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フィリピン麻薬戦争をめぐる論争とドゥテルテ大統領


ドゥテルテ大統領が進める麻薬撲滅キャンペーンを巡り、フィリピンでは日々さまざまな事件が起こっています。

麻薬犯罪に関わっていることが疑わしい者は裁判にかけずに殺していい、という強権的な政策によって、これまでに亡くなった人の数は、はっきりしているだけでも5,000人以上。

人権団体の調査では、推定1〜2万人にも上ると言われています。

中には実際に麻薬を使用したり売買したりした犯人もいると思いますが、まったく関係のない人が濡れ衣を着せられたり、たまたま戦闘の近くにいて銃弾を受けてしまった人がいたりと、痛ましい事例も多々あり、議論を呼んでいます。

国際人権団体「アムネスティ」は、フィリピンの麻薬戦争における殺人行為は、超法規的殺人そして警察権力の乱用だと指摘していますが、ドゥテルテ大統領は聞く気はなく、国際司法裁判所(ICJ)を脱退しました。

自国のことを、他国から干渉を受けるつもりはない、という姿勢です。

 

アムネスティのフィリピン支部長オラノ氏によれば、ドゥテルテ政権発足から2年くらいの間は、死亡事案に関する報告書が残されていたが、現在はその記録も残されなくなった、とのこと。

誰かどこで誰によって殺されたのか分からない状態となり、今もなお、日々死者が出ていると言います。

6日にロイターが発表したニュースによれば、1週間前にはわずか3歳のマイカ・ウルピナちゃんが麻薬戦争の犠牲になったとのこと。

麻薬犯罪疑惑がかけられていたのはマイカちゃんの父親で、警察は父親がマイカちゃんを盾にしたと主張しましたが、真偽はわかりません。

マイカちゃんの母親は、事件が起きた当時は家族全員寝ていたので、そんなことはありえないと主張しています。

 

アムネスティは、麻薬戦争の範囲が首都マニラから郊外地域へ拡大していることも明らかにしました。

「郊外にはマニラよりも人目につかずに殺せる場所がたくさんあり、警察にとっては好都合。死体も簡単に田んぼや高速道路へ捨てることができる。」と、オラノ氏は語ります。

 

麻薬戦争が始まってから2年経った今も、麻薬自体は根絶されていません。

7日には、100万ドルに相当するコカインの包みがケソン市の砂浜で発見されたそう。

これらのコカインはここ数ヶ月の間にフィリピン東部海岸で地元住民や漁師たちによって、日常的に収穫されていたのだとか。

こういった例は今回だけでなく、今年2月・3月にも同様にあり、3月に発見された包み39個は、400万ドルに値するものでした。

警察によれば、これらはフィリピンで消費されるものではなく、コカインの闇市場があるオーストラリアへ送られるためのものだったと推測されています。

 

一部の情報によれば、フィリピンで麻薬取引を牛耳っているのは警察と繋がりのある富裕層や政治家であり、彼らはいつまでも罰されることはないのだとか。

それどころか、関係のない貧しい人々がどんどん犠牲になっている、ともオラノ氏は主張します。

ドゥテルテ大統領はかねてから麻薬根絶とともに政治汚職の払拭も公約に掲げてきましたが、今のところそのどちらも解決できたとは言えない状態でしょう。

 

しかし一方で、貧困にあえぐ人々が麻薬に手を出す確率が高いことも事実です。

彼らは空腹を紛らわすため、ドラッグを使います。

また、麻薬の運び屋という仕事で生計を立てている例もあります。

他に生きていく手段がないのです。

麻薬をなくすことももちろんですが、社会格差を是正していくことが急務のようにも思えます。

 

また、これだけの犠牲者が出て世界から批判を受けているドゥテルテ政権ですが、フィリピン国内の支持率は依然として高いままです。

中には、家族が麻薬戦争の犠牲になってもなお、彼を支持し続ける人もいます。

それはやはり、ドゥテルテ大統領によってフィリピンから少しずつ悪人が減ったと感じているからに他なりません。

「以前よりも街が平和になったと感じる」と話す住民も少なくありません。

過去の独裁や汚職の絶えない腐った政権に比べれば、ドゥテルテ大統領の政策はよっぽど国のために行われていると感じるのでしょう。

また、彼にはかつてダバオを”フィリピンで最も安全な都市”へと変えた実績もあります。

フィリピンの人々がドゥテルテ大統領に期待をかけているのは、彼がこれまでにない抜本的な改革をしてくれるかもしれない、と考えているからでしょう。

 

アムネスティら人権団体の批判に対して「フェイクニュースに踊らされた外国政府の不当な干渉」と、超法規的殺人の可能性を否定するドゥテルテ大統領。

自国への調査乗り出しは一切受け付けない姿勢です。

世界からどう言われようと、ドゥテルテ大統領は現在の方針を変えるつもりはなさそうですし、いざとなれば自身の死ですらいとわないという発言もあります。

強権的かつ大胆な政策もさることながら、本人のキャラクターもまた、世界の非難と国民の支持を両方同時に受ける結果を招いているのかもしれません。