれだけキリスト教が根付いているか分かるでしょう。

 

しかし、実はイスラム教徒も5%ほど存在しています。

フィリピンでイスラム教というのはあまりイメージがないかもしれませんが、ミンダナオ地域では人口の2割以上がイスラム教徒なんです。

 

<フィリピンのイスラム教の歴史>

フィリピンにイスラム教が最初に入ってきたのは、14世紀のこと。

記録に残っている中では国内最古の一神教です。

ペルシア湾や南アジアの商人などのイスラム教信者が、スールー諸島やホロ島にやってきて、布教していきました。

ミンダナオ島には国内で最初のモスクが造られ、その後アラブ系の宣教者がフィリピンに定住するようになり、イスラム教が広まっていきます。

そして、フィリピンには初のイスラム王国である「スールー王国」が誕生しました。

ミンダナオ島にもともと住んでいた人々はアニミズム(万物の全てに固有の霊が宿っているという信仰)を信仰していましたが、15世紀までにはほとんどの島民がイスラム教に改宗しました。

 

<イスラム教徒ミンダナオ自治地域(ARMM)>

上記のような歴史から、現在もミンダナオ島の国民の2割以上がイスラム教徒となっています。

キリスト教が強い権限を持つフィリピン政府とは、長い間相容れない関係を続けてきました。

その後、イスラム主義勢力とフィリピン政府の和平を図るため、1990年、バシラン、ラナオ・デル・スル、マギンダナオ、スールー、タウィタウィの5州から成る「イスラム教徒ミンダナオ自治地域(ARMM)」が設置され、独自の政府を持つ地域として認められました。

ARMMの首府はコタバトに置かれ、ここは治外法権下(国の法律や統治権の支配を受けない)となりました。

しかし、それでもなお、バンサモロ(ミンダナオ島のイスラム教徒)の武装組織の中には暴力的な姿勢をやめない者が多く、根本的な問題解決には至りませんでした。

また、ARMM内では貧困が汚職、治安不安などの問題も深刻になっていきました。

 

<「バンサモロ基本法」によってイスラム自治政府樹立へ>

2018年7月26日、ドゥテルテ大統領はイスラム教徒による自治政府樹立を認める「バンサモロ基本法」に署名しました。

これによって、ARMMは解体され、ミンダナオ島のバンサモロ自治政府には新しく高度な自治が認められ、予算の立案や執行権も持つようになります。

また、自治区内のイスラム教徒に関しては、イスラム法に基づく司法制度も適用されます。

ARMMに加えて、バンサモロ地域として認められる州や地域も増えました。

ドゥテルテ大統領が目標としてきたイスラム主義勢力との紛争が、バンサモロ基本法の成立によってやっと終息を迎え、和平が実現しそうな状況となっています。

 

<イスラム自治政府樹立へ向けた住民投票>

ミンダナオ島におけるイスラム自治政府の樹立については、2019年の1月21日と2月6日に、島内でその是非を問う住民投票が行われました。

その結果、ミンダナオ島西部の5州1市、コタバト州の63のバランガイ(集落)が、イスラム自治政府の領域となることが確定。

正式なバンサモロ政府は、2022年の選挙を経て樹立される予定となっています。

 

<本当に和平は実現するのか?>

ARMMの解体、そしてバンサモロによる新しいイスラム自治政府の樹立によって、いよいよミンダナオ島には和平が実現するのではと期待されていますが、その一方で、大きな課題も残されています。

それは、「モロ民族解放戦線(MNLF)」の存在です。

MNLFは、イスラム教徒による政治組織の一派であり、フィリピンの反政府武装勢力でもありました。

今回フィリピン政府からの和平交渉に応じているのはMNLFから離反した組織「モロ・イスラム解放戦線(MILF)」です。

MNLFは、依然としてイスラム自治政府の発足や住民投票などの今回の新しい流れから距離を置いており、フィリピン政府への協力を拒否している状態です。

今後は、フィリピン政府がMNLFとどう向き合い、協力を要請していくかが、本当の和平へ向けての重要な課題になると言われています。

本格的にイスラム自治政府が樹立されるまでには、まだあと3年あります。

ドゥテルテ大統領がどう動くのか?本当にイスラム主義勢力との和平は実現するのか?

フィリピン国民をはじめ、世界中が不安と期待を持って見ています。